―無駄を省いた美しさのためでしょうか、貴社の家具はどんなインテリア空間にもなじみます。

當(dāng)社は、國籍やインテリアのカテゴリーなどあらゆる枠組みを超越する家具を目指してきました。流行に合わせず、私自身の內(nèi)側(cè)から自然と湧き出るイメージをもとにデザインしています。

私の理想は1950年代の名作家具のように、時代の波を乗り越えられるデザインです。長年使っていただけるようなタイムレスでボーダレスな家具を目指します。

―他方で、時間の流れとともに住宅建築の技術(shù)は進(jìn)歩し、ダイワハウスでは天井が高くて柱の少ない大空間が可能になっています。

その空間には個性豊かな家具を置いても調(diào)和がとれるので、絵になるでしょう。ぜひ私たちの家具を合わせていただきたいです。

大阪のショールーム內(nèi)にはリビングに見立てた空間展示も。手前のソファ「ライトフィールド」は背面のデザインにもこだわっています

―リッツウェルの家具は、デザインはもちろん、手ざわりや座り心地も素晴らしいですね。

家具はアート作品ではなく、あくまで道具。快適に使っていただいてこそ価値があるので実用性に磨きをかけています。また、人間は五感すべてを使って心地良さを認(rèn)識するので審美性も同時に追求しなければなりません。さらに、上質(zhì)な素材に真心を込めてきめ細(xì)かい手仕事を施し、心から安らげる溫もりを提供します。

―実用性、審美性、溫もり。これらすべてを同様に実現(xiàn)するとなると、制作過程でのご苦労も多いのではないでしょうか。

おっしゃる通りです。特に職人と私の打ち合わせは妥協(xié)することがありません。まず、完成前のデザイン案を職人に提示して、イメージを共有し、全體像をつかめたところで一緒に細(xì)部を詰めていきます。例えば、ジャバラAVボードでは、引き戸に使われる木材の幅や天板の厚さをミリ単位で議論しました。「社長ほど面倒くさい人はいない」と職人から言われますが、私は納得するまで徹底的に追求します。

―そのこだわりが世界的な評価につながるのですね。

そう言っていただけるとうれしいです。ものづくりの醍醐味は仲間と議論を交わしてアイデアに磨きをかけている瞬間です。限界までユーザビリティを突き詰めた新作は、その時點(diǎn)での最高傑作だと毎回胸を張って言えます。

背の部分が三日月狀なので、背當(dāng)たりが良く疲れにくいマルセルチェア