
相続財(cái)産のほとんどが土地である場合の節(jié)稅対策(2)
第4回 1億7,188萬円の相続稅が3,870萬円程度まで軽減したケース
公開日:2016/09/30
今回紹介するのは思い切った土地活用の代表例といえます。
相談経緯
伊藤真一様(仮名?85歳)は配偶者を先に亡くしています。お子様は3人いらっしゃいますが、伊藤家の財(cái)産を子孫受け継いでいってもらうために、ほとんどの財(cái)産を長男に相続させたいと願(yuàn)っています。
伊藤真一様の相続対策の最大の問題點(diǎn)はご自身の「認(rèn)知癥が進(jìn)んできたこと」。認(rèn)知癥と認(rèn)定されると相続対策はできなくなるため時(shí)間はあまりありません。
提案內(nèi)容
実際に真一様にご相続があった場合の相続稅の申告書を作成した結(jié)果、相続稅は約1億7,188萬円発生することが分かりました。
財(cái)産総額は約6億522萬円。そのほとんどを「土地」と「建物」が占めており、このままでは納稅資金が全く足りません。
相続稅を抑えることができるなら、できる限りのことをしたいというご要望でしたので、以下の2案をご提案しました。
- ?長男の子どもを養(yǎng)子縁組すること
- ?宅地化可能な山林を造成し収益物件を建築すること
これらを?qū)g行した場合、各々どのように相続稅が変化するのか計(jì)算しました。
下記が実際の提案書の內(nèi)容です。
伊藤真一様(仮名)相続稅額シミュレーション
この度は相続稅額シミュレーションをご依頼いただき誠にありがとうございます。
私は過去500件以上の相続稅対策のアドバイスを行ってまいりましたが、精度の高いアドバイスを行うためには以下の順序があります。
- Ⅰ 將來の相続稅発生予想額を把握する
- Ⅱ 相続対策を考える
- Ⅲ 実行する
Ⅰ 將來の相続稅発生予想額を把握する
伊藤真一様の相続稅額をシミュレーションした結(jié)果相続稅額は約1億7,188萬円となりました。
仮に養(yǎng)子縁組を一人した場合の相続稅は1億5249萬円となり、養(yǎng)子縁組による節(jié)稅効果は約1,939萬円あるものと見込まれます。
Ⅱ 相続対策を考える
伊藤様の相続財(cái)産に占める各財(cái)産の割合は以下の通りとなります。
土地 | 609,770,156円 | 101% |
---|---|---|
家屋 | 175,452,312円 | 29% |
現(xiàn)預(yù)金他 | 20,000,000円 | 3% |
借入金 | -200,000,000円 | -33% |
合計(jì) | 605,222,468円 | 100% |
伊藤様の相続財(cái)産の特徴は遺産に占める土地の割合が非常に高い點(diǎn)にあります。土地の占める割合が80%を超えるような財(cái)産構(gòu)成の場合、相続稅を下げる方法は「土地活用」か「土地売卻による資産の組み換え」以外にありません。
今回は宅地化可能な山林を利用し、相続対策した場合の節(jié)稅効果を計(jì)算してみました。山林の造成に約1億円、建物の建築に4億円、合計(jì)5億円の投資をした場合の節(jié)稅効果は以下の通りです。
財(cái)産評(píng)価
資金 | 相続稅評(píng)価額 | |
---|---|---|
土地 | 100,000,000円 | 64,000,000円 |
建物 | 400,000,000円 | 107,100,000円 |
合計(jì) | 500,000,000円 | 171,100,000円 |
合計(jì)圧縮額 | -328,900,000円 |
節(jié)稅効果
遺産総額 | 相続稅額 | |
---|---|---|
対策前 | 605,222,468円 | 152,490,000円 |
対策後(圧縮額控除後) | 276,322,468円 | 38,700,000円 |
節(jié)稅効果 | -113,790,000円 |
結(jié)論的には5億円の投資により、相続稅は3,870萬円まで圧縮でき、投資による節(jié)稅効果は1億1,379萬あることが分かりました。
Ⅲ 実行する
伊藤真一様の場合、相続財(cái)産に課せられる相続稅が大きいため、養(yǎng)子縁組を1人しただけで1,900萬円以上の節(jié)稅効果が見込めますので、將來的に伊藤家を継いでいくお孫さんを養(yǎng)子にされることをお?jiǎng)幛幛筏蓼埂?br>
それでも1億5,000萬円以上の相続稅が発生するため、相続稅を劇的に減らすには「土地活用」か「土地売卻による資産の組み換え」しか方法はありません。
現(xiàn)預(yù)金が2,000萬円ほどしかないということもあり、何とか納稅できる範(fàn)囲まで相続稅を下げようと思うと、相當(dāng)大膽な対策が求められるでしょう。
上記の計(jì)5億円の投資には長期的にリスクがないとは言い切れませんが、節(jié)稅効果との比較でどの程度の投資をされるか慎重かつ大膽な判斷を早期に迫れることとなります。
この資料を參考にご家族でよく話し合われ、納得のいく決斷をしていただければ幸いです。わからないことや不安に思うことがあれば何でも相談してください。
結(jié)論
伊藤真一様の相続稅は現(xiàn)預(yù)金の長男の子どもの養(yǎng)子縁組と5億円の不動(dòng)産投資により1億7,188萬円の相続稅が3,870萬円程度まで軽減できることがわかりました。
この提案を受け結(jié)果的には―
- ?長男の息子を?qū)O養(yǎng)子として迎え入れること
- ?投資リスクを考え投資額は合計(jì)4億円に減額すること
- ?認(rèn)知癥進(jìn)行のリスクに備え、できるだけ早期に建築に著工すること
となりました。
認(rèn)知癥になると相続対策はできなくなります。
相続対策をしたいけどできないというのが一番辛いもの。相続対策ができるうちにと家族で何度も話し合った結(jié)果、このような結(jié)論に至りました。保有財(cái)産の不動(dòng)産割合が高いと大膽な対策をしなければ相続稅を劇的に抑えることはできないため、重大な判斷を短期間で迫られることが多々あります。
そんな時(shí)、様々な視點(diǎn)からリスクとリベートを捉え、思い切った判斷を行うことで將來は大きく左右されるといえます。