佐田岬半島
自然?風土
ロイヤルシティ佐田岬リゾート/2022.03.31
四國の最西端、愛媛県佐田岬(さだみさき)半島。全長約40kmに対し、最大幅約6.4kmという獨特の地形から「日本一細長い半島」ともいわれています。ロイヤルシティ佐田岬リゾートが広がるのは、そんな半島のほぼ中央部。標高約300mの高臺に、山頂の地形を生かして開発されました。佐田岬半島はかつて交通の難所でしたが、國道197號線(通稱メロディーライン)が開通してからは、半島の先端までロングドライブが可能に。晴れた日の椿山展望臺からは、空と海に美しく映える白亜の燈臺、佐田岬燈臺(國登録有形文化財)と、大分?國東半島までが一望できます。
(寫真左)細長い岬の姿がわかる伽藍山山頂からの眺め (寫真右)集落全體に色とりどりの石垣が続く「名取の石垣」
九州に向かって右手に瀬戸內海、左に宇和海に囲まれた佐田岬半島。伽藍山山頂からは、ふたつの海がひとつになる岬の様子がよくわかります。急峻な山と海沿いのわずかな平地で形成されているため、高臺から足元を見下ろすと、すぐ近くに海が広がっているような錯覚を覚えます。海辺の集落に行くと、美しく積み重なった石垣があちこちに。これらは、佐田岬半島を形成する主な地盤「緑色片巖」などを利用してつくられたものです。この『名取の石垣』でも家屋の基礎や風除け、石室にと、石垣はさまざまな用途に利用され、この地を生かして生きようとした先人たちの知恵と工夫が伝わってきます。
(寫真左)妙楽寺を開基した佐々木義行と妻タノを祀る花崗巖の五輪塔
(寫真右)ひときわ存在感のある「三崎のアコウ」。クワ科の亜熱帯植物としては北限分布地にあたる
半島の暮らしを見守ってきた史跡や古木にも出會えます。長い時間雨風に打たれた古い石造物をあちこちで見かけますが、かつて供養塔や墓に使われた五輪塔(ごりんとう)が立派に祀られているのが、1604年(慶長9年)建立の『妙楽寺』です。境內に並ぶ2基は、明確に紀年名と戒名を記した五輪塔として町內最古。伊方町指定有形文化財になっています。一方、三崎港近くで生い茂る巨木は、推定樹齢600年といわれるクワ科の亜熱帯植物「アコウ」。高さ約18m、周囲約14mにもなる天然記念物で、根をからませて石垣にしがみつく様子から「タコの樹」とも呼ばれています。1921年(大正10年)の天然記念物指定は四國最古級です。
佐田岬半島は、中央を標高300~400m級の山並みが背骨のように貫いています。その細く長い稜線にあわせて、風力発電用の巨大な風車が60基近く並び、海からの風を受けて回っています。『せと風の丘パーク』の頂上デッキは、半島の付け根から岬まで道しるべのように立つ白い風車はもちろん、360度にわたって美しい景色が楽しめる絶景スポット。パーク內にも風車があり、真下から見上げるその姿は圧巻です。
『大久展望臺(瀬戸展望休憩所)』には広い駐車場があり、ドライブの休憩に適した場所です。ギリシャ神殿のような白い展望臺の2階デッキに上がると、眼下に広がる宇和海と、西にうねる半島突端まで一望できます。長い岬にはいくつもの「鼻」が海に突き出しており、これぞリアス式海岸という風景です。大久展望臺の真下は、夏には海水浴やマリンスポーツで人気の『大久海岸』。天然の砂浜が約1.5km続く美しい浜辺として知られ、引き潮時には波消しブロックまで歩いていくことができます。
(寫真上)バードウォッチャーに人気の権現山展望臺。(寫真下)展望臺からは瀬戸內海沿いに三機灣が見える
佐田岬半島は、渡り鳥や昆蟲類の渡りの休憩場所として知られます。半島を縦走する國道197號線も、潮騒や鳥の歌聲が聴こえてくることから、「佐田岬メロディーライン」という愛稱が付けられたとか。渡り鳥の観測ポイントである権現山山頂では、さまざまな種類の渡り鳥を県內一早く観察することができます。佐田岬リゾートのオーナーさまの中には、自宅の庭やベランダにエサ皿を添えつけ、まるで家族のように野鳥たちを迎える方もいらっしゃいます。
椿山展望臺[現地から約26.6㎞]/佐田岬燈臺[現地から約27.0㎞]/伽藍山[現地から約14.5㎞]
名取の石垣[現地から約13.0㎞]/妙楽寺[現地から約20.2㎞]/ 三崎港[現地から約12.2㎞]
せと風の丘パーク[現地から約4.0㎞] / 大久展望臺[現地から約2.2㎞]
大久海岸[現地から約5.5㎞]/ 権現山展望臺[現地から約4.8㎞]
取材撮影/2022年2月5日、6日
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