EC取引全盛のいま、現(xiàn)代の物流を支えるトラック輸送の生産性向上と労働環(huán)境の改善は待ったなし。國はこのほど、自動(dòng)車運(yùn)送改革を進(jìn)める「ホワイト物流」運(yùn)動(dòng)への參畫を広く呼び掛けるため上場會(huì)社などに協(xié)力を要請(qǐng)し、賛同する企業(yè)の社名を公表することにしました。官民挙げて推進(jìn)している「ホワイト物流」について考えます。

トラック運(yùn)転手の労働環(huán)境改善

インターネットが普及したおかげで、私たちはスマートフォンやパソコンを使って手軽に買い物をすることができるようになりました。しかしモノを購入することはITで実現(xiàn)できましたが、購入した商品を利用者の手元に屆けるITは存在せず、人手を使わなければ実現(xiàn)できません。近年、物流の世界では交通渋滯を避ける配送ルート最適化システムの導(dǎo)入や、トラック輸送から大量輸送可能な海運(yùn)?鉄道に切り替えるモーダルシフトが広がりつつありますが、利用者に直接屆けることができるトラックにかなう輸送手段は見當(dāng)たりません。

しかし、人口減少と高齢化が進(jìn)展している現(xiàn)在、トラック運(yùn)転手が不足し物流ニーズに対応するトラックの安定調(diào)達(dá)が困難になっています。トラック輸送における運(yùn)転手の40年間における推移を5年刻みで見てみると、最も多かった1995年（98萬人）と直近の2015年（76.7萬人）を比べた場合、2割の減少になっています。また、トラック輸送の就業(yè)年齢で45歳以上59歳以下の構(gòu)成比は44.8％で、同じ年齢層で全産業(yè)での構(gòu)成比を比べた場合、12ポイント上昇しています。逆に、トラック輸送に攜わる15歳から34歳までの若年層での比較では、全産業(yè)が25.1％なのに対して14.9％と10ポイント低下しています。

（図1）

「ホワイト物流」推進(jìn)運(yùn)動(dòng)に関する中央説明會(huì)用資料
（2019年3月　國土交通省?経済産業(yè)省?農(nóng)林水産省）より作成

（図2）

「ホワイト物流」推進(jìn)運(yùn)動(dòng)に関する中央説明會(huì)用資料
（2019年3月　國土交通省?経済産業(yè)省?農(nóng)林水産省）より

この數(shù)字で注目したいのは、トラック運(yùn)転手の高齢化よりも、若年層での擔(dān)い手不足です。物流業(yè)界でも60歳以上のシニア世代が活躍していますが、人口減少が進(jìn)む今後を考えると、業(yè)界に入ってくる新たなトラックドライバーを増やす環(huán)境を良くしていくことのほうがより重要と思われます。そのためには、運(yùn)転手の労働環(huán)境を改善?整備する必要があり、ホワイト物流は、運(yùn)転手のより良い（＝ホワイト）労働環(huán)境の実現(xiàn)運(yùn)動(dòng)ということになります。

荷待ち低減や手荷役改善で長時(shí)間労働解消へ

國土交通省?経済産業(yè)省?農(nóng)林水産省の3省は、國民生活にとって切り離せない物流の安定化に向けて4月、上場企業(yè)や各都道府県の主要企業(yè)にホワイト物流推進(jìn)運(yùn)動(dòng)の參加を要請(qǐng)し、賛同する企業(yè)の會(huì)社名を10月にも公表する予定です。國がこうした推進(jìn)運(yùn)動(dòng)のなかで賛同者の企業(yè)名を明らかにする狙いは、トラック輸送における労働環(huán)境の改善にあります。近年は長時(shí)間労働や有給休暇の取得率が低い會(huì)社をブラック企業(yè)と非難する風(fēng)潮があります。逆に言えば、労働環(huán)境が良好ならばより良い人材を確保できることにつながり、上場企業(yè)にとっては市場で高い評(píng)価を得ることができます。このため関係省庁は、企業(yè)の物流改革における取り組み姿勢を世間に公表することで運(yùn)動(dòng)への參畫を促すことにしたのです。

