
土地活用の経済學(xué)(3)~不動(dòng)産市況を見る目を養(yǎng)う講座~第3回「資産価格の決まり方:第二象限」
公開日:2017/12/27
不動(dòng)産などの資産価格は、將來収益の割引現(xiàn)在価値(Discounted Present Value)で決まるといわれています。経済學(xué)における新古典派といわれる學(xué)派の、レオン?ワルラス(1834-1910)によって提唱された理論で、今では幅広く経済學(xué)からファイナンスの専門家の間で活用されています。
賃貸住宅から発生する家賃収入は、將來にわたって得られることが期待されているわけですが、將來時(shí)點(diǎn)において入手可能な家賃を現(xiàn)在時(shí)點(diǎn)で受け取ろうとすれば、その家賃から割引された金額になってしまうということは自然と理解できるものと思います。そのような將來の家賃を現(xiàn)在の価値に割り戻すという考え方を、「割引現(xiàn)在価値」と言います。
將來の家賃収入を現(xiàn)在の価値に変換していこうとすると、その家賃が得られる將來のタイミングによって、現(xiàn)在の価値が変わっていきます。例えば、金利が1%の債券に10,000円投資した場(chǎng)合には、その債権は1年後には10,100円に増えます。一方で、賃貸住宅のように、1年後に10,000円の収入が見込まれるという場(chǎng)合には、現(xiàn)在の受取額に換算した割引現(xiàn)在価値としてはおおよそ9,901円になります。金利1%が10年間続くとすれば、10年後の10,000円の割引現(xiàn)在価値は、1.0110=1.1046で10,000円を割った9,053円となります。そのようなものを足し合わせていくことで、賃貸住宅の資産価値を計(jì)算することができるのです。その投資期間が有限である場(chǎng)合、つまり、數(shù)年後に売卻しようと考えているような場(chǎng)合には、DCF(Discounted Cash Flow)という考え方で計(jì)算されます。
正確に理解するために、數(shù)式を使って、さらに賃貸住宅投資という視點(diǎn)から整理してみましょう。
ここで、は、賃貸住宅に投資してから
年が経過したt期の最初の資産価格であるとします。
つまり、既存物件を想定しています。そうするとは、1期分その賃貸住宅が古くなった1期後
の資産価格、
は
期の最後に受け取ることができる家賃となります。また、建築後
年が経過した資産の
期の終わりに支払う経費(fèi)支出を
とします。賃貸住宅を保有していくためには、固定資産稅や日々の清掃などの運(yùn)営費(fèi)用、保険料などを支払ったりしていきますが、そのような費(fèi)用に該當(dāng)するものです。つまり、
という家賃収入から
という費(fèi)用を差し引いたのちに殘ったお金が、賃貸住宅のオーナーの手元に殘るわけです。これが「収益」です。
続いて、割引率について考えます。を期待名目利子率、つまりここでいう割引率とします。それでは、その割引率とは具體的にどのように計(jì)算することができるのでしょうか。本來、賃貸住宅に投資しないで、國(guó)債を買ったとしましょう。國(guó)債は資産運(yùn)用の中でも最も安全な資産であると考えられています。そのような國(guó)債の運(yùn)用によって入るはずだった利回り以上のリターンがなければ、よりリスクが高い賃貸住宅に投資することはありません。そこで、安全資産として考えられている國(guó)債の利回りに対して、賃貸住宅経営のリスクを上乗せします。一方で、國(guó)債は一定期間の利回りは一定ですが、賃貸住宅の投資利回りは成長(zhǎng)が期待されます。そのような成長(zhǎng)も考慮し、賃貸住宅投資のリスクプレミアムというものが決定されるのです。理論的には、安全資産の利回りに、このようなリスクプレミアムが足し合わせたものが、割引率として使われることになります。
そうすると、賃貸住宅から収入を得ることができる期間、つまり賃貸住宅の壽命を年と仮定すると賃貸住宅の資産価格は次のような式によって説明することができるのです。
(1)
さらに、この賃貸住宅が1年古くなると、その時(shí)の賃貸住宅の資産価格は、次のように変わります。
(2)
ここで、(2)式の両辺を、で割ると、(1)式の結(jié)果から、(3)式を得ることができます。
(3)
さらに、(3)式にをかけると、(4)式を求めることができます。
(4)
経済學(xué)では、これをユーザーコストといっています。つまり、賃貸住宅投資から得られる投資収益と考えてもいいでしょう。この式がどのように証明されてくるのかという上記の一連の展開が理解できないとしても、このように得られた(4)式からは、賃貸住宅経営をしていくうえで多くの示唆を得ることができるのです。
賃貸住宅経営をしていくうえで、何よりも重要になるのが、家賃収入であることには変わりがありません。しかし、賃貸住宅を保有し、運(yùn)営していくためには、様々な費(fèi)用
がかかることとなるわけです。このような費(fèi)用をどのようにマネジメントしていくのかということによって、家賃収入にも影響が出てきますし、手元に殘る?yún)б妞螭瘔浃铯盲皮筏蓼い蓼埂M蝗护舜螭寿M(fèi)用が発生してしまったり、適切に費(fèi)用をかけなかったことで家賃収入が大きく低下してしまったりすることがあるためです。ここは、プロの方にお任せする、またはしっかりと専門的なアドバイスをもらう必要があります。
なによりもこのユーザーコストを大きく左右させてしまうのが、資産価格の変動(dòng)、キャピタルリターンです。このキャピタルリターンの変動(dòng)は、賃貸住宅投資において最も大きなリスクとなってしまうのです。それでは、そのようなリスクをどのようにヘッジする、または避けることができるのでしょうか。この理論では、キャピタルリターンの時(shí)間を長(zhǎng)くすることで、リスクが小さくなるということは証明されています。つまり、転売を繰り返していくというのではなく、じっくりと保有して、適切な家賃収入を得ながら、売卻時(shí)期を待てばいいわけです。
それでは、現(xiàn)在の市場(chǎng)をどのように見ればいいのでしょうか。例えば、東京の都心部などでは、空室率が極めて低下しているわけですが、家賃は粘著性が強(qiáng)いために、ほぼ橫ばいまたは微増で動(dòng)いています。しかし、価格はここ數(shù)年大きく上昇しました。このような賃貸住宅価格の上昇はどのように説明できるかということは、今回の原稿を読まれた皆さんであれば、容易に説明ができるはずです。今まで説明してきたように、賃貸住宅の資産価格の將來収益の割引現(xiàn)在価値として決定されるわけですから、収益が安定しているのであれば、割引率が大きく低下したためであるといえます。
金融政策におけるゼロ金利政策を受けて、基準(zhǔn)となる安全資産としての利回りが大きく低下しました。さらに、中國(guó)などの海外から資金が流入してくると、さらにその割引率を低下させるように作用します。そうすると、大都市部で起こっている賃貸住宅の価格上昇は、実需によって収益が上昇しているわけではなく、割引率の低下を通じてもたらされているということがご理解いただけたと思います。
賃貸住宅経営をするものは、このような金融情勢(shì)にも注意を払っていくことが求められています。