（第4回）司法書士が語る
「不動(dòng)産取引と成年後見制度についての基礎(chǔ)知識(shí)」

我が國では高齢化の進(jìn)展とともに、認(rèn)知癥の人數(shù)も増加しています。65歳以上の高齢者では平成22年の時(shí)點(diǎn)で、7人に1人程度、約15％とされています。

そして、最近の不動(dòng)産取引実務(wù)においても、認(rèn)知癥の疑いがある方の不動(dòng)産の売買の相談が増えています。

法律の基本に立ち返りますと、不動(dòng)産の売買取引には、本人の「意思表示」が必要です。

では仮に売主が認(rèn)知癥の疑いがある場(chǎng)合、意思表示があるのかないのか、どのように判斷するべきでしょうか？

例えば、次の事例ではどうなるか一緒に考えてみましょう。この點(diǎn)、認(rèn)知癥は意識(shí)障害+記憶障害+判斷力障害によるものですが、ご本人の癥狀のレベルによって法的な判斷能力があるかないかを判斷する必要があります。

そこで、実務(wù)的によく利用されているものは「長谷川式簡易知能評(píng)価スケール」という30點(diǎn)満點(diǎn)の10～15分くらいのテストを行うものです。名前、年齢、居場(chǎng)所、日付などから簡単な記憶問題、引き算の計(jì)算問題などが內(nèi)容で、21點(diǎn)以上を判斷能力ありと判定します。

では、判斷能力がないと判定した場(chǎng)合はどのような手続きが必要となるでしょうか？

その場(chǎng)合は、成年後見制度を利用することになります。

判斷能力のレベルによって3段階となっていて、最も重いのが「後見」、次に「保佐」、そして「補(bǔ)助」といい、本人、配偶者、4親等內(nèi)の親族等による家庭裁判所への申立により審議され、審判により後見等が開始します。

仮に最も重い「後見」が必要と審判された場(chǎng)合、認(rèn)知癥の方を成年被後見人、その代理人となる方を成年後見人といいます。

成年後見人には親族が選任される場(chǎng)合もありますが、適切な候補(bǔ)者がいない場(chǎng)合は司法書士などの専門家が選任されることになります。

成年後見人は成年被後見人の代理人として、本人のための様々な法律行為を代理して行なう、本人にとって代わるものすごく強(qiáng)い権限を有することになります。

成年被後見人の不動(dòng)産を購入する場(chǎng)合、売買価格や契約內(nèi)容の取り決め、その他売主側(cè)の手続きも全て、成年後見人が代理して行なうことになります。

成年後見人が強(qiáng)い権限をもっているため、親族による後見、情けないながら専門家による後見であっても、橫領(lǐng)する事件が増加しており、平成24年には、全國で575件（內(nèi)9割が親族後見）、被害総額は約46億円となり、ともに統(tǒng)計(jì)開始以來の最多を記録しています。

また、特に専門家による成年後見人は本人にとっては赤の他人で、認(rèn)知癥発癥前の本人のことを全く知らない場(chǎng)合が殆どであり、本人の好きな食べ物や趣味なども知らないような人が自分の財(cái)産の処分権限を包括的に代理させることになるわけですから、「本人のため」になるか否かの判斷は法的に厳格になり、融通を利かせられる範(fàn)囲も限定的にならざるを得ません。

そこでご紹介したいのが、「任意後見制度」です。

任意後見制度とは、本人が元?dú)荬胜Δ沥恕⒄J(rèn)知癥、交通事故、脳疾患などにより意思能力が低下する場(chǎng)合に備えて、自分自身が信頼できる方（法人でも可）を任意後見人として任意後見契約を締結(jié)しておくものです。

任意後見契約の內(nèi)容は、法定の成年後見人とは異なり、かなり柔軟に內(nèi)容を決めておけるので、萬一認(rèn)知癥が発癥した場(chǎng)合であっても、本人のことを知っている方が本人の好きな食べ物や趣味などのためや、好きな場(chǎng)所に連れて行ったりするために出費(fèi)することができます。また不動(dòng)産の購入や売卻についても、その條件面や相手の選定方法などを決めておいたりすることもでき、非常に有用です。

不動(dòng)産を用いた相続稅納稅対策や節(jié)稅対策が必要となる不動(dòng)産オーナーにとっては、相続対策の一環(huán)として利用を検討すべき制度だと思われます。

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