
ホールディングス(持株會(huì)社)は、事業(yè)承継において有効な方法
公開日:2023/10/31
ホールディングスを設(shè)立する
現(xiàn)在、多くの中小企業(yè)において、事業(yè)承継は大きな課題となっています。息子に継がせるか、生え抜きの従業(yè)員に継がせるか、それとも第三者に売卻するか、社長にとっても、事業(yè)承継の戦略を決斷しにくい狀況になっていると言えるでしょう。
この3つのパターンで、會(huì)社としてどのようなかたちがあるのか考えた時(shí)、私はホールディングス化(持株會(huì)社の設(shè)立)※を有効な手立てとしておすすめしています。
- ※ホールディングス(持株會(huì)社)とは、子會(huì)社の株式を保有する會(huì)社のこと。株式を保有するだけで事業(yè)を行わない「純粋持株會(huì)社」と事業(yè)を行う「事業(yè)持株會(huì)社」があります。
ホールディングスを設(shè)立し、事業(yè)を行ってきた會(huì)社の株式や不動(dòng)産などの資産を保有し、管理します。事業(yè)會(huì)社は事業(yè)を行うために殘し、ホールディングスではオーナーや家族の資産を増やしていくために、不動(dòng)産を活用しながら資産運(yùn)用を行います。事業(yè)が厳しくなった時(shí)はホールディングス會(huì)社で持っている不動(dòng)産の家賃収入が事業(yè)を助けることもあるでしょうし、仮に事業(yè)を第三者に売卻したとしても、ホールディングスがあることでオーナーと家族に資産が殘ります。
事業(yè)會(huì)社とホールディングスを分けることで、資産は殘しながら、事業(yè)を?qū)恧饯韦蓼拮婴嗓猡司@いでもらってもいいし、生え抜きの従業(yè)員に事業(yè)會(huì)社だけ継いでもらってもいい。また第三者にM&Aで事業(yè)會(huì)社を売卻することも考えられます。そのような選択肢が増えるので、オーナーとして將來への安心感も増すのではないでしょうか。
ある事例では、將來の事業(yè)承継を目的として、事業(yè)會(huì)社と、ホールディングスといってもいわゆる資産を管理する資産管理會(huì)社を兼任するようなかたちで持ち株會(huì)社を設(shè)立しました。
家族を含むオーナーの資産と事業(yè)の資産を區(qū)分けすることが大事です。中小企業(yè)の場(chǎng)合、事業(yè)會(huì)社の中に個(gè)人の資産と事業(yè)としての資産が混在してしまうケースがあります。そこをしっかり分割して管理することで、事業(yè)の収益性が見えてきます。逆に言うと、オーナー個(gè)人や家族の資産は當(dāng)然殘しておいたほうがいいわけです。將來M&Aで會(huì)社を売卻することがあっても、自分の資産まで第三者に売卻する必要はなく、事業(yè)だけを売卻することもできます。
すでに不動(dòng)産収入と事業(yè)収入がある會(huì)社の場(chǎng)合、事業(yè)の収益と不動(dòng)産収益が明確になっていない會(huì)社もあります。このふたつを別の會(huì)社に切り分けた時(shí)、それぞれの事業(yè)の実態(tài)が見えてきます。內(nèi)部統(tǒng)制の管理という意味でも、會(huì)社を分けることには効果があります。また、不動(dòng)産が本業(yè)を助ける時(shí)もあります。事業(yè)會(huì)社の資金繰りが苦しくなったときは、不動(dòng)産で貯めた収入で本業(yè)を支援することもできますし、売卻して現(xiàn)金化をして、資金を援助することで、コロナ禍のような厳しい狀態(tài)を耐え抜くこともできるかもしれません。不動(dòng)産を活用して選択肢を増やしておくことはやはり有効だと考えられます。
不動(dòng)産の有効活用という點(diǎn)においてもホールディングスは有効です。昨今の不動(dòng)産価格の上昇によって、不動(dòng)産の活用方法も変わってきています。狀況によって不動(dòng)産の活用方法を変えるためにもホールディングスは良い選択だと考えられます。ホールディングス化することで、將來どの選択肢でも取れるような體制を整えることができます。
不動(dòng)産を購入する時(shí)は「どのように購入するか」を考える
中小企業(yè)の資産防衛(wèi)対策として不動(dòng)産を購入する際は、「どのように買うか」というスキームがとても重要になります。例えば、両親が買ったほうがいいのか子どもが買ったほうがいいのかというシンプルな話もあれば、會(huì)社でホールディングスを設(shè)立して購入したほうがいいなど、方法はいくつもあります。いろいろな會(huì)社の決算書、確定申告書等を見ていると、「別の方法があった」と思うことがあります。どのように購入するのがいいのか、ご自身にとってふさわしい方法を?qū)熼T家に相談しながら検討することが重要です。當(dāng)然、どこの場(chǎng)所にどのような不動(dòng)産を購入するかも重要ですが、スキームと不動(dòng)産をミックスすることで、より良い方法が選択できると思います。
相続は長期で考える
相続は、事業(yè)承継も含めて、時(shí)間があればあるほど対策の幅が広がります。
例えば「生前贈(zèng)與」。令和5年度の稅制改正で7年に延長されましたが、これまでの稅制で言えば、亡くなられてから3年以內(nèi)、生前贈(zèng)與は差し戻されて相続稅が計(jì)算されます。亡くなる3年前に言われてももう遅いが、20年前からしっかり贈(zèng)與していれば効果が得られたという、長期の時(shí)間軸が必要となる代表例です。贈(zèng)與をするのであれば、計(jì)畫的に行うことが大切です。
相続の発生日は誰にも分からないものですが、どのように承継していくのか計(jì)畫立ててやっていく。令和5年度の稅制改正は、お客様にそのような意識(shí)を持っていただくためにも、良い方向につながるものだと思います。
もう一つ不動(dòng)産が絡(luò)む例として、自社株の評(píng)価において、取得してから3年以內(nèi)の不動(dòng)産については時(shí)価評(píng)価をするように通達(dá)で定められています。逆に言えば、3年経過した不動(dòng)産は相続稅評(píng)価額になります。「來年承継したいから対策を練りたい」と言われても、3年置かないといけないので、これにもやはり時(shí)間が必要です。
事業(yè)承継は物的承継と人的承継の二つに分かれます。物的承継は自社株をどうやって承継していくか、人的承継は後継者をどう育てていくかということです。経営者の育成においては、さらに長い期間が必要です。短期間で経営者を育てるのは難しいものです。オーナー社長が10年後に子どもに継いでもらいたいのであれば、早い段階から、稅理士を交えながら、経営に関する數(shù)字を理解してもらうことが大切です。その上で、経営に関する知識(shí)や経験の蓄積、將來の計(jì)畫を進(jìn)めていく必要があります。