地震、大雨、猛暑と災(zāi)害が多い昨今。
都市圏での大地震の心配もされています。
これから家を建てる方にも気になる防災(zāi)。
ただ災(zāi)害は家だけではなく、土地や場所などの要因もいっぱい。
ここでは近年の災(zāi)害の事例から災(zāi)害リスクを紐解き、
どのような住宅が災(zāi)害に強(qiáng)い家といえるのか、
一級(jí)建築士でもある井上恵子さんに伺いました。
地震から身を守る家を建てるなら、まずは、地盤の強(qiáng)さを見極める
これから家づくりを考える方にとって、地震への関心は大きいものだと思います。例えば、1995年に起こった阪神?淡路大震災(zāi)では、亡くなった方の死因は建物の倒壊による「圧死」が83.3%を占めることが判明しています(図1)。いわゆる舊耐震(図2)で建てられた木造住宅の古い家が多く倒壊したことが原因ですね。また、地震の揺れで倒れた家具の下敷きになってしまい、大きなけがをしてしまうケースがとても多く、家が倒壊しないことだけでなく、揺れにくくすることも大事であることがわかりました。
図1:阪神?淡路大震災(zāi)における犠牲者(神戸市內(nèi))の死因

出典:「神戸市內(nèi)における検死統(tǒng)計(jì)」(兵庫県監(jiān)察醫(yī)、平成7年)
図2:阪神?淡路大震災(zāi) 建築年別の被害狀況(建築物)

出典:阪神?淡路大震災(zāi)建築震災(zāi)調(diào)査委員會(huì)報(bào)告書(平成7年)
そもそも、家を建てるためには地盤の強(qiáng)い土地を見極めることが重要になってきます。そこで、活用してほしいのが、國土交通省の「重ねるハザードマップ」です。様々な土地の特徴の中で、その土地の成り立ちを確認(rèn)することができます。例えば、一般的に宅地造成地で十分固まっていない盛土は地盤が弱く、不同沈下する恐れが。また、低地にあると周囲から水が集まりやすく、地盤が軟弱になりやすいともいわれます。このマップでは土地の成り立ちから、地盤の強(qiáng)さの目安がわかります。調(diào)べたい住所を入力すれば該當(dāng)する場所を指してくれるし、白地図や衛(wèi)星寫真とも組み合わせられるので、一般の方でも調(diào)べやすいですね。
ただ、調(diào)べ進(jìn)めると境界線があやふやだったり、検討している土地の特徴がピンポイントで判別できない場合もあります。そこで私が建物を設(shè)計(jì)する時(shí)は、各自治體の役所に行き、地盤の強(qiáng)さや地中內(nèi)の水位などの調(diào)査データが集められた、その地域のボーリングデータを閲覧します。コピーすれば無料で持ち出しが可能なので、それをもって家づくりをお願(yuàn)いするプロの方へ相談するのも良いですね。
國土交通省「重ねるハザードマップ」

そして、いざ家を建てる時(shí)は必ず地盤調(diào)査を行いましょう。上記にあげた地盤が弱いとされる盛土や低地であっても、それに見合った基礎(chǔ)をつくれば安心です。一戸建てであればスウェーデン式サウンディング方式という簡易な地盤調(diào)査が一般的で、費(fèi)用が必要になりますが、実際に調(diào)査して判明することも多くあります。將來の安心を考えれば、決して大きな出費(fèi)ではありません。
強(qiáng)い地盤を見つけたら、次は強(qiáng)い構(gòu)造の家を建てよう
それでは地盤を見つけたら、次は揺れに強(qiáng)い家を建てる事がポイントです。地震が発生した時(shí)、家は縦方向や橫方向に大きな力を受けます。耐震性を高めるには、上下方向の力の流れをスムーズにさせることがポイントです。そうなると、地震に一番強(qiáng)い構(gòu)造は、「シンプルな形」、例えば長方形のような家が強(qiáng)い形です。逆に凸凹が多いと、地震の強(qiáng)い力を均等に分散できず一か所に集まり、負(fù)荷がかかってしまいます。とはいえ、真四角ばかりの家だと楽しさがないですね。そんな時(shí)はいくつかの長方形を組み合わせた構(gòu)造にして、各々の長方形の四方面それぞれに耐力壁を4分の1以上もうければ安心ですね。
単純明快な形の例(平面図)

複雑な形の例(平面図)

もうひとつ、都市型住宅に多く見られるのが、ガレージや玄関部分のオーバーハング。上に建物があるのに真下の部分に柱や壁がないような構(gòu)造です。先ほどもあげたように、上の荷重が下に流れず、建物のどこかに負(fù)擔(dān)をかけています。大きな地震が起きた時(shí)、ここが弱點(diǎn)となり倒壊?崩壊を招く危険性を持っています。上階を受ける柱や壁をつくるか、ガレージ部分の開口部だけを鉄骨造にするなど、対策が必要です。また屋根を重い瓦ではなく、コロニアルやガルバリウム鋼板などの軽量タイプを選ぶことで、階下への荷重が抑えられるので効果的です。

様々な災(zāi)害に向き合う家づくりとは?
災(zāi)害は地震だけではありません。近年は臺(tái)風(fēng)や大雨による土砂災(zāi)害や洪水が多く発生していますね。だからこそ、価格や利便性だけを重視せず、様々なリスクを知ることが自分の身を守る最善の方法です。先ほどあげました國土交通省の「重ねるハザードマップ」は地盤だけでなく、洪水や土砂災(zāi)害の狀況までわかります。さらに、自分が住んでいる自治體が発行しているハザードマップや、検討する土地を?qū)g際に見て「道路の陥沒がないか」「周囲の塀に亀裂がないか」など、自分で確かめることも必要です。
実は、大震災(zāi)ごとに見直された建築基準(zhǔn)法も、あくまで「最低限の基準(zhǔn)」であり、倒壊しないこと、人命を守ることが前提であるものの、家が壊れることは許容しています。建築基準(zhǔn)法をクリアしているから、単純に安心ではないのです。土地と家という二つの観點(diǎn)からその家で暮らし続けるために必要なことをよく考えましょう。例えばダイワハウスでは「E-ディフェンス」(※)という阪神?淡路大震災(zāi)クラスの衝撃を基にテストした構(gòu)造や、類焼の被害を防ぐ構(gòu)造、さらに地震による電気火災(zāi)を未然に防ぐなどの非常時(shí)対策を?qū)毪筏皮い蓼埂@硐毪文氦椁筏霞窑蚪à皮霑r(shí)だけはありません。住宅メーカーに頼むにしても、地元の工務(wù)店に頼むにしても何十年と続く暮らしのことまで考えて、家づくりを始めることが大切だと思います。
※國立研究開発法人防災(zāi)科學(xué)技術(shù)研究所の「実大三次元震動(dòng)破壊実験施設(shè)(E-ディフェンス)」で実大震動(dòng)実験を?qū)g施(2006年)

PROFILE

井上恵子さん
安心?安全な住まいを見極め、女性視點(diǎn)でサポートする一級(jí)建築士。マンション設(shè)計(jì)に攜わった経験を數(shù)多く持ち、性能評(píng)価申請(qǐng)に関わったマンションは20棟以上。設(shè)計(jì)事務(wù)所設(shè)立後は子育ての経験を生かし保育園の設(shè)計(jì)なども行う。その他に戸建て?マンション購入セミナー講師、新聞へのコラム連載など。
※掲載の情報(bào)は2019年3月現(xiàn)在のものです。