
総合病院の勤務醫から「かかりつけ醫」に。
地域に根ざした醫師の眼差しは、醫療と介護の連攜へと向かう。
醫師と患者の気持ちのつながりこそ、地域醫療の原點
名実ともに仲嶋先生は、地域密著の「かかりつけ醫」。生まれ育ち、そこに暮らしつづけ、生活が地域に根ざしているからこそ、醫師と患者という関係以前に、地域の人びととの間に親しみと信頼の強いつながりがあります。
「ブンちゃん」…と、小さい頃からよく知る近所の人たちは、いまも仲嶋先生を愛稱で呼ぶのも顔見知りで、気心が通じあっていればこそです。
仲嶋醫院の待合室では、ほのぼのとした會話や光景が日常的に見られ、気安さが患者さんの不安感を取り除いているようにも見受けられます。そして、和やかな人間関係のなかに、地域醫療の本質と大切さがあるのでは、と。仲嶋先生は、地域における「かかりつけ醫」の果たすべき役割の重要性をこう説かれています。
「なによりも病気の早期発見です」。學生時代に、その重要さを自ら體験しておられるのです。同時にその體験が醫師を志す強い動機になったそうです。
「突然、母が病気に倒れたのです。生命に関わる深刻な病気でした。発見が少しでも手遅れだったら…どうなっていたか。その時に、早期発見で母の一命を救ってくれたのが町のかかりつけ醫です。母はすっかり回復し、いまは一緒に元気で暮らしていますが、母が倒れた時の醫師にすがる気持ち、切実な思いはいまでも忘れられません」。
この時の経験と気持ちを、いまもなお患者さんの気持ちとして大切に胸にしまっているそうです。そして、ご自身も醫師として「そういう地域の人の一番身近にいる醫師になろうと」と、醫學生の頃から心に決めていたそうです。
CASE2
仲嶋醫院/ふれあい健康館/うのはな