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      コラム No.71-2

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      「特例事業承継稅制」シリーズ(2)「特例事業承継稅制」の経営者?後継者の要件

      公開日:2019/02/28

      特例事業承継稅制の適用を受けるためには、贈與?相続等の前には先代経営者が、贈與?相続等の後には後継者が、同族関係者で総株主議決権數の50%超の株式を保有し、かつその同族関係者の中で筆頭株主であることなどの要件を満たす必要があります。

      贈與稅の先代経営者?後継者の要件

      1)先代経営者の要件

      贈與において、先代経営者は次の要件を満たす必要があります。

      • (1)會社の代表者であったこと(贈與までに代表権を返上する必要がある)
      • (2)先代経営者と同族関係者が株主総議決権數の50%超の株式を保有し、かつその同族関係者(特例経営承継受贈者を除く)の中で、先代経営者が筆頭株主であったこと(代表者であった當時のいずれかの時點および贈與直前に要件を満たす必要がある。代表権返上直後に贈與した場合は贈與直前のみでいい)

      2)特例経営承継受贈者(後継者)の要件

      贈與の場合の特例経営承継受贈者は次の要件を満たす必要があります。

      • (1)會社の代表者であること(代表者はその者以外にいても可)
      • (2)18歳以上であり、かつ役員就任後3年を経過していること
      • (3)同族関係者と合わせて総株主議決権數の過半數を保有し、かつその同族関係者の中に後継者以外に保有株式數の上位者がいないこと(認定対象者は特例承継計畫に記載された代表権を有する3人までに限る)
      • (4)贈與時から認定申請日まで取得した認定承継會社の株式等のすべてを保有していること

      相続稅の先代経営者?後継者の要件

      1)先代経営者の要件

      相続または遺贈において、先代経営者は次の要件を満たす必要があります。

      • (1)會社の代表者であったこと(直前に代表者であってもなくてもよい)
      • (2)被相続人と同族関係者で総株主等議決権數の50%超の株式を保有し、かつその同族関係者(特例経営承継受贈者を除く)の中で筆頭株主であったこと(代表者であった當時のいずれかの時點および相続開始直前に要件を満たす必要がある。相続開始直前に代表権返上であった場合は相続開始直前のみで良い)

      2)特例経営承継相続人等(後継者)の要件

      相続の場合の後継者である特例承継受相続人等は次の要件を満たす必要があります。

      • (1)特例代表者であった被相続人の死亡の直前において特定認定承継會社の役員であったこと(被相続人が60歳未満であった時は役員でなくともよい)
      • (2)相続開始の日の翌日から5ヵ月を経過する日までに代表権を有していること
      • (3)相続または遺贈により株式等を取得した代表者であり、同族関係者と合わせて総株主等議決権數の過半數を保有し、かつその同族関係者の中に保有株式數の上位者がいないこと(認定対象者は代表権を有する特例承継計畫に記載された3人までに限る)
      • (4)被相続人の相続開始のときから認定申請日まで、相続または遺贈により取得した特例認定承継會社の株式のすべてを保有していること
        先代経営者の要件 後継者の要件
      贈與
      1. ?會社の代表者
      2. ?被相続人と同族関係者で50%超の株式を保有
      1. ?20歳以上、役員就任後3年を経過
      2. ?同族関係者と合わせて総株主議決権數の過半數を保有
      3. ?贈與により取得した認定承継會社の株式等のすべてを保有
      相続
      1. ?會社の代表者
      2. ?被相続人と同族関係者で50%超の株式を保有
      1. ?被相続人の死亡の直前において特定認定承継會社の役員(被相続人が60歳以上の場合)
      2. ?相続開始後5ヵ月までに代表権を有する
      3. ?同族関係者と合わせて総株主等議決権數の過半數を保有
      4. ?相続または遺贈により取得した特例認定承継會社の株式のすべてを保有

      納稅猶予の適用を受けることができないケース

      特例事業承継稅制の適用を受けるには、先代経営者が代表であった時點と贈與直前または相続開始直前に、同族関係者で総株主等議決権數の50%超を保有し、その同族関係者(後継者を除く)の中で筆頭株主でなければなりません。これについては、いくつかの注意すべきケースがあります。

      • (1)母親が筆頭株主だが代表者になったことがないケース:納稅猶予の適用を受けることができません。納稅猶予を受けるためだけに代表権を持つことは會社経営上も稅務上も行うべきではありません。
      • (2)関係會社が筆頭株主であるケース:納稅猶予の適用を受けることができません。要件を満たす場合には、先代経営者が関係會社から売買で取得する、または時価発行増資をするなどの方法で筆頭株主になることが必要です。
      • (3)関係會社と株式を持ち合っているケース:適用を受けようとする會社の株式を関係會社が保有しており、直接または間接的に適用を受けようとする會社も関係會社の株式を保有している場合(會社法上認められません)で、會社法において関係會社の保有株式には議決権がないこともあります。この場合には、この株式には議決権がないものとして判定します。

      複數の後継者への贈與の留意點

      複數の後継者に贈與したいという相談がよくあります。特例事業承継稅制では最大3人の後継者に関して特例納稅猶予の適用を受けることができます。平等にという希望も多いのですが、將來経営権の爭いが生じたときには大変なことになると想定しておくことも重要です。複數後継者の場合には、次のような留意點があります。

      • (1)贈與の場合には、役員就任から3年以上の実績が必要で、かつ贈與の直前に代表権を有していなければなりません。3人の場合には全員要件を満たす必要があります。
      • (2)相続の場合には、先代経営者死亡の時點で少なくとも役員でなければなりません(先代経営者が60歳未満であった場合を除く)。その上で相続開始の日の翌日から5カ月以內に代表権を取得する必要があります。もちろん、後継者が3人の場合には、3人の名前を記載して事前に特例承継計畫を提出していなければなりません。ただし、令和8年3月31日までは事後提出でも認められます。

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