一生のうちに何度も経験できない家づくり。
「家は3度建てないと満足するものはできない」といわれてきましたが、
時代が変わり、インターネット上でさまざまな情報を集め、それを家づくりに活かせるようになりました。
中でもInstagramは、実際のオーナーさまが投稿する寫真や動畫から、
具體的でリアルな情報を得られるのが特徴です。
今回は、家づくりでInstagramの活用をおすすめする理由と、その方法についてなど、
SNSに詳しい専門家の鈴木朋子さんに話を聞きました。
イメージから情報を探せる、Instagramの特徴をご紹介
Instagramは寫真や動畫に特化したSNSです。インターネットで情報を探すときは、調べたいキーワードを入力して検索するのが一般的でしょう。しかし、Instagramの場合は、どんなキーワードで検索すればよいのかわからない、少し曖昧な、ふわっとしたイメージでも情報を入手しやすいという強みがあります。
たとえば、インテリアのスタイルをあらわす「ヴィンテージ」「モダン」「北歐」といった単語がありますが、自分が目指したいスタイルは、何と呼べばいいのかわからない、ということはありませんか?
仮にInstagramで、「インテリア」という単語で検索してみると、インテリアに関する寫真や動畫がずらりと並びます。最初に検索する単語が明確になっていなくても、表示される畫像の中から、自分が探しているイメージに近いものを見つけることができます。
そして、見つけた畫像から自分が探しているイメージをあらわすキーワードが何かを知り、そのキーワードをもとにさらに多くの畫像を探せます。その際に使用するのがハッシュタグ。コメント欄に記載されている「#ヴィンテージ」「#モダン」といった、#が頭についたキーワードです。自分がよいと思った畫像につけられたハッシュタグで検索すれば、似た畫像をどんどん見つけることができ、自分が知りたい情報を簡単に集められるのです。

ハッシュタグは投稿時に自由につけられるため、膨大な種類があります。住まい関連のキーワードとしては、「#平屋の家」「#吹き抜けリビング」「#二世帯住宅」といった家の構造や暮らし方についてのキーワードのほか、「#おうちカフェ」「#家キャンプ」など、やってみたいことやライフスタイルで検索するのもおすすめです。「#interior」など英語で検索すれば、海外の家の畫像もたくさん見ることができます。
また、Instagramは、閲覧した畫像に近いものをおすすめとして表示してくれる機能があるため、興味があるジャンルの情報がどんどん入ってきます。畫像を通して、今まで知らなかった新しい知識を得られるのも面白いところです。
映えるだけではない、リアルな住まいや暮らしが見える
Instagramの大きな魅力は、個人が発信するリアルな情報が投稿されていること。特に最近は、20代から40代の女性が、暮らしに必要な情報の発信?収集のために利用している印象を受けます。美しくて映える、キラキラとした寫真ばかりでなく、生活に関する等身大の情報も特徴といえるかもしれません。

生活感がありながらも、おしゃれな家を投稿しているアカウントも多く、インテリアや家具のほか、空間の上手な使い方、買ってよかった時短グッズなども見ることができます。子育てや仕事をこなしながら、快適で美しい家を保っている様子や、そのノウハウを具體的に知ることができるため、とても參考になります。また、動畫の投稿では、実際にそのお宅を訪問しているかのように、広さや室內の雰囲気をリアルに感じられます。
気になるハウスメーカーや工務店がある場合は、それぞれの名前で検索してみましょう。実際のオーナーさまの事例や、各ハウスメーカーの特徴などを、畫像で視覚的に比較できます。
家づくりの工程や、実際に住んでからの感想までわかる
家づくりについて継続的に発信している個人アカウントの中には、依頼先のハウスメーカーについての検討、契約から設計や仕様の打ち合わせ、工事の経過や住み始めた後の様子まで投稿しているものもあります。まさに家づくりの工程をリアルに知ることができます。
また、畫像と一緒に、自分の體験談を投稿しているアカウントもあります。家づくりでやってよかったことや子ども部屋の広さは?などのコメントがつけられており、家づくりのリアルな內容が一緒に投稿されています。トイレの電気のスイッチは自動センサーと手動、どちらがよい?といった、設備の細かな部分に関する情報などは、実際に住んでみないとなかなか気づけないもの。教えてもらったメリットやデメリットを、ぜひ家づくりの參考にしたいところです。
投稿されている畫像は、家づくりの打ち合わせ資料としても活用できます。お気に入り機能を使えば、気に入ったものをスクラップブック感覚で保存が可能です。フォルダに分けて、「リビング」「キッチン」など分類して整理でき、それを打ち合わせのときに見せれば、言葉だけではなかなか伝わらない、理想の家のイメージを共有しやすくなります。

