賃貸住宅におけるZEH化の取り組み

「カーボンニュートラル」という言葉が浸透してきました。
カーボンニュートラルとは、「溫室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること」（つまり差し引きして±ゼロ）を意味します。我が國は、世界的に脫炭素社會を目指す動きの中で、2050年にカーボンニュートラル、2030年度には溫室効果ガス46％（2013年度比）削減、を目標(biāo)に掲げ、その実現(xiàn)に向けて様々な取り組みが進(jìn)んでいます（當(dāng)時の菅総理が2020年10月の臨時國會で「2050年カーボンニュートラル宣言」を行ったことで一気に広まりました）。
こうした動きに呼応する形で、エネルギー消費の約3割を占める建築分野での省エネ対策を加速させる取り組みが、國土交通省が旗振り役となり進(jìn)められています。
建築物における推進(jìn)の中で、「ZEH」、「ZEB」という言葉が徐々に浸透してきました。とくに、住宅についてのZEHについては、かなり浸透してきたようです。（注：ZEH＝ネットゼロエネルギーハウスZEB＝ネットゼロエネルギービル）
本コラムでは、特にZEH賃貸住宅について、その概要とメリットについて解説したいと思います。

ZEROエネルギーの背景

地球規(guī)模での課題である「気候変動問題」の解決に向けて、2015年にパリ協(xié)定が採択されました。この中で、

• 「世界共通の長期目標(biāo)として、世界的な平均気溫上昇を工業(yè)化以前に比べて、2℃より低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること（2℃目標(biāo)）」
• 「今世紀(jì)後半に溫室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達(dá)成すること」

が合意されました。

この実現(xiàn)に向けて、世界各國が取り組みを進(jìn)めており、120以上の國と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標(biāo)を掲げて推進(jìn)しています。
そのためには、「省エネ」つまり「使うエネルギーを減らす」に加えて、「創(chuàng)エネ」つまり「エネルギーを生み出す活動を促進(jìn)する」の2つのアプローチが必要とされています。

カーボンニュートラルに向けた取り組み

カーボンニュートラルに向けた建築分野での取り組みは、國土交通省の資料によれば、次のようなステップとなります。（以下、エネルギー基本計畫：2021年10月22日閣議決定。國土交通省資料より）

• 1）2030年度までのステップとして 建築物省エネ法を改正し、省エネルギー基準(zhǔn)適合義務(wù)の対象外である住宅及び小規(guī)模建築物の省エネルギー基準(zhǔn)への適合を2025年度までに義務(wù)化する。
  2030年度以降新築される住宅?建築物について、ZEH?ZEB基準(zhǔn)の水準(zhǔn)の省エネルギー性能の確保を目指し、整合的な誘導(dǎo)基準(zhǔn)?住宅トップランナー基準(zhǔn)の引上げ、省エネルギー基準(zhǔn)の段階的な水準(zhǔn)の引上げを遅くとも2030年度までに実施する。
• 2）2050年度中までに2050年に住宅?建築物のストック平均でZEH?ZEB基準(zhǔn)の水準(zhǔn)の省エネルギー性能が確保されていることを目指す。

ZEH―Mとは

ZEHとは、「ネットゼロエネルギーハウス」のことですが、集合住宅では「ZEH－M」と言われます（Mはマンションのこと）。戸建住宅におけるZEHは少しずつ広まりつつありますが、賃貸住宅においてはまだこれからという段階です。しかし、ここまでに述べたような背景から、これからはZEH賃貸住宅が當(dāng)たり前の時代になってくるものと思われます。
ZEH住宅の集合住宅版であるZEH－Mでは、室內(nèi)環(huán)境の快適性はもちろんのこと、加えて省エネ性能の向上を?qū)g現(xiàn)させ、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目標(biāo)としています。
そのZEH-Mでは3つの基準(zhǔn)が定義され、そのすべてをクリアする必要があります。

• 1）冷暖房エネルギーを極力抑える「高斷熱外皮仕様」 天井?外壁?窓?床など、建物の外側(cè)を形成する斷熱性能の基準(zhǔn)値（強(qiáng)化外皮基準(zhǔn)）を、平成28年省エネ基準(zhǔn)値を上回る性能にする。
• 2）エネルギーを上手に使う「省エネ設(shè)備の導(dǎo)入」 冷暖房機(jī)器、給湯器、換気設(shè)備、照明などの設(shè)備品において、平成28年省エネ基準(zhǔn)に対して、住戸および共用部での一次エネルギー消費量を20％以上削減する。
• 3）クリーンなエネルギーを創(chuàng)る「太陽光発電の導(dǎo)入」 創(chuàng)エネルギーのために、太陽光発電等の再生可能エネルギーの導(dǎo)入が必要。発電した電力は、自家消費および余剰売電ができる。

賃貸住宅オーナーのメリット

ZEH―M仕様の賃貸住宅にすることで、ご入居者に選ばれる賃貸住宅になることが期待できます。
上記1）～3）の仕様により、快適性や省エネ性といった付加価値をつけることで、他の賃貸住宅との差異化を図れます。よって賃料下落リスクが減り、また長期間の後広く?般化し入居が期待できます。
また、仕様や申請期間の縛りがありますが、補(bǔ)助金を活用することができ、建築費用の一部を軽減することができます。これは、國がZEH-Mの普及?推進(jìn)しているための補(bǔ)助金です。

賃貸住宅ご入居者のメリット

一方、ご入居者のメリットとしては、ZEH仕様の賃貸住宅では、高い斷熱性能と高性能省エネ設(shè)備、そして太陽光発電を利用することで毎月の光熱費の低減が期待できます。
また、建物の斷熱性が高くなりますので、夏は涼しく冬はあたたかく、一年を通して快適に過ごす事ができるでしょう。

戸建住宅で広まりつつあるZEH仕様住宅ですが、今後賃貸住宅においても、広く一般化していくでしょう。これから土地活用として賃貸住宅経営をお考えの方は、ぜひ參考にしてください。