おりつめ木工
文化?歴史
ロイヤルシティ八幡平リゾート/2025.01.22
いわて花巻空港をはじめ、巖手県內(nèi)のあちこちのスポットで、緩やかな曲線を描いた木の椅子やベンチを見(jiàn)かけます。作者は巖手県二戸市出身の木工職人、和山忠吉さん。「おりつめ木工」という名前は、和山さんの地元、二戸市を中心に近隣の市町村にまたがる折爪岳(おりつめだけ?標(biāo)高852m)から名付けられています。代表作のスツール『ねまーる』は、巖手の言葉で「座る、休む」を意味する「ねまる」と「スツール」を合わせた造語(yǔ)。巖手の杉でつくった『ねまーる杉ちゃん』は、2015年(平成27年)のウッドデザイン賞(ライフスタイルデザイン部門)を受賞しています。
國(guó)道沿いにある和山さんの工房。さまざまな木工機(jī)械と自然乾燥中の木材が空間を埋める
雫石町にある和山さんの工房を訪ねました。ここはもともと、和山さんが弟子入りしていた建具職人で現(xiàn)代の名工 、故 四ツ家芳雄氏の工房だった場(chǎng)所。大きな窓の向こうに雑木林が広がり、室內(nèi)は秋田杉やアカマツ、ホオノキ、コブシなど、雫石近辺で育った木材の心地よい香りに包まれています。四ツ家氏のもとで木工技術(shù)を?qū)Wんだ後、トリックアートを用いた作風(fēng)で知られ、「日本のエッシャー」と呼ばれたグラフィックデザイナー、故 福田繁雄氏の作風(fēng)に刺激を受け、二戸でデザイン教室を行う福田さんの傍らで長(zhǎng)年アシスタントを務(wù)めました。
ユーモアと機(jī)能性を両立させた実用家具を手がける、木工職人の和山忠吉さん
「福田さんのように、ユーモアあふれる作品を木工でつくれたら」という発想から、自分だけの作風(fēng)を開(kāi)拓した和山さん。椅子?スツールをはじめ、ベッドなのに獨(dú)立したベンチや引き出し収納としても使える『ベンチを並べてベッド』や、「魚」の文字になった貓のおうち、キャンプでも使える犬のおうちといった『どうぶつ家具』など、和山さんが製作したバラエティ豊かな木工家具は、全國(guó)各地で愛(ài)用されています。ほかにも、ご近所さん宅の家具の修繕や、所有する山の木を使ってほしいという依頼まで、心の距離が近い木工職人さんとして親しまれています。
(寫真左上)作業(yè)中の和山さん (寫真右上)工房の窓から見(jiàn)える雑木林。シナやナラ、クワ、ホオノキなどが自生
(寫真左下、右下)作品端材を使う、子どもたちの木工體験教室は毎回人気。「親御さんに連れられてきた子も、途中から集中して、喜んで帰ってくれるのがうれしいです」
「生活している人の聲に、クラフトマンとして何ができるかということをずっと考えてきました。(これまでを振り返ると)お客さんのリクエストに巻き込まれて、ニーズに応えていって、だんだんカスタマイズしたものが作品として殘っていったんだなと感じます。勝手なことを言われることもあるけど(笑)、最後に喜んでもらえるものをつくっていければいいなと思っています」と、和山さんは語(yǔ)ります。未來(lái)に向けてできることをと考え、子どもたちを?qū)澫螭耸激幛磕竟んw験教室も2024年(令和6年)で4年目。大人の手にのるくらいのミニチュアサイズの椅子づくりを、端材を使って行うというもので、県內(nèi)各地の作品展の會(huì)場(chǎng)で開(kāi)催されています。
雫石町役場(chǎng)で使われているアカマツのテーブルは、町の細(xì)かい地形が再現(xiàn)されている。植物性の塗料でメンテナンスされ、光沢が美しい
和山さんの作品は、各地で行われる作品展のほか、道の駅や雫石町役場(chǎng)などで見(jiàn)ることができます。雫石町役場(chǎng)2階には、町有林の伐採(cǎi)木材を使ったテーブルを設(shè)置。雫石町の全図を描いた天板と、漢字で「雫石」とかたどった腳など、一度見(jiàn)れば忘れられないユニークなデザインが印象的です。また1階には『七つ森ベンチ』も設(shè)置。座り心地も取っ手の感觸も柔らかで、木のやさしさがあふれています。「四ツ家さんには『材料を上手に使うことが最高の技術(shù)』と、福田さんからは『デザインはコミュニケーション』と學(xué)びました。今後も目の前のことをやりつつ、子どもたちと一緒に何かつくり続けられたらと思っています」(和山さん)
七ツ森の緩やかな山並みをイメージした『七つ森ベンチ』。體へのフィット感があり、立ち上がりの動(dòng)作にも余計(jì)な負(fù)荷がかからない設(shè)計(jì)に