
CREコラム?トレンド
國(guó)交省が「企業(yè)不動(dòng)産の利活用ハンドブック」を公表
公開日:2019/06/28
人口減少に少子高齢化、インフラ老朽化など、地域社會(huì)を巡る課題が山積しています。國(guó)土交通省はこのほど、地域社會(huì)が抱える課題の解決に向けて企業(yè)不動(dòng)産の利活用を一層促進(jìn)することを狙い「企業(yè)による不動(dòng)産の利活用ハンドブック」を公表しました。その內(nèi)容から、これからの企業(yè)不動(dòng)産(CRE)戦略を探ります。
- ※本コラムは、國(guó)土交通省「企業(yè)による不動(dòng)産の利活用ハンドブック」內(nèi)、百嶋徹「寄稿 ハンドブック発刊によせて/地域活性化に向けた不動(dòng)産の利活用」より抜粋、要約したものです。
ESG投資の観點(diǎn)を踏まえた促進(jìn)が重要
環(huán)境?社會(huì)?ガバナンスを重視するESG投資や、持続可能な開発目標(biāo)(SDGs)の推進(jìn)が歐米を中心に世界的な潮流になっている中、企業(yè)が社會(huì)や地域の課題を解決する原動(dòng)力になることが求められています。「企業(yè)による不動(dòng)産の利活用ハンドブック」(以下、ハンドブック)では、企業(yè)による不動(dòng)産(CRE)の利活用に當(dāng)たっては、ESG投資の観點(diǎn)を踏まえた促進(jìn)が重要なポイントと指摘しています。
企業(yè)の不動(dòng)産戦略では、各種の施設(shè)が立地している地域社會(huì)との共生を図り、善良な企業(yè)市民として地域?都市に貢獻(xiàn)する視點(diǎn)が大切。企業(yè)不動(dòng)産は社會(huì)的な使命を果たし、ESG経営を?qū)g踐するための基地(プラットフォーム)の役割を擔(dān)うべきとしています。
例えば、ショッピングセンター(SC)の開発?運(yùn)営においては、SCが地域社會(huì)の中で創(chuàng)り出すことのできる社會(huì)的価値は、①出店地域にふさわしい街づくりに基づいた開発計(jì)畫の提案と実行、 ②地域住民にとって利便性の高い集いの場(chǎng)の提供、③防災(zāi)拠點(diǎn)としての社會(huì)的役割、④地域の雇用創(chuàng)出や稅収増への貢獻(xiàn)、などが挙げられます。
最近、人口減少に悩む過疎の地域で高齢者を?qū)澫螭俗灾误wが主導(dǎo)するタクシーやマイクロバスをショッピングセンター(SC)に定期便として運(yùn)行しているケースが多く見られます。経営的には厳しい狀況にあるともいわれるSCですが、いわゆる「買い物難民」と呼ばれる地域住民に対して、一定の社會(huì)的責(zé)任を果たしているといえるのではないでしょうか。
國(guó)土交通省「企業(yè)による不動(dòng)産の利活用ハンドブック」
百嶋徹「CSRとCRE 戦略」ニッセイ基礎(chǔ)研究所『基礎(chǔ)研レポート』(2015年3月31日)より作成
CRE戦略に必要不可欠な「三種の神器」
企業(yè)不動(dòng)産が、CSR(社會(huì)的責(zé)任)およびESG経営を?qū)g踐するための拠點(diǎn)としての役割を果たすには、企業(yè)が適切な運(yùn)営?管理體制の下で取り組むことが不可欠と説き、企業(yè)がCRE戦略に取り組む際に必要不可欠なポイントを「三種の神器」としています。
- (1)専門部署を設(shè)置し、IT活用による不動(dòng)産情報(bào)の一元管理で「企業(yè)不動(dòng)産マネジメントの一元化」を図る。
- (2)不動(dòng)産の管理だけでなく、先進(jìn)的?創(chuàng)造的な仕事場(chǎng)や働き方を?qū)毪筏迫瞬膜斡袆炕钣盲艘朁c(diǎn)を拡大させる。
- (3)アウトソーシングを積極的に利用する。日々の定性業(yè)務(wù)は外部委託し、社員の少數(shù)精鋭化を進(jìn)めて戦略的業(yè)務(wù)への集中を図る。