ユーザーやハッシュタグのフォロー、
交流でさらなる情報収集を
この人の投稿が好きだなと思うアカウントや、家づくりに役立ちそうなハッシュタグを見つけたら、フォローしておきましょう。フォローすることで通常の投稿のほか、24時間限定で公開されるストーリーズの寫真や動畫の更新も把握できます。
Instagramではユーザー同士の交流も活発です。投稿者が自分のセンスやノウハウを発信し、それを見てよいと思った人が共感して褒める、というコミュニケーションが中心のため、全體的に雰囲気がよく、コメントを書き込みやすいSNSです。家づくりに関する疑問や、投稿を見て聞きたいことがあれば直接質問できます。基本的にはオープンな場ですから、思ったことを書き込んでみましょう。
最近は、多くのフォロワーがいるインフルエンサーを中心に、ストーリーズのコメント機能を使ってフォロワーから質問を集めて回答したり、インスタライブを使ってリアルタイムでできる相談會を開催したり、ということも盛んに行われているようです。
投稿することで、
美しい住まいを保つモチベーションをアップ
家づくりの過程だけでなく、実際に暮らし始めてからもInstagramを活用することで、美しい住まいを保つことができます。その方法としておすすめなのが、他のユーザーの投稿を見るだけでなく、自分でも投稿してみること。撮影時には余計なものが寫り込まないようにする必要があるので、部屋を片付けるきっかけになります。また、投稿に対して いいねやコメントをもらえると、それがモチベーションアップにもつながります。

また、部屋に置く家具やインテリア小物などで迷った場合、悩んでいることについて自分からコメントで質問を投げかけて、幅広く意見を募ることも可能です。畫像とセットで質問できるので、長文で説明せずに気軽に実行できるのがいいところかもしれません。
家づくりの過程を含めて投稿を続けることで、思い出の記録にもなりますし、他のユーザーの役に立ち、喜んでもらえることもあります。ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
投稿の際は個人情報の流出、特に住所の特定に注意
誰でも自由に閲覧できるSNSでは、個人情報の流出に気をつけなければなりません。特に、住まいの寫真や動畫を投稿する際は、住所が特定されないよう注意しましょう。室內から窓の外の風景が見えないよう、レースカーテンなどで工夫することを忘れずに。
また、鏡や家具に寫り込んでいる小さなものも、畫像を拡大して加工することで見えてしまうことがあります。書類や手紙、勤務先企業のノベルティなどが寫り込んでいないか、隅々までチェックを心がけてください。自宅近隣の風景を撮影するときも、電柱など住所表示があるものを避けるなど注意が必要です。

コメントの內容にも気をつけましょう。近所の公園や新しい商業施設ができたなどの斷片的な情報も、組み合わせることで場所を特定できてしまいます。よくやり取りする人から質問があったときなどは、友人のように打ち解けた返信になりやすいのですが、実際の相手はどんな人かわからない、という意識を持ち続けることが大切です。
TwitterやFacebookなど他のSNSとアカウント情報が紐づいていたり、同じ情報が掲載されていたりすることで、同一人物だとわかってしまうこともあります。すべてのSNSで発信に気をつけましょう。
企業の公式アカウントにも注目!
Instagramのよい點は個人が発信する情報を見られること、とお伝えしてきましたが、企業の公式アカウントには違った価値のある情報があります。
その企業の寫真や動畫を見ることで、言語化されていない企業イメージやブランドの雰囲気を知ることができ、リアルタイムで情報を入手できます。大和ハウス工業の公式アカウントでは、商品の情報に加えて、貓用の自動水洗トイレ「ネコレット」、名もなき家事を上手にシェアする「家事シェアハウス」、自宅で快適に仕事ができる「テレワークスタイル」など、暮らし方についての提案もInstagramで発信しています。
また、実際の住まいの事例や、My House Palette の最新記事についての投稿のほか、オーナーさまのアカウントも紹介しています。整理収納アドバイザーをされているオーナーさまによる美しい住まいを保つコツや、中庭をセカンドリビングとして活用されているオーナーさまによる四季を感じる暮らしの工夫など、実用的な情報もあります。住まいのデザインとインテリアについてのこだわり、家づくりや暮らしに役立つ情報が多數投稿されていますので、ぜひご覧ください。

Profile

iPhone?SNSガイド
鈴木 朋子さん
やさしくスマホやSNSを手引きするITライター。スマホ安全アドバイザー。スマホ、SNS、Webサービスなど、身近なITに関する記事を執筆している。初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説することに定評がある。中高生のスマホ事情にも詳しく、二人の娘を持つ母親でもある。
Instagramを活用しているダイワハウスのオーナーさま