
賃貸住宅融資審査の厳格化と賃貸住宅著工數(shù)の関係
公開日:2018/10/23
POINT!
?金融機(jī)関の融資審査の厳格化が、貸家(賃貸住宅)の著工數(shù)減少の原因の一つになっている
? 貸し出し金利が上がると、著工數(shù)がかなり大きくマイナスになる
賃貸住宅融資の審査が厳格化している?
「金融機(jī)関が不動(dòng)産投資への融資審査を厳格化している」という聲が聞かれます。新聞などメディアでも、同様の內(nèi)容の記事を目にすることが増えてきました。今話題となっている地銀などの民間金融機(jī)関だけでなく、住宅金融支援機(jī)構(gòu)でも同様のことが起きていると報(bào)じられています。
メディアでは、審査の厳格化の理由の一つに、賃料の將來予測(cè)、空室の想定といった賃貸住宅経営を左右する大きなリスクに対する読みが甘いことが挙げられています。
この理由は正當(dāng)であり、納得できるものですが、「賃貸住宅が増えて、空室の増加懸念があるため、融資が厳しくなっている」などという一部メディアの報(bào)道には、疑問を持たざるを得ません。
賃料下落の予測(cè)、空室確率の予測(cè)を適切かつ厳格に行うのは重要なことです。これらが甘いと、市況が悪化したり、賃貸住宅需要が減少したりした場(chǎng)合などに、賃貸住宅の経営が立ち行かなくなりますので、適切なリスク予測(cè)を行ったうえで、賃貸住宅経営を始めるべきです。
しかし、「賃貸住宅が増えているから、空室懸念が増える」とは、斷言できません。エリアによって狀況は異なるからです。賃貸住宅需要が今後見込めず、減少すると思われるエリアもあるでしょう。しかし、需要が將來にわたり見込まれているエリアも少なからず存在します。そうした地域では、賃貸住宅は今後も増えると思います。
金融機(jī)関の融資審査が厳しくなると、貸家著工數(shù)が減る?
貸家(賃貸住宅)の著工數(shù)は2017年初夏頃から2018年7月までの14カ月間は、前年対比でマイナスが続きました(2018年8月はかろうじて前年対比でプラスになりました)。
2018年の年末にかけては消費(fèi)稅増稅の駆け込み需要の期待もあり、若干上向きになりそうですが、それでも年間ベースでは前年割れしそうな狀況です。
この著工數(shù)減少には、どのような原因があるのでしょうか。
一つには、先に述べた金融機(jī)関の融資審査の厳格化があるようです。確かに、オーナー様が賃貸住宅を建てる意思表示(契約)をしても、金融機(jī)関の融資が下りない場(chǎng)合は、実際に建てることは難しくなります。そのため、オーナー様が諦める事例も少なくないようです。
その他の著工數(shù)減少の要因としては、賃貸住宅に適した用地の減少があります。2013年頃から続く好調(diào)な賃貸住宅建築市況により、適した場(chǎng)所にはすでに賃貸住宅が建てられているということです。また、相続稅改正による賃貸住宅建築が一巡したことも要因の一つでしょう。
こうした複數(shù)の要因が重なり、賃貸住宅著工數(shù)にブレーキがかかっています。
金利と貸家著工數(shù)の関係
一方で、日銀は低金利誘導(dǎo)政策を続けており、賃貸住宅融資の金利は過去最低水準(zhǔn)が続いています。いうまでもありませんが、金利の低さは、賃貸住宅著工を押し上げる要因となります。
(図1)賃貸住宅融資金利と貸家著工戸數(shù)(全國(guó))の推移
住宅金融支援機(jī)構(gòu)、國(guó)土交通省「住宅著工統(tǒng)計(jì)」より
図1は、住宅金融支援機(jī)構(gòu)の賃貸住宅融資金利と、貸家(賃貸住宅)著工數(shù)の関係を示したものです。オレンジ線が金利(35年、固定)で左軸目盛、緑線が貸家著工數(shù)の全國(guó)合計(jì)で、右軸目盛です。2013年からの日銀による低金利政策で、金利はじわじわと下がっており、それに連動(dòng)して貸家著工數(shù)も増えています。低金利、稅制改正など、多くの要因が重なり、貸家著工數(shù)は2012年から2017年まで6年連続でプラスになりました。金利は2016年以降、橫ばいが続いています。
これら二つの相関係數(shù)を見るとマイナス0.76、つまり金利が下がると、著工數(shù)が増えるという強(qiáng)い逆相関関係があります。
これ以上貸し出し金利を下げるかどうかは分かりませんが、少なくとも今言えることは、「貸し出し金利が上がると、その他のネガティブ要因も相まって、著工數(shù)がかなり大きくマイナスになる」ということでしょう。金利の行方にも注目が必要です。