企業(yè)に対する?yún)f(xié)力を要請(qǐng)する背景には、いくつかの改善ポイントがあります。ひとつは、トラック運(yùn)転手の長時(shí)間労働の原因の一つにもなっている「荷待ち?xí)r間」の低減や「手荷役（手積み?手降し）」の改善で、荷主企業(yè)に求めるものです。ある納品先では、先著順で荷物の積み込みや積み下ろしが行われていました。しかしトラックと倉庫の間で積み下ろしを行うスペース（トラックバース）には限度があり、特定の時(shí)間帯に納品するトラックが集中しがち。その結(jié)果、長時(shí)間の無駄な荷待ちが常態(tài)化しているとの指摘があります。

（図3）

「ホワイト物流」推進(jìn)運(yùn)動(dòng)に関する中央説明會(huì)用資料
（2019年3月　國土交通省?経済産業(yè)省?農(nóng)林水産?。─瑜?/p>

こうした場合には、納品先が予約受付システムを?qū)毪筏郡?、トラックバースの利用時(shí)間を事前に設(shè)定して特定時(shí)間帯の集中を避けて平準(zhǔn)化するよう求めています。運(yùn)転手に過剰な労力を強(qiáng)いる手積み?手降しの改善も喫緊の課題。パレットの積極使用を奨勵(lì)して物流業(yè)者と出荷企業(yè)、著荷企業(yè)の3者で調(diào)整し、手作業(yè)からフォークリフトによる荷役作業(yè)に転換するよう要請(qǐng)しています。こうしたシステム導(dǎo)入でリードタイムは短縮され、運(yùn)転手の労働時(shí)間はかなり改善されると思われます。長時(shí)間労働が改善されれば、シニア世代の就業(yè)年數(shù)も伸びることが期待できますし、女性ドライバーの増加も今以上に増えることが予想されます。

國民にも理解?協(xié)力求めるホワイト物流

ホワイト物流は、企業(yè)関係者だけでなく、広く國民にも協(xié)力を呼び掛けています。宅配便の配送個(gè)數(shù)は年々増加の一途を辿っており、前述した「BtoB」（企業(yè)間取引）の世界を改善するだけでは効果が上がらないからです?！窧toC」（企業(yè)と個(gè)人の取引）で改めるところは少なくありません。

宅配便では、できるだけ1回で受け取り、宅配ボックスや業(yè)者の営業(yè)所やコンビニなどでの受け取りも活用するよう呼びかけています。また、モノを送るときは自分や相手が受け取りやすい日時(shí)?場所を指定し、インターネット通販などの販売を利用する場合は、できるだけまとめ買いして配送回?cái)?shù)を低減することも重要です。ただ、受取時(shí)間の指定は現(xiàn)在、一部の大手宅配業(yè)者だけが対応しているに留まっており、利用者からも不満の聲が出ています。一方、時(shí)間指定をしてもそれを守らない人も少なくありません。最も身近な配送手段である宅配便に関しては、相互協(xié)力と宅配業(yè)者における受取時(shí)間指定システムの業(yè)界統(tǒng)一が求められます。こうした努力なしに再配達(dá)の削減は実現(xiàn)しないのではないでしょうか。

いま最も深刻なのが引っ越しサービス。季節(jié)変動(dòng)による価格の格差は社會(huì)問題といっても過言ではありません。「引っ越し難民」という言葉も生まれたほどで、年度末や年度初め、卒業(yè)?入學(xué)、就職シーズンになると、數(shù)倍の料金がかかります。それだけにホワイト物流推進(jìn)では、転勤時(shí)期をずらす企業(yè)努力が欠かせません。また、トラック運(yùn)転者の休憩と安全運(yùn)転のため、高速道路のSA?PAや道の駅、コンビニなどの大型車駐車スペースへのマイカーの駐車を控えるよう呼び掛けています。