インターネット環(huán)境の普及やIT技術の発展によって働き方が多様化する今、
リモートワークを導入する企業(yè)が増えています。
でも、「在宅ワークで効率的に仕事がこなせるだろうか」、
「上司や同僚とのコミュニケーションはちゃんと図れるだろうか」
といった不安を抱く人もいるのでは?
そこで、働きやすい自宅の環(huán)境づくりやテクノロジーの活用方法を、
『月刊総務』編集長の豊田健一さんに伺いました。
暮らしやすく働きやすい、
自宅でのリモートワークの間取りとは?
インターネット環(huán)境の進歩とともに、育児や介護など時間的な拘束がある方以外でも、自宅でリモートワークを行う時代になりました。そうした中で、オフィスはメンバー同士のコミュニケーションを活性化させ、ソロワークは集中できる環(huán)境で行い、仕事の生産性を高める。リモートワークが注目されているのはそのためです。しかし、本來、自宅は家族との生活の場ですから、気持ちの切り替えがしづらく、気が散ってしまいがち。そのために「仕事に集中できる」環(huán)境を整えることが最も大切です。オン?オフの切り替えがうまくいかないと作業(yè)効率が低下し、ストレスも溜まってしまいます。

私の経験では、間取り的にはリビングよりも奧で、家族が橫を行き來しない場所がおすすめです。個室が確保できない場合は、たとえばゲートや衝立、プレートでもいいので「ここからは違う世界に入る」と意識できるなんらかの仕切りを設けてマインドチェンジを図っても良いでしょう。また、仕事モードに入るときには外出してもおかしくない程度の洋服にきちんと著替え、ワークスペースにプライベートなものは置かないようにすることもポイントです。こうした籠り感のあるワークスペースはもちろんですが、天井が高い、仕切りが無いなどのオープンな空間の方が集中できる方もいらっしゃいます。家を建てる、家を探しているといった場合、自分にあった集中できる空間を意識してみるのはいかがでしょうか?
自宅でのリモートワークの生産性を高めるには、
どんな環(huán)境づくりをすればいい?
「人は自然と觸れ合うと幸せになる」というバイオフィリア(生命愛)の概念をオフィス環(huán)境に取り入れる企業(yè)が増えています。たとえば米アマゾンのシアトル本社はワークスペースが4萬本もの植物に囲まれ、まるで森にいるかのような雰囲気だそうです。人間も本來の生息地である自然の中で働いた方が、生産性や創(chuàng)造性が高まると考えられているのです。また、國土交通省の調査によれば、緑視率(視界に入る自然の緑の割合)が25%以上確保されていると、人は安心感を覚えるとのこと。こうしたことから、在宅ワークの場にも観葉植物をたくさん置いて緑視率を高めれば、ストレスの少ない環(huán)境になると思われます。

人によって好みは異なりますが、香りや音楽を工夫することもいいといえるでしょう。また是非気をつけてほしいのが、二酸化炭素の濃度。約1000ppmを超えると頭がぼんやりして思考力、集中力が減少してくるといわれています。長時間の會議で頭がぼうっとするのは、集中力がきれていることもありますが、密室での二酸化炭素濃度も影響すると考えると、リモートワークの際もときどき窓を開けて換気をすることも忘れないようにしてください。
デジタルツールの活用で、
コミュニケーションロスを防ぐ環(huán)境づくりを
リモートワークで円滑に仕事を進めるためには、職場のメンバーと知識や情報を常に共有できるようにしておくことも必要です。相手の顔を見ながらオンラインでスムーズに対話や會議ができるのであれば、コミュニケーションロスも防げます。こうした環(huán)境作りを手軽に葉えるツールとして、私はWeb會議システム「Zoom」(NECネッツエスアイ)や分身ロボット「OriHime」(オリィ研究所)に注目しています。
共創(chuàng)ワークソリューションZoom(NECネッツエスアイ株式會社)

狹帯域なモバイル回線でも高品質?高畫質
ライセンスを持っていない社外関係者も會議に參加可能
ITリテラシに自信がなくても簡単に操作ができる
「Zoom」は雙方がアプリを導入し、相手に10桁の數(shù)字(ミーティングID)を伝えるだけで、パソコンやスマートデバイスを使っていつでもどこでもつながれる、米國Zoom VIDEO Communications社のクラウドサービスです。操作が簡単で、誰とでもすぐにフェース?ツー?フェースでコミュニケーションが取れますし、ボタンを押すだけで簡単に録音や録畫もできます。相手がアカウントを登録したりしていなくても會話できる點もポイント。無料プランもありますから試しに使ってみるといいでしょう。
OriHime(株式會社オリィ研究所)

スマホやタブレット上のアプリで操作できる分身ロボット「OriHime」をリモートワークに活用する人も現(xiàn)れてきました。「OriHime」にはカメラ、マイク、スピーカーが搭載されていて、相手に顔を向けて話したり、ボディランゲージを使ったりすることもできます。自分の代わりに職場に置いておけば、周囲を見回したり、職場の仲間とリアルタイムで會話ができるので、在宅ワーカーが感じる疎外感の解消にも役立ちます。また、職場の様子は自宅のパソコンで見えますが、自分の様子が職場のモニターに映ることはないのでプライバシーの點でも安心です。こうしたツールを上手に活用すれば、自宅でも職場にいるかのように會話しながら働くことができるはずです。

1. かんたん操作
OriHimeを電源とパソコンに繋げるだけで操作可能。

2. 本人に見えるデザイン
喜怒哀楽の見える能面を參考にデザイン。利用者の表情を想像できる。

3. 多感な感情表現(xiàn)
登録したモーションと自由に動かせる腕が感情表現(xiàn)を豊かにする。
集中して仕事をこなすための時間管理術
~ポモドーロテクニック
短い作業(yè)時間と休憩時間を小まめに繰り返すことで、長時間集中力を切らさずに作業(yè)に沒頭できるメソッドもお伝えしておきましょう。ポモドーロテクニックといって、25分毎に時間を區(qū)切って仕事をする時間管理術です。

25分を1ポモドーロとして、その間は他の事は一切やらずにタスクに集中し、5分間の休憩を入れます。そして2時間ごとに30分程度の長い休憩を取ります。シンプルがゆえに続けやすく、うまく活用できれば生産性はかなり向上します。
これからは個人が自分の狀況に合わせて勤務形態(tài)を選べる時代。場所に囚われずに働けるのは利點ですが、リモートワークによって仕事の生産性が高まり、ゆとりや喜びが生まれなければ意味がありません。リモートワークは充実した人生を送るための手段であることを大前提に導入していただきたいと思います。
PROFILE

豊田 健一さん
早稲田大學政治経済學部卒業(yè)。株式會社リクルート、株式會社魚力で総務課長などを経験後、ウィズワークス株式會社入社。現(xiàn)在、株式會社月刊総務 取締役、『月刊総務』編集長。一般社団法人ファシリティ?オフィスサービス?コンソーシアムの理事や、総務育成大學校の主席講師、All Aboutの「総務人事、社內コミュニケーション?ガイド」も務める。
※掲載の情報は2019年2月現(xiàn)在のものです。