八幡平市、雫石町、盛岡市
自然?風土
ロイヤルシティ八幡平リゾート/2023.03.24
巖手県の最高峰、標高2,038mの巖手山を南に望み、西には秋田県と巖手県にまたがる高原臺地、八幡平(はちまんたい/標高1,614m)。ロイヤルシティ八幡平リゾートは「日本百名山」に選ばれるこのふたつの名峰に包まれています。
「南部片富士」の異名を持つ巖手山は、東の盛岡市側から見ると富士山のように長い裾野を広げていることから「表巖手」、南の雫石町周辺からは有史以來5回の噴火で生じた凹凸とした山容から「裏巖手」と呼ばれています。盛岡市と雫石町にまたがるダム湖「御所湖(ごしょこ)」は、その広大な湖面に巖手山を映し出すビュースポット。つなぎ溫泉側の湖岸から見ると、巖手山に向かってまっすぐに伸びる繋(つなぎ)大橋が、さらなるスケールを感じさせます。
(寫真左)湯量毎分3,000リットル以上が湧き出る鶯宿溫泉街の憩いの場「うぐいす湯の里公園」
(寫真右)盛岡高松公園內の「高松の池」。以前は湖面でスケートが楽しめていたとか
御所湖にそそぐ鶯宿(おうしゅく)川をさかのぼると、小さな山間に鶯宿溫泉(おうしゅくおんせん)があります。ここは開湯450年を數える古湯で、ウグイスが傷ついた足をひたして癒やしていたと伝わることから、風雅な名前に。川沿いに旅館が立ち並ぶ中、観光客や地元の人の憩いの場となっている「うぐいす湯の里公園」では、かけ流しの足湯が楽しめます。
東北には、越冬するハクチョウの飛來地が點在します。盛岡高松公園にある「高松の池」も、多くのハクチョウが飛來する地として知られます。池の周りをウォーキングやジョギングをする人がいる中、夕方になると鳴き聲が聴こえ始め、周囲の上空を旋回しながら降下。毎年1月のピーク時で200羽を超えるハクチョウが飛來し、4月頃まで越冬するといいます。
(寫真左)巖山公園から見た盛岡市街の夜景 (寫真右)盛岡城跡公園のライトアップは、11月から翌年5月末頃まで行われている
盛岡市街地からも巖手山を望める場所があります。小高い丘陵地にある巖山公園は、1970年(昭和45年)の開設以來、盛岡市民に親しまれている憩いの場。展望臺からは、市街地を見守る巖手山や八幡平、北上山系まで一望でき、夜になれば、「日本夜景遺産」や「夜景100選」にも選ばれた盛岡市街の美しい夜景が広がります。
盛岡市の街中に広がる「盛岡城跡公園」では、盛岡城石垣のライトアップが毎冬の恒例に。石垣の城は西國で発達したものですが、盛岡城のように東北地方にこれほどの高い石垣で囲まれている城は、數えるほどしかないのだとか。長い築城期間の中でさまざまな積み方が混在した盛岡城の石垣は、ライトアップされることで、その複雑さがさらに際立ちます。
雪の放牧地にたたずむ上坊牧野の一本桜。巖手山の雪は桜の季節にも殘っている
再び、八幡平リゾートが広がる八幡平市へ。巖手山を借景とするビュースポットが點在する中で、八幡平市営牧野の放牧地、上坊牧野(うわぼうぼくや)の一本桜も寫真に収めたくなる場所です。1732年(享保17年)の噴火で山腹に積み重なった「焼走り熔巖流」が殘る荒々しい山肌と、「表巖手」の美しい裾野が見える草原に凜とたたずむカスミザクラ。空と巖手山と草原しか見えない景色の中、両手を広げたような枝ぶりは雪に覆われていっそう際立ち、神々しく感じられるほど。遅咲きのカスミザクラは、5月上旬から遅い年には5月中旬に見頃を迎えます。
(寫真左)「森の大橋」から見た冬の松川渓谷 (寫真右上)噴出口から長さ3km、幅1.5kmにわたって広がる「焼走り熔巖流」。雪の季節は一面がモノクロの世界に (寫真右下)1966年(昭和41年)より稼働する、日本の再生可能エネルギー活用の先駆け「松川地熱発電所」
焼走り熔巖流付近から始まる市道「巖手山パノラマライン」を、八幡平溫泉街方面へ向かうと、巖手山の北麓に森林公園「巖手県県民の森」があります。360ヘクタールにも及ぶ広大な敷地が広がり、秋深くなると、ブナやミズナラが色とりどりに染まります。近くの松川渓谷にかかる「森の大橋」も、エメラルドグリーンに光る松川と鮮やかな紅葉が見事なコントラストを見せる絶景ポイント。冬木立となった渓谷では荒々しい巖肌が露わになり、水墨畫を思わせる美しさをたたえています。
雪道をさらに上ると、硫黃の香り漂う松川溫泉にたどり著きます。1743年(寛保3年)に開湯した松川溫泉は、山深さゆえに戦前まであまり知られることのなかった東北有數の秘湯で、近くには日本初の地熱発電所「松川地熱発電所」があります。この地熱発電は、地下1~3kmの地層中の亀裂に蓄えられている熱水を取り出し、その蒸気で発電させるシステムで、半世紀以上にわたってクリーンな國産エネルギーを供給。訪れた日には、巨大な冷卻塔から白い蒸気が威勢良く吐き出され、風に乗って巖手山の方向へと流れていきました。
巖手山の裾野に広がる「巖手県県民の森」
巖手山[現地から約25.5km~26.5km]/ 八幡平[現地から約25.0km~26.0km]
雫石町[現地から約39.4km~40.4km]/ 盛岡市[現地から約35.6km~36.6km]
御所湖[現地から約42.4km~43.4km]/ つなぎ溫泉[現地から約41.4km~42.4km]
繋大橋[現地から約40.2km~41.2km]/ うぐいす湯の里公園[現地から約50.4km~51.4km]
高松の池[現地から約34.0km~35.0km]/ 鶯宿川[現地から約51.5km~52.5km]
鶯宿溫泉[現地から約51.5km~52.5km]/ 巖山公園[現地から約41.0km~42.0km]
盛岡城跡公園[現地から約35.8km~36.8km]/ 上坊牧野の一本桜[現地から約3.2km~4.2km]
焼走り熔巖流[現地から約4.1km~5.1km]/ 森の大橋[現地から約5.3km~6.3km]
松川渓谷[現地から約5.4km~6.4km]/ 松川地熱発電所[現地から約10.7km~11.7km]
巖手県県民の森[現地から約5.2km~6.2km]
取材撮影/2022年12月9日~11日、12月31日、2023年1月19日
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