大和ハウス工業(yè)は5月に「家事」に関する意識(shí)調(diào)査を発表しました。その結(jié)果、家事參加について、夫婦の間に大きなギャップが存在していることがわかりました。
また、炊事や洗濯、掃除のように誰もが「家事」として認(rèn)識(shí)している作業(yè)ばかりではなく、郵便受けに入っていた手紙を仕分けるような、いわゆる「名もなき家事」について、多くの夫が家事だと認(rèn)めていないという事実も判明。その多くを妻が負(fù)擔(dān)しなければならない狀況について、住宅ライター?アドバイザーでコラムニストの藤原千秋さんにお話を伺いしました。
実は家事として認(rèn)識(shí)されていない
「名もなき家事」が數(shù)多く存在
ひとくちに「営業(yè)」と言っても、業(yè)種によって仕事の內(nèi)容は異なります。それと同じように家庭における「家事」の內(nèi)容も、ひとくくりにはできません。
たとえば、洗濯はどうでしょう。「汚れた衣類を洗濯機(jī)に放り込むことが洗濯」ではなく、作業(yè)を細(xì)かく分解してみると、さまざまな作業(yè)プロセスが必要であることがわかります。
まず、衣類を観察して汚れを確認(rèn)し、おしゃれ著と普段著を分けたり白物と色物を分けたりします。次に、汚れのひどい襟袖や靴下などは下洗いして、洗剤も液體か粉末か、弱アルカリ性か中性かを選びます。そして適切なコースを選択し、ようやくスイッチオン。
しかしこれで終わりではなく、漂白剤も酸素系か塩素系を選び、仕上げの柔軟剤、洗濯のりなども衣類カテゴリによって選ぶ必要があり、洗剤類が足りなくなれば購入し、補(bǔ)充するでしょう。
洗濯後の乾燥は部屋干しか外干しか、乾燥機(jī)を使うか考えるなど、日常的にこなしている洗濯という家事ですら、このように多くのプロセスが存在するのです。
ここまで含めた「洗濯」という家事を請け負(fù)っているのは、家庭の中の誰なのでしょうか。

藤原 千秋さん(ふじわらちあき)
家事のなかには、実は家事として認(rèn)識(shí)されていない「名もなき家事」が數(shù)多く存在しています。
この「名もなき家事」は、食事づくりのように誰もが認(rèn)める一般的な家事とセットになっていて、食材の買い物や主菜や副菜の調(diào)理、米を研ぐ、食器を洗うといった、やや名のある家事がぶら下がっています。さらに食材を適切にしまったり調(diào)味料を補(bǔ)充したり、さらに獻(xiàn)立を考える、食事の前に食卓を拭くなど、本當(dāng)に多くの「名もなき家事」が紐付いているのです。
しかし殘念なことに、これらにかかる労力はなかなか気づいてもらえないのが現(xiàn)狀です。

こうした「名もなき家事」は、それ自體にも多様性があり、各家庭によってもプロセスの數(shù)が異なります。ある家庭では水道水をそのまま使い、別の家庭では浄水器を利用することもあるでしょう。ポットタイプの浄水器を使う場合には、定期的なフィルター交換や水を汲み置くという手間もかかります。ミネラルウォーターを使う場合にも、購入する手間やペットボトルの処理という手間が存在します。この細(xì)かい「名もなき家事」は知らず知らずのうちに積み上がり、家事を擔(dān)當(dāng)する人の大切な時(shí)間を削ってしまうのです。

「お母さんは頑張り屋さん」という安直な受け取り方は危険
「名もなき家事」の9割以上を妻が行っているという意識(shí)調(diào)査の結(jié)果を見て、「お母さんは頑張り屋さん」という安直な受け取り方をするのは危険です。
妻がこうした作業(yè)を黙って抱え込んでしまうことは、結(jié)果的に「家庭の危機(jī)」を招いてしまう可能性もあり、必ずしも褒められたことではないと認(rèn)識(shí)することが必要です。
夫と妻の家事の擔(dān)當(dāng)割合が0:10という家庭は意外と多く、本當(dāng)に好きでやっている方が存在するのも事実ですが、やはり全部を擔(dān)うのは大変だと思っている女性は少なくありません。仕事を持つ妻の場合、たとえ決まった時(shí)間の務(wù)めであったとしても、家事をこなすのは重労働です。
外で仕事をして、家事でも手を抜かない人は、かつては美徳として扱われていましたが、現(xiàn)在はそれを辛いと言っても許される、當(dāng)たり前として捉えられる時(shí)代になりました。
たとえば、家事の多くを受け持っていた妻が病気になってしまった場合、家族はわずか1回の食事でキッチンや食卓が荒れる狀況に気づくでしょう。調(diào)査結(jié)果を見ると、調(diào)味料を補(bǔ)充、交換する夫はわずか54%、つまり2人に1人しかいません。半數(shù)の夫はお醤油が切れても自分では動(dòng)かず、「お醤油ないよ」と言うだけなのです。食事の前に食卓を拭く夫も58%と同じような數(shù)字です。そんな姿勢で食事作りを行えばどうなるか……これは火を見るより明らかです。
普段気にしていないことをすべてやりきることは、想像レベルでは簡単かもしれません。しかし仕事に例えて考えれば、そう易しいことではないことがわかるはずです。
しかし、家事を一手に行う妻自身にも責(zé)任がないとは言えません。「名もなき家事」を抱え込む、つまり9割以上擔(dān)當(dāng)するということは、夫や家族が家事をできるようになるきっかけを奪うことでもあるのです。

「名もなき家事」も含め、家事を全部請け負(fù)っている妻も、幼い頃からできていたわけではありません。家事を?qū)Wぶ必要に迫られ、できるようになってしまったのです。結(jié)婚した時(shí)から夫と妻が半々で家事を行っていれば、一緒に能力を向上できたはず。これは子育てにも言えることで、本當(dāng)は夫婦が同じレベルでできるようになれるのです。
プロフィール紹介

藤原 千秋(ふじわらちあき)
住宅ライター?アドバイザー&コラムニスト
All About「家事」「掃除」「子育て」ガイド。主に住まい周りの記事を?qū)熼Tに執(zhí)筆するライターとして16年のキャリアをもつ。現(xiàn)在は並行して家事サービス、商品開発等にも攜わる。大手住宅メーカー営業(yè)職出身、三児の母。『この一冊ですべてがわかる!家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書、マスコミ出演多數(shù)。
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