a slowly dish
秋田県南部の矢島町周辺に伝わる「松皮餅」。
その名のとおり松の皮を生地に練り込んだもので先人の英知に驚かされます。
きれいな紫色の大福に顔を近づけて見ると、生地のところどころに黒い繊維があります。これが、松の皮。ところが、樹皮から想像する口當(dāng)たりの悪さもヤニ臭さもありません。むしろ、生地はやわらかく、塩の効いた餡が食欲を促します。
秋田県由利本莊市矢島町の佐藤和子さんは、この「松皮餅」作りの名人として知られています。佐藤さんの松皮餅(1個(gè)100円)は、松の皮を練り込んだもち米の生地で餡を包んだ、いわゆる大福餅ですが、もともとこの地域に伝わる松皮餅とは、春の節(jié)句に作られた菱餅。ヨモギを練り込んだ緑色の菱餅とともに、雛壇を飾っていました。佐藤さんの故郷である隣町の鳥海町でも同様で、「餡が入っていないから、子どもの頃は焼いてきなこなどを付けて食べていたんですよ」と懐かしそうに話します。
松の皮は、內(nèi)側(cè)の薄い部分を利用。ひと晩水につけたあと、灰汁または重曹で半日ほど煮て、たたいて繊維を潰します。下処理にこれほど時(shí)間も労力もかかる松の皮を、あえて餅に練り込んだのは、その美しい色と抗菌作用が理由といわれています。その証拠に、使う松は、灰汁や重曹を入れて煮ると煮汁が赤紫色に変わる赤松のみ。また、佐藤さんの松皮餅は一般的な大福餅よりも日持ちし、カビが発生しにくいそうです。
しかし、時(shí)代の変化とともにその価値が薄れた松皮餅は、いつの間にか姿を消します。佐藤さんも小學(xué)1?2年生の頃に食べたのが最後だったとか。ところが25年ほど前、たたいた松の皮の「玉」を近所の人からもらったのをきっかけに、佐藤さんが大福餅にアレンジ。これが大評(píng)判となりました。當(dāng)時(shí)よりも松の皮の比率を少なくして食べやすく仕上げていることもあり、今では毎日100個(gè)の注文が入るほどの人気です。
佐藤さんの作る松皮餅は、地元の産直施設(shè)「やさい王國(guó)」で購(gòu)入することができます。
文/赤坂環(huán)
撮影/奧山淳志
rakra2007年10月號(hào)掲載
2007年9月頃撮影

やさい王國(guó)
秋田県由利本荘市矢島町城內(nèi)字築館451
TEL 0184-55-2560
営業(yè)時(shí)間 9:00~18:00(11月~4月は17:30まで)
年末年始休
ロイヤルシティ八幡平リゾートより約189.4km

佐藤さんは、雪が降る前と溶けた後の年2回、赤松の皮を採(cǎi)ります。それをひと晩水につけたあと重曹を加えて煮て、冷凍。寫真はそれを解凍したもので、使う時(shí)には再び煮て、たたきます。

もち米をついたものに松の皮を練り込んで生地を作ります。

中に入れる餡も自家製。塩がやや多めなので、食べ飽きません。

「松皮餅を作るのは手間も時(shí)間もかかりますが、お客さんが喜んでくれる顔を想像しながら作るのが楽しい」と笑顔の佐藤和子さん。