
CREコラム
不動産証券化の実踐的活用(1)資産流動化型の不動産証券化
公開日:2019/04/26
企業(yè)が資産を有効に使って経営効率化を図るために効果的な存在といえるのが、不動産証券化です。経営資源は有限であり、企業(yè)の資産は有効活用して初めて価値があります。経営で活用していくための実踐的ツールとして不動産証券化を考えていきます。
最もスタンダードな不動産証券化ツール
不動産証券化には、資産流動化型と資産運用型(ファンド型)、開発型の3つのタイプがあります。その中で最もスタンダードで普及しているのが「資産流動化型」です。不動産の保有者(オリジネーター)がその不動産をSPC(特別目的會社)に売卻し、SPCはその不動産が生み出す収益を裏付けとした証券を発行して資金を調(diào)達します。ここでいう「裏付け」とは、(利益を)保証する、といった意味です。企業(yè)が保有していたビルを賃貸テナントにすれば賃料が入ります。 SPCは、そうした利益があることを前提に有価証券を発行するのです。
SPCが所有するのはオリジネーターが拠出する不動産だけですので、その不動産が確実に収益を上げる物件であることが必須條件になります。そうでなければ、投資家から資金調(diào)達することができません。また、資産流動化型の証券化は、証券化の対象となる不動産の存在が前提になることから、「モノ(資産)ありきの不動産証券化」ともいわれます。
不動産証券化で資産流動化型を選択する最大の理由は、資金調(diào)達を目指すオリジネーターが不動産をオフバランス化し、その売卻収入を経営のための資金として調(diào)達できる點にあります。オフバランスとは、不動産という「資産」をバランスシート(賃借対照表)上の資産項目から外す(オフ)ことです。昔は、オフィスビルや工場などの不動産を豊富に所有する企業(yè)は資産価値のある會社として高い評価を受けていました。しかし、現(xiàn)代の企業(yè)経営において不動産という変動価格にさらされる資産を長期間所有するのは、時価會計上リスク資産となるばかりか、上場企業(yè)では「資産を有効活用できていない非効率経営の會社だ」と、市場で厳しい批判を受けかねません。このため、企業(yè)は不動産を売卻して保有資産を減らし、不動産証券化というツールを活用するようになりました。
資産流動化型は、わが國において不動産証券化の原點といえる仕組みです。銀行が不良債権の重荷に苦しみ、融資の擔(dān)保になっていた企業(yè)の不動産を売卻して不良債権処理を促進しようという金融業(yè)界の要請から始まりました。不動産売買市場は活性化し不良債権処理が進んで、景気回復(fù)に大いに貢獻しました。
「リースバック」は不動産証券化の定番ツール
オリジネーターは不動産のオフバランス化によって資産を減らし、効率経営の第一歩を踏み出します。同時にSPCに拠出した不動産の売卻代金を手に入れます。この資金は借入金返済にあてて有利子負(fù)債を軽減し、財務(wù)體質(zhì)を改善させます。資産流動化型では、「セール&リースバック」を?qū)毪工肫髽I(yè)が増加しています。本社ビルを売卻すると同時にその本社ビルをSPCから1棟借りするのです。このリースバック方式は、いまや不動産証券化の定番ツールになっています。まさに「持つ経営」から「持たざる経営」の代表例でしょう。負(fù)債軽減だけでなく、設(shè)備投資のための成長投資に使うことも可能です。自社の経営戦略の中で重點分野に資金を配分するために不動産証券化を?qū)毪工毪韦扦埂¥郡坤贰惨驻圣戛`スバックの導(dǎo)入は避けるべきでしょう。業(yè)績不振を穴埋めするために本社ビルを売ってリースバックしても、市場は効率経営の改善と評価しないケースもあるからです。
図:資産流動化型のメリット
オリジネーターがアセットマネージャーを兼務(wù)することも
資産流動化型の不動産証券化では、いくつかの條件をクリアすれば、オリジネーターがSPCのアセットマネージャーになることもできます。証券化の対象である不動産を最も熟知しているのは、いうまでもなく売卻前まで保有していたオリジネーターです。アセットマネージャーは、証券化される不動産を探して買い付け、一定の期間に運用したあとは売卻して投資家に配當(dāng)をもたらすまでの業(yè)務(wù)に攜わります。オリジネーターがアセットマネージャーになる場合は、主にテナント管理(ビル仲介や賃貸などの管理業(yè)務(wù))に攜わるケースが多いと思われます。
ただし、オリジネーターがアセットマネージャーになるには、オリジネーターのSPCに対するエクイティ投資(株式や社債)が5%以內(nèi)であることが條件です。これは、オリジネーターが不動産をSPCに売卻しても、実態(tài)的な支配権がオリジネーターからSPCに移ったとはみなされず、會計上オフバランス化は認(rèn)められません。こうした影響力行使のボーダーラインが、SPCへの出資5%以內(nèi)です。不動産証券化では、こうした場合、真正売買という言葉が使われます。「オリジネーターは本當(dāng)にSPCに売ったのか?」というわけです。こうした條件をクリアすれば、オリジネーターはSPCからテナント管理に対する報酬を受けることができます。テナント管理は、不動産の管理員とも呼ばれる「プロパティマネージャー」が行いますが、アセットマネージャーがこれを兼務(wù)するケースもあるのです。