鐘崎総本店 笹かま館
食?趣味?娯楽
ロイヤルシティ宮城蔵王リゾート/2025.02.27
「笹かまぼこ」といえば、仙臺名物のひとつです。一説によると市內のかまぼこ店が明治時代に、伊達家の家紋「竹に雀」にちなみ、笹の葉型の焼きかまぼこを売り出したのが始まりだとか。海流に恵まれた仙臺灣で大量のヒラメが水揚げされながらも、當時はまだ輸送も保存設備も不十分。ひと山いくらで売られてもなお持て余す始末でした。そこですり身にして串に刺して焼いたところ、おいしくて保存もきくことから一気に人気を得たといいます。ちなみに「笹かま」は商標登録されており、宮城県內のかまぼこ業者だけが使えるネーミングです。
定番品から季節限定までの笹かまぼこが1個から購入できる、1階鐘崎ショップ
1947年(昭和22年)に創業した「鐘崎」は、仙臺市に本社を置く笹かまぼこの製造?販売會社です。看板商品の笹かまぼこ「大漁旗」は、1枚90gの大ボリュームで、化學調味料やでんぷん、卵白、保存料は無添加。魚本來の味に近いテイストを再現し、手軽にタンパク質が取れる健康食品としても注目されています。そうした笹かまぼこを中心に、仙臺の食や文化を満喫できる「鐘崎総本店 笹かま館」は『おいしさ、楽しく』をテーマにした體験型施設です。
技術を磨くスタッフらの姿を見學できる「鐘崎屋」。「鐘崎屋」とは創業當時の名稱
1階のギフトショップの奧は、笹かま館の真髄を伝える「鐘崎屋」です。創業當時の店構えを再現したこのゾーンは、昔ながらの手法を継承するベテラン職人のもとで他のスタッフが技術を磨く場所で、通稱「かまぼこ塾」。市場から仕入れた魚をおろすところから、擂潰(らいかい)といわれる擦り潰しの作業、焼き上げ、形成までをガラス越しに見學できます。また、店舗前にはカウンターもあり、宮城県の地酒などとともに、注文を受けてから焼き始める笹かまぼこを味わえます。
(※現在、土日開催の早朝見學のみ実施中)
(寫真左、右上)取材時には正月用のだて巻きやとうもろこし揚げなどを製造中
(寫真右下)大きなスチーマーや擂潰機などが並ぶ作業場で早朝4時から仕込みが始まる
體験コーナーの2階では、笹かまぼこや揚げかまぼこの手づくり體験教室のほか、実際の製造時間帯にあわせて行う、朝食付き早朝工場見學なども行われています。「笹かま手作り體験教室」は小學生以上を対象にした體験教室で、笹かまぼこを焼いて完成させるまでの工程を體験できる約45分。夏休みなどには3世代で參加する家族も少なくないといいます。また毎月1回、水産練り製品製造技能士の國家資格を持つスタッフを塾長に、マンツーマンで笹かまぼこをつくる「本気塾」も開催。自分でイチから笹かまぼこをつくる貴重な時間も待っています。
自分で、笹の葉狀に形成し、目の前で焼いていく「笹かま手作り體験教室」
見學や體験が終わった後は「杜のこんだてCafé」へ。すり身や地元食材を組み合わせたオリジナルの和惣菜からスイーツまでバラエティー豊かで、地元のランチスポットとしても人気です。すり身を入れたガレットをメインにした『杜のこんだて特製Café特製のランチプレート』をはじめ、鐘崎の看板商品『大漁旗』をカツにした『大漁旗かつ丼』など食べ応え満點のランチメニューのほか、笹かまぼこを自分で焼いて食べられる「ぷっくら焼きコーナー」、お弁當やモッチリ仕上がった魚ドーナツなどのテイクアウトメニューまで、かまぼこや地元の旬をいろんなスタイルで満喫できます。
すり身や野菜たっぷりのメニューが揃う 「杜のこんだてCafé」。世代を超えて楽しめる多彩なメニュー構成
毎年8月6日から3日間開催される仙臺七夕まつりは、400年以上の歴史を誇る夏の風物詩です。子どもたちの技蕓が上達するようにと伊達政宗公が七夕を奨勵したとされ、次第に民間で年中行事化。もともとは家ごとに願い事を飾るささやかなお祭りでしたが、昭和に入ってから豪華さを競う現在の七夕まつりになったといいます。別館の「七夕ミュージアム」では、実際にお祭りのために鐘崎が制作してきた歴代の七夕飾りが所狹しと展示されているほか、明治初期の祭りの様子など七夕の歴史を振り返るゾーンなど、仙臺七夕を深く知ることができる構成に。笹かまぼこから仙臺七夕まつりまで、全館通して仙臺の人々の身近にある文化に觸れることができます。
「七夕ミュージアム」では、多彩な七夕飾りがお出迎え