「日頃、あまり家にいない分、娘との時間を大切にしたい」
學(xué)校行事で行われる登山で山を嫌いになる子どもがいますが、専門家と一緒に行くと、山の楽しさがわかるんです。時間を共有できる親子登山はよい経験になると思います。そして、実體験の中から、色々と學(xué)んでほしいですね。
―― 15歳の頃から登山を始め、今も毎年ヒマラヤ登山をしているとお聞きしました。様々な活動を続けていくなかで、「続けるためのコツ」などはありますか。
続けるということは、新しいことを始めることよりも難しいこと。今やっていることをどうやって最後までやり続け、やり遂げるかが私にとって課題ですね。様々な活動をしているので、たまには疲れてしまうこともあります。そうすると切り替えが大事になってきます。エネルギーを使っていくと、どんどん煮詰まっていくんですね。
そんなとき、まずはその狀況から離れてみることです。物事に向き合うことは大事ですが、向き合い過ぎて、余裕がなくなっていくと、全體像が見えなくなってしまいます。後は、単純に疲弊していきます。疲弊していくと、感情がなくなってしまうんです。被災(zāi)地でスタッフの表情を見ていたときもそう感じました。少し離れてみることも大事ですね。自分がツライなと感じるのを認(rèn)めること。
自分のモチベーションを維持し続けるためにどうするかの工夫が大切です。私にとっては、ヒマラヤが心のバランスをとれるところであり、続けることのモチベーションを生み出してくれるところ。ヒマラヤの自然に力をもらいに行くんですね。
もちろん、その場所は人それぞれだと思いますが、自然の中にいるとエネルギーがもらえます。人間はエネルギーを消費(fèi)した分、吸収しなければいけません。そのバランスを崩すと、続かなくなっていくんですね。
ヒマラヤ?エベレストでの清掃活動
一時の思いや正義感では続きません。長く続けていけば、悪い面がみえてくることもある。トラブルも出てくるし、批判されたりすることもあります。ときに日常から離れて、自分の場所をみつけたほうが楽です。逃げる場所とでもいうのでしょうか。壊れるまでやってはいけない。命を落とすのは登山だけではなく、日常生活の中でも自分を殺してしまう。人間はそもそも強(qiáng)くないんです。
環(huán)境の環(huán)は“わ”とも読みますが、私にとってこの環(huán)は自然と人の環(huán)、人と人の環(huán)。それをどう広げていくか。その環(huán)がないとサステナブルな社會になりません。精神的なことや肉體的なことも含め、自分の限界を知り、バランスをとっていくことが、続けることに繋がり、広がっていくのだと思います。
文章:西 樹里(一寶堂) プロフィール寫真:福田栄美子 本文中寫真:野口健事務(wù)所
Sustainable Journeyは、
2024年3月にリニューアルしました。
Sustainable Journeyは、
2024年3月にリニューアルしました。