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      コラム vol.442-1
      • 土地活用稅務コラム

      単なる不動産活用だけではなく、會社全體の財務の狀況から判斷することも重要

      公開日:2023/02/28

      會社全體を見てCREの本質から資産活用を考える

      私たちが関與先様に対して行う相続対策には、二つのアプローチがあると考えています。一つは資産稅に特化して、その內容自體に深くかかわっていくやり方で、不動産有効活用の具體的な提案はその一つです。孝岡會計事務所では、このアプローチに関しては深く踏み込めていませんが、関與先の社長からの相談の中で不動産の問題が出てくることがありますので、大和ハウス工業と連攜しながら提案しやすい狀況をつくっていきたいと思います。
      もう一つが、不動産を所有する會社への會計の側面からのアプローチです。この場合、會社全體の財務の狀況を見ることが重要です。不動産を賃貸用として活用している企業の場合、不動産賃貸による収益の部分だけでなく、資産內容と経営狀況との関連、資産全體の將來の運用計畫、従業員のための活用など、いわゆるCREの本質的な部分をふまえたアプローチと言えます。また、會社の資産狀況の現狀認識ができていない経営者もいますので、現在不動産を含めた資産がどのような狀況なのか、現在の経営狀況から判斷すれば將來どうなるのか、その內容を整理して報告します。それが、將來的な有効活用やいろいろなことを考えていくうえでの種蒔きになるのです。
      會社の會計全體を見るといっても、個々のケースでまったく違いますから、まずは経営者の今の狀況を知ることから始めます。また、その人のライフスタイルや方向性によっても、資産活用の仕方は変化していきます。不動産は代々引き継いでいくという考えもあれば、將來子どものために有効活用したいという考えもあります。
      企業が持っている不動産の活用手法を提案するのも一つのアプローチであり、現狀を認識していただくのもまた一つです?,F狀を経営者の方に認識してもらう中で、相続やそれに付隨するいろいろなことも出てくるでしょう。そういったことを基盤にしたほうが毎月の事務所業務とマッチングしますし、何か案件や相談事があれば、大和ハウス工業のようなプロに知恵をいただきながら、企業に対してカスタムメイドのご提案をしていきたいと思っています。

      定期的に提供できる仕組み?ツールをつくりたい

      これは個人的な意見になりますが、會計帳簿に出ている不動産の現狀を認識して、それにどのようなリスクがあるかを分析して、報告書のような形にして提供し、お客様と話ができるような仕組みや、定期的に提供できるツールを用意したいと思っています。登記簿謄本や固定資産稅の納稅証明書をお預かりする作業から始めて、書類を一式整理し、資料化していけば、それを元に不動産活用の分析が行うことができます。
      現在は、巡回監査で會計帳簿を見ながら、會計報告、稅務申告をしていますので、その中で、會社が所有している不動産や會計上に上がっている不動産について、いかに大和ハウス工業と提攜しながら、お客様にどれだけ情報提供やご提案ができるか。そこを深く掘り下げて、使い勝手の良いツールの提供など、継続的にできる仕組みをつくり、毎月関與先様を訪問して、大和ハウス工業と一緒にサービスを提供していきたいと思っています。継続的に活動を続けていくのは難しいことですが、とても大切なことです。TKCと大和ハウス工業と會計事務所の3者が一體となって、関與先様をバックアップしていく。不動産情報を入手し、それで動くのも一つの方法ですが、それよりも定期的に関與し続けるなかで情報が出てくるのが理想です。そこを目指して活動したいと思っています。

      不動産を持つリスク

      不動産は住む場合と貸す場合で考え方が異なります。収益を生む物件を資産として定義すると、今生んでいる収益と持っている不動産の売卻価値、將來における価額との問題があります。1億円で収益物件を買って、収益を確保できたとしても、15年後にその1億円がどのような売卻価値になるかが問題となるわけです。不動産は時間軸が長く、収益物件の資金を回収するのに非常に長い時間を要します。キャッシュが余っていて、不動産投資によってそれをポートフォリオで分配する人はリスクヘッジという考え方もできますが、目的が収益となると、その人の資産構成と將來に対する考え方によって変化します。
      また、不動産賃貸業は稅制上、決して有利な事業とは言えません。所得稅と固定資産稅を払い、印紙費用も高い。普通は商売で払ったお金は全部経費になりますが、土地は経費にならず、資産として帳簿に殘しておかないといけない。建物は25年、30年、40年と経年による経費もかかります。相続のときに評価額が少し落ちるくらいで、どちらかと言えば稅金が発生しやすいと言えるかもしれません。相続稅対策としては、相続の時に生きる部分もあるという見方もできますが、収益力という観點から見ると、慎重に行わないと稅務面で不利になることもあります。

      時代の変化に対応するための情報発信

      中小企業の経営者は、法律も年々変わりますし、年齢を重ねていくなかで、考えなければならないことや選択肢がかなり増えているので本當に大変です。會計上、稅務上でも細かく複雑になり、必要な情報も増えています。すべての情報を網羅しながら進めていくのは大変ですが、いろいろな角度から會社の経営狀況、資産狀況を分析していかなければなりません。
      特に不動産資産は、時価の影響を受けますし、市場価値的なものにも左右されます。そういう意味では、將來を見據えることが難しいものを扱っていくことになります。それには勉強が欠かせません。私たちも、毎月お伺いしながら研修、勉強會を開催し、さまざまなご提案ができるように、そしてさまざまな方法をご検討いただけるような機會、話し合いの場をつくっていきたいと考えています。

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