國が積極的に普及を後押するBIM/CIMへの関心が建築業(yè)界で高まっています。実際に建物を建設(shè)する前の段階でコンピュータ上に立體モデルを作成し、建築に関連する多様なコストなどを最適化する手法で、生産性を向上させ建設(shè)業(yè)に関わる人たちの働き方を改善するなど業(yè)界成長のカギを握るものとして注目を集めています。

2014年に國がBIMガイドラインを策定

BIMは「Building Information Modelling」の略。ITを活用して建築における計(jì)畫?調(diào)査?設(shè)計(jì)?施工?管理の全ての段階で3次元モデルを組み立て、情報(bào)を共有しながら工程を進(jìn)めていくツールといわれています。モデリングとはシステム開発の分野で、業(yè)務(wù)フローやその構(gòu)造を抽象化することです。システム開発においては多くのソフトウエアを駆使しますが、完成に至るまでの過程では不要な情報(bào)も出てきます。それらを削ぎ落として開発の本丸に到達(dá)するために本質(zhì)的な部分にスポットを當(dāng)てて情報(bào)を的確に伝えていくことが求められます。

しかし要求されたシステムを構(gòu)築した後に、間違っていたから作り直すというのでは非効率。こうした弊害を除いて効率よく適切な予算で成果物を得る手法がBIMといえるでしょう。とりわけ建築物はやり直しが効きませんから、建築業(yè)界におけるBIMは注目すべきツールといえるでしょう。

BIMはアメリカで生まれた考え方で歐米を中心に普及が進(jìn)んでおり、わが國では2010年頃に國土交通省が提唱してきました。2014年3月に國土交通省が「BIMガイドライン」を策定し、官公庁の営繕事業(yè)に適用するようになりました。國が率先して公共建築物の設(shè)計(jì)?工事にBIMを?qū)毪工毪长趣?、啓蒙と普及を図る狙いがありました。CIMは「Construction Information Modelling」の略で、Building（建築）がConstruction（土木）に置き換えられたもので、現(xiàn)在ではほぼ同一視されています。

BIMCIMはメリットが多い

BIM/CIMモデルは対象の構(gòu)造物の形狀を3次元で表した立體的な情報(bào)である「3次元モデル」と、3次元モデルに付與する部材の名稱や形狀、寸法、強(qiáng)度、數(shù)量などの「屬性情報(bào)」を組み合わせたものです。BIM/CIMのメリットは、

• （1）生産性の向上
• （2）合意形成?情報(bào)共有の効果
• （3）建設(shè)現(xiàn)場の改革、働き方改革
• （4）新産業(yè)の創(chuàng)出

図1：BIM/CIMがもたらす明るい未來

出典：國土交通省「初めてのBIM/CIM」

などが挙げられます。設(shè)計(jì)段階では、建設(shè)予定地の周辺住民に対する説明會などで立體的な3次元モデルを使うことで、より深く理解してもらうことが期待されています。紙の設(shè)計(jì)図や見取り図など2次元の資料を使った説明では、一般の人々は完成後の建築物に対するイメージは湧きにくいものです。3次元モデルならば、より多くのの地域住民の理解が得られやすいといえるでしょう。

また施工段階で施工手順や工事の進(jìn)捗狀況が可視化され、資材や機(jī)材の調(diào)達(dá)も最適化されます。建設(shè)現(xiàn)場では従來の2次元畫面を使った発注や契約、検査などの過程を見直すことも可能で、品質(zhì)向上や生産性向上が実現(xiàn)します。作業(yè)の効率化で工事日數(shù)が短縮され休日が拡大。技能や経験にふさわしい処遇の改善も進(jìn)むといわれてます。

BIM/CIMの導(dǎo)入を阻むものとは？

ただ、國內(nèi)の建築業(yè)界ではBIM/CIMの導(dǎo)入は必ずしも順調(diào)に進(jìn)んでいるわけではありません。BIMを積極的に導(dǎo)入している歐米では、公共?民間を問わず建築申請の要件としてBIMデータを付けることが義務(wù)化されていますが、わが國では前述したように官公庁の営繕事業(yè)に対してガイドラインがあるだけで、義務(wù)化されていません。BIMを?qū)毪工毪郡幛摔细哳~なソフトウエアや高性能のハードウエアが必要です。またCADなどの技術(shù)と異なり、BIMを取得した人材がそもそも少ない現(xiàn)狀があります。

図2：BIMの導(dǎo)入に至らない理由

建築分野におけるBIMの活用?普及狀況の実態(tài)調(diào)査確定値＜詳細(xì)＞（令和3年1月國土交通省調(diào)べ）より作成

こうした背景がBIM/CIMMの導(dǎo)入を遅らせている原因といわれています。國交省が2021年に公表した「建築分野におけるBIMの活用?普及狀況の実態(tài)調(diào)査」によると、設(shè)計(jì)?施工の関係者は「発注者からBIMの活用を求められていない」との理由で、BIMを?qū)毪筏皮い胜い却黏à咳摔啶ⅰ脯F(xiàn)狀はCADなどを使うことで何も問題はない」との認(rèn)識にあります。

しかし、わが國の産業(yè)界はどの業(yè)種も少子高齢化による擔(dān)い手不足が深刻です。特に建築業(yè)界はいわゆる「3K」のイメージが強(qiáng)い業(yè)界。建築業(yè)界で進(jìn)んでいるDX（デジタル?トランスフォーメーション）は、この人材不足を改善する手立てのひとつとして注目されており、BIM/CIMもDX推進(jìn)の流れに沿うものとして位置づけられます。コスト面における導(dǎo)入のハードルは必ずしも低くはありませんが、人材不足や資材の高騰といった建設(shè)業(yè)界が抱える構(gòu)造的な課題の解決ツールとして一層の普及が待たれます。