自宅に居ながら買い物ができる通信販売。テレビ通販やインターネットショッピングは、商品を?qū)盲堡胝錁I(yè)者の存在が不可欠です。しかし近年は、生活スタイルが多様化して在宅時(shí)間と配送のタイミングが合わずに再配達(dá)が増加し、ただでさえ深刻な物流業(yè)界の人出不足に拍車をかけています。官民含めて喫緊の課題になっている宅配便の再配達(dá)について考えてみます。

EC化率5％超え、 宅配個(gè)數(shù)は3年連続増加

國土交通省が調(diào)査した2017年の宅配便取扱実績によると、過去10年間では2009年度と2014年度を除いて、宅配便の取扱個(gè)數(shù)は毎年増加しています。特にここ3年は連続で増えており、増加ピッチが速まっています。

（図1） 宅配便の取扱個(gè)數(shù)の推移

出所：國土交通省「平成29年度　宅配便取扱実績について」

宅配便急増の大きな要因は、いうまでもなくインターネットショッピングの普及です。経済産業(yè)省が毎年実施する電子商取引（EC取引）の市場規(guī)模の推移を見ると、2017年のBtoC-EC取引は16兆円に達(dá)し、商取引全體に占める割合（EC化率）は2016年に5％を超えるまでになりました。わが國にインターネットが普及し始めたのは1995年といわれ、大手ECモールが1997年にできました。當(dāng)初、EC化率は數(shù)値化できないほど極小でしたが、高速大容量のインターネット接続が普及し始めた2000年代初頭から一気に上昇。いまやインターネットショッピングは日常生活に不可欠な買い物手段の一つに成長してきました。

（図2）インターネットを利用した商取引市場規(guī)模の推移

出所：経済通産省「電子商取引に関する実態(tài)調(diào)査」

これまでインターネットショッピングは、國內(nèi)外の大手ECモールやショッピングサイトが普及を後押ししてきました。その後、こうした大手サイトに続いて衣料品を?qū)熼Tに扱うサイトが登場して有名ブランドが出店するようになる一方、メーカー各社が自社のショッピングサイトを次々に開設(shè)するようになり、スーパーや百貨店などの流通大手も參戦。ショッピングサイトは百花繚亂の様相を呈してきたのです。

ある有名アパレルメーカーでは、全販売量の10％をEC取引が占めるよう3カ年の中期経営計(jì)畫に盛り込み、計(jì)畫どおり3年間で達(dá)成しました。こうしたEC化の積極的な取り組みは他業(yè)種にも広がり、インターネットショッピングは大手のモールサイトだけでなく、アパレルに限らず、メーカーによるインターネットショッピングが広がっています。

個(gè)別の企業(yè)におけるインターネットでの直販比率が高まると、商品を購入者に屆けるための宅配便は法人単位で増えていくことになります。

再配達(dá)の労働コストは年間9萬人のドライバーの労働力に相當(dāng)する

こうした宅配便の急増で、深刻な問題になっているのが再配達(dá)の増加です。トラック輸送に頼る宅配便は、CO2排出量の増加という環(huán)境問題のほか、物流業(yè)界のドライバー不足を助長するものとして重大な社會問題になっています。総務(wù)省の「2016年労働力調(diào)査」によれば、トラック輸送就業(yè)者の約4割が50歳以上で占められており、高齢化が進(jìn)んでいます。

※ 大手宅配事業(yè)者3社の合計(jì)數(shù)値、期間は10月1日～ 10月31日
國土交通省「宅配便再配達(dá)実態(tài)調(diào)査」より作成

國土交通省では、こうした問題に対応するため「総合物流施策推進(jìn)プログラム」の中で、宅配便の再配達(dá)率の削減目標(biāo)を2017年度は16％程度、2020年度は13％程度に設(shè)定して対策に取り組んでいます。今後、高齢者におけるインターネットの利用普及が進(jìn)めば、インターネットショッピングの利用はさらに増加し、宅配便の取扱件數(shù)もそれに伴って増えるでしょう。約2割にせまる再配達(dá)を労働力に換算すると、年間約9萬人のドライバーの労働力に相當(dāng)するといわれており、再配達(dá)コストをできるだけ減らして通常配送に振り向けていかなければ、現(xiàn)在の物流システムは維持できなくなる恐れもあります。

建築基準(zhǔn)法一部改正で宅配ボックス推進(jìn)

再配達(dá)を減らすための方策としては、次のようなものがあります。

1. （1）時(shí)間帯指定
2. （2）メールなどのコミュニケーションツール
3. （3）コンビニ受け取りや駅の宅配ロッカー
4. （4）宅配ボックス
5. ―などの活用

2018年9月に建築基準(zhǔn)法の一部改正があり、オフィスや商業(yè)施設(shè)などにも宅配ボックスを設(shè)置しやすくなりました。商品の宅配ニーズの増加で普及が進(jìn)んでいる宅配ボックスについて、建物用途や設(shè)置場所にかかわらず、宅配ボックス設(shè)置部分を一定の範(fàn)囲內(nèi)で容積率規(guī)制の対象外とするよう設(shè)置規(guī)制を緩和したのです。これまでは容積率がネックになって設(shè)置することができなかったオフィスビルや商業(yè)施設(shè)でも宅配便を受け取ることができるようになったことで、再配達(dá)の減少に貢獻(xiàn)すると思われます。

商業(yè)施設(shè)などに設(shè)置してある宅配ボックスは、大きく分けて暗証番號で施解錠する「機(jī)械式（ダイヤル式）」と、操作キーで施解錠するコンピューター制御の「電気式」があります。
個(gè)人宅で宅配ボックスを設(shè)置する人も増えているようです。簡易型のものならば、大容量のものでも數(shù)千円から市販されています。

宅配ロッカーや宅配ボックスは、便利な反面、容量によって入りきらない場合には宅配業(yè)者が持ち帰ったりすることもあります。また、ダイヤル式の宅配ボックスで、宅配業(yè)者が暗証番號を書き忘れたり、間違えたりして荷物が取り出せなかったというトラブルもあるようです。

2018年11月に國土交通省と経済産業(yè)省が共催した「宅配事業(yè)とEC事業(yè)の生産性向上連絡(luò)會」で、再配達(dá)削減に向けた取組事例が取り上げられました。それによると、あるEC事業(yè)者は東京23區(qū)內(nèi)で1時(shí)間単位の配達(dá)時(shí)間指定を?qū)搿Ｅ溥_(dá)當(dāng)日には30分単位でメールなどによる到著予定時(shí)間通知をした結(jié)果、サービス利用者の不在率が2％に減少しました。一般的な再配達(dá)率が15％～ 20％で推移している現(xiàn)狀と比較すると、高い配達(dá)率を示しています。
また、宅配業(yè)者と不動産會社、宅配ボックス製造業(yè)者が協(xié)働して新しい宅配システムを開発し、マンション向けに各住戸専用の「玄関前宅配ボックス」を設(shè)置。マンション入居者の利便性向上、宅配物の再配達(dá)増加を緩和するための取り組みも行われています。
ECは將來的にもさらに発展していく可能性を秘めています。そのためにも、モノの移動を支える物流の改革が必要とされています。