コラム vol.034
指數(shù)でつかむ不動産の市況の全體感。國土交通省「不動産価格指數(shù)」について
公開日:2015/05/12
不動産価格や不動産市況を俯瞰する指數(shù)にはいくつかあるが、その1つである國土交通省が算出として公表していた「不動産価格指數(shù)(住宅)」が2015年3月25日から、本格的に始動となった。
東証住宅価格指數(shù)
本格運(yùn)用に際し、これまで基準(zhǔn)時=100を2008年の平均に設(shè)定していたが、2010年の1年間の平均を100(基準(zhǔn))とすると変更になった。変更の理由は、こうした指數(shù)は世界的な慣例で5の倍數(shù)年を基準(zhǔn)とするらしく、それに倣ったようだ。ちなみに、東証住宅価格指數(shù)(現(xiàn) 不動研住宅価格指數(shù))は2000年1月の數(shù)字を100としている。
2007年の米國のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発した世界各國での金融市場の混亂は、2008年のリーマン?ブラザーズの破綻により世界的な金融危機(jī)へと発展し、さらに実態(tài)経済にも危機(jī)が拡大しました。
また、ヨーロッパではイギリスやスペイン等で2000年代後半以降不動産バブルが崩壊し、経済危機(jī)の一つの要因となりました。
近年の金融?経済危機(jī)は、不動産バブルの問題により危機(jī)が表面化し各國へ波及しましたが、これは、不動産価格の変動に関する情報が不十分で、既存の物価指數(shù)では不動産の価格変動を適切に把握できなかったためであると考えられています。
このため、不動産価格の動向を、國際的に共通の指針の下で迅速かつ的確に把握する必要があるとの認(rèn)識が各國において共有されました。2011年には、國際通貨基金(IMF)等により國際指針が作成され、G20諸國に対して、本指針に基づく不動産価格指數(shù)(住宅)を公表するよう勧告が出されました。
日本においても、2010年度より國土交通省を事務(wù)局として「不動産価格の動向指標(biāo)の整備に関する研究會」を開催しました。有識者や日本銀行、金融庁、內(nèi)閣府、総務(wù)省、法務(wù)省等の參加の下、國際指針に基づく指數(shù)の開発に向けた検討を進(jìn)め、2012年8月に不動産価格指數(shù)(住宅)の試験運(yùn)用を開始しました。
その後も「不動産価格指數(shù)(住宅?商業(yè)用不動産)の整備に関する研究會」における検討及び指數(shù)の更なる改善を行い、2015年3月より本格運(yùn)用に移行しました。
國土交通省のHPからの引用(一部抜粋)
この不動産価格指數(shù)(住宅)は、住宅総合、住宅地(=住宅用土地に近い)、戸建住宅、マンションの4つの指數(shù)が算出されている。
全國の各住宅別の指數(shù)をグラフ化したものが、上記だ。
これを見ると明らかなのは、マンションの値動きは土地や戸建住宅に比べてかなり大きく動くということだ。これはマンションの査定方法と戸建、土地の査定方法の違いもあるだろうが、大都市を中心にマンション価格は景気に影響されやすいということだ。逆に言えば、指數(shù)を見る限り、不動産市況が盛り上がっても土地や戸建の価格はそれほど大きく動かないということだ。
好況時のマンション価格上昇を押し上げている要因の一つは投資用にマンションを購入する人が増えるからだ。現(xiàn)在(2015年春)、投資用マンション価格はかなり高止まりしている。こうした狀況を避けて、近年の土地を購入してそこに賃貸住宅を建てる賃貸住宅オーナーがジワジワと増えている、という理由も理解できるであろう。相対的に安い(=マンションに比べ上昇していない)土地を購入し、そこに賃貸住宅を建てて、いい利回りを確保しようとしている訳だ。
このように活用すれば、不動産市況を俯瞰できる指數(shù)は、土地活用や賃貸住宅経営を行う方に、役立つものとなる。