企業(yè)不動(dòng)産(CRE)を有効活用するには、 CREの価値をまず把握することが重要です。各営業(yè)所が管理している遊休土地がどのくらいの面積を有し、どのような利用をされてきたのか。不動(dòng)産コストは過去いくらかかっていたのか。「不動(dòng)産の棚卸し」はCRE戦略のまさに入口といえるものです。
企業(yè)の生産?販売競(jìng)爭(zhēng)はいま、グローバル化しています。厳しい競(jìng)合に打ち勝つには、従業(yè)員の創(chuàng)造性を企業(yè)競(jìng)爭(zhēng)力の重要なファクターと見なして、仕事場(chǎng)や働き方そのものを改革する動(dòng)きが世界的に広まっています。従業(yè)員のモチベーションを高めるために、オフィス環(huán)境の整備や従業(yè)員の心身の健康、働きがいの追及などに留意する「健康経営」の視點(diǎn)を?qū)毪工肫髽I(yè)が増えています。CRE戦略は単に不動(dòng)産を元に利益を上げることだけではないということです。
國(guó)土交通省「企業(yè)による不動(dòng)産の利活用ハンドブック」
百嶋徹?CSR(企業(yè)の社會(huì)的責(zé)任)再考?『ニッセイ基礎(chǔ)研REPORT』(2009年12月號(hào))より作成
アウトソーシングは一時(shí)期、産業(yè)界でブームのように連呼されましたが、近年はあまり聞こえてきません。ITの進(jìn)展などで、企業(yè)の中で業(yè)務(wù)の內(nèi)製化が進(jìn)んだことが背景の一つにあると思われます。しかし、一企業(yè)の事業(yè)活動(dòng)は年々複雑で広域になり、中核業(yè)務(wù)と非中核業(yè)務(wù)の選別が難しくなっています。どれも大事な仕事、という感性が心理的に働いているのかもしれません。
しかし、いつまでも自前主義では、世界的な競(jìng)爭(zhēng)に生き殘っていけません。アウトソーシングはCRE戦略に限ったことではありませんが、そもそもCRE戦略に取り組む企業(yè)が少ないのが現(xiàn)狀。 CRE戦略を進(jìn)める原動(dòng)力として、外部のCRE専門家を単に外部委託する相手としてではなく、委託を契機(jī)にして有力な事業(yè)パートナーの一つとしてとらえることの重要性をハンドブックでは力説しています。
多くの事例を集めたハンドブック
ハンドブックでは、地域活性化に寄與している13の事例を収めています。例えば靜岡市では、金融機(jī)関の社員寮をリノベーションしてシェアハウスが完成しました。シェアハウスに入居する若者が増えることで地域のイベントが盛り上がることを期待し、著工しました。その結(jié)果、入居者同士が集まり、地域との交流イベントも多數(shù)実施しています。
気仙沼市の水産加工の新工場(chǎng)は、2011年の東日本大震災(zāi)で前の工場(chǎng)が流出したため、新工場(chǎng)の建設(shè)にあたり、「脫?3K(きつい、汚い、危険)」をテーマに、女性や若者の立場(chǎng)に立って斬新なレイアウトに変更しました。カフェ風(fēng)の休憩室?食堂を設(shè)置したり、間仕切りなどを工夫して従業(yè)員同士の交流を促進(jìn)した結(jié)果、作業(yè)の効率性と生産性が格段に向上しました。
多くの企業(yè)はこれまで、保有する不動(dòng)産を経営資源というよりは擔(dān)保資産と見なし、有効活用するという視點(diǎn)が抜けていた、との指摘があります。経営を短期的にとらえて不動(dòng)産を売卻し、悪化した利益を一時(shí)的に補(bǔ)てんするなど、安易な「益出し」をしていた企業(yè)も少なくありません。今後は、企業(yè)間競(jìng)爭(zhēng)で生き殘るためにもCRE戦略を正しくとらえて実踐していくことが求められるのではないでしょうか。また、地方の地場(chǎng)企業(yè)、中小企業(yè)も社會(huì)貢獻(xiàn)という視點(diǎn)を?qū)毪筏破髽I(yè)の持続的な発展を考えていくことがより重要になっていくと思われます。