醫療と福祉のインテグレーションを目指し、
多機能ホームで地域のお年寄りの在宅生活を支える仕組みと體制をつくる
茫洋と広がる日向灘に臨む宮崎県日向市は、『古事記』に記される神武天皇東征の船出の地として良く知られ、またリニアモーターカーの試験走行が繰り返された場所でもあります。日照時間が長く、年間を通じて溫暖に恵まれ、とても暮らしやすいところとされています。
しかし、海岸から離れると後背地には険しい山々が迫り、織り重なるような山中には日本でも指折りの高齢化と過疎の村々が點在しています。醫療法人社団慶城會「瀧井病院」(內科?精神科)は日向市內から車で5分ほどの、塩見川沿いに開けたのどかな田園地帯にあり、社會福祉法人清風會とともに過疎の村々も含め、広域に及んで地域の高齢者の醫療と介護の擔い手となっています。
瀧井修さんは3代続く醫者の家系で、ご本人は精神科醫。そして「醫療法人社団慶城會」と「社會福祉法人清風會」の2つの法人の理事長も勤めておられます。
「高齢者の醫療と介護は切り離せない問題です。一つとして考えるべきです」というのが瀧井さんの持論ですが、醫師でもあった亡き父?慶二氏の考えでもあり遺志でもありました。先代は地域の活動にとりわけ熱心で、いろんな交流に情熱を注ぎ、地域の“功労者”として町の人々に慕われた篤志家。滝井さんがまだ醫學生だったころ、そんな父の夢は「父子で老人醫療と福祉をやりたい」だったそうです。精神科醫らしく物靜かに話された瀧井さんの先の言葉には、先代の願いと思いをしっかりと引き継がれているのが伝わってきます。
CASE4
神舞の里