北陸新幹線の快進(jìn)撃が隣接地域の危機(jī)感を生む

2015年3月14日、北陸新幹線の長野－金沢 間が開業(yè)しました。これによって、東京から金沢まで約3時(shí)間で結(jié)ばれるようになり、都心からの利用客の利便性は飛躍的に向上しました。もともと観光地として強(qiáng)いブランド力を持つ金沢でしたが、それまで都心からは空路を利用することになり、旅行者にとってのハードルとなっていました。それが北陸新幹線の開業(yè)により一気に払拭され、金沢駅利用客は2016年時(shí)點(diǎn)で926萬人、なんと2013年の3倍となっています。 また、北陸新幹線の開業(yè)が及ぼす石川県全體の経済波及効果は、日本政策投資銀行の推計(jì)によると678億円と試算され、新幹線開通がもたらす効果としては、近年では類を見ない快進(jìn)撃となっています。そもそも開業(yè)前2013年時(shí)點(diǎn)では、都心へのストロー現(xiàn)象なども懸念され、経済波及効果は124億円程度と見積られていましたが、その不安は無用だったようです。 一方、この快進(jìn)撃の前に、危機(jī)感を募らせている地域があります。

地域が協(xié)働して観光地のブランド化を広域で推進(jìn)

新潟県越後湯沢溫泉。かつてより都心に近い溫泉観光地、スキーリゾート地として人気がありましたが、1982年11月に上越新幹線が開業(yè)し、都心から1時(shí)間半で結(jié)ばれると、空前のスキーブームも後押しして、観光客入込數(shù)は年々増加、湯沢町の統(tǒng)計(jì)によれば、1992年のピーク時(shí)には1,050萬人にも上り、有數(shù)のリゾート地として名を馳せました。
しかし、スキーブームが去り、その後は減少に転じ、2015年時(shí)點(diǎn)では、上越新幹線開業(yè)前の500萬人を下回る430萬人程度となっています。そんな中でも、溫泉利用目的の観光客は100萬人程度で推移しており、溫泉地としての人気は今でも続いています。
そんな狀況の中での北陸新幹線の開業(yè)は、地域にとって大きな危機(jī)感を生みました。金沢という日本でも有數(shù)のブランド観光地が、競合地域となったのです。
これに対応するべく、魚沼市、南魚沼市、湯沢町、十日町市、津南町、みなかみ町、栄村の3県7市町村は、一つずつでは埋もれてしまう地域資源を発掘し、つなぎ合わせ、磨き上げることで世界に通用する価値を生み出すことを目指し、溫泉観光地の広域連攜組織として、雪國観光圏を2008年に設(shè)立しました。 雪國観光圏のブランドコンセプトは「國境の長いトンネルを抜けたもう一つの日本」です。
世界でも珍しい「人が住む豪雪地」に點(diǎn)在し伝統(tǒng)的な暮らしを伝える「郷」をつなぎ、地域の獨(dú)自性を活かしながら連攜を強(qiáng)め、交流人口の増加策や滯在型観光の開発を推進(jìn)しています。
雪國観光圏は、2013年から一般社団法人雪國観光圏に運(yùn)営が移管されていますが、若手経営者をはじめとしたメンバーによる、広域観光圏の新たなブランド化への挑戦が続いています。代表理事である井口氏も越後湯沢駅前にある旅館「HATAGO井仙」を経営しており、旅館の原型である旅籠の原點(diǎn)に立ち戻り、宿泊と飲食、物販を個(gè)別の事業(yè)と考え、それぞれの事業(yè)をブランド化することを目指しています。

北陸の玄関口福井県の、公民連攜の挑戦

北陸新幹線の延伸開業(yè)が決まっている福井県。古くから繊維産業(yè)、漆器産業(yè)、刃物産業(yè)、和紙産業(yè)等の伝統(tǒng)産業(yè)、近年においては眼鏡産業(yè)等の集積があります。過去には、戦後の福井地震（60％の家屋に被害）やリーマンショック?中國の臺(tái)頭による眼鏡産業(yè)に壊滅的な影響があったものの、地域を挙げたイノベーションにより復(fù)興を果たしてきました。
しかし近年は、若者の県外流出が続いており、近い將來、県人口が80萬人を下回ることも予測されています。一方、観光資源としては、永平寺や東尋坊、蘆原溫泉、越前ガニなど少なくありません。
そのような福井県に北陸新幹線がやって來ます。現(xiàn)在のところ、北陸新幹線の金沢－敦賀間の開業(yè)は2022年度とされており、開業(yè)が及ぼす経済波及効果は、福井県の試算では年間100億円程度と見込まれていますが、隣接する石川県金沢市のブランド力が大きいだけに、観光地としての経済波及効果は未知數(shù)といえるでしょう。とはいえ金沢や都心へのストロー現(xiàn)象による人口減少の懸念もあり、特に福井市の再開発は急がれています。現(xiàn)在、福井駅西口の再開発計(jì)畫が進(jìn)んでいますが、特筆すべきは、地元地方銀行の動(dòng)きです。
地元地方銀行が再開発を手掛ける大手都市開発ディベロッパーと業(yè)務(wù)提攜を行い、再開発を手掛けるという、一歩踏み込んだ街づくりへの參畫を行っています。地方銀行が長年の信頼関係を維持している地権者との調(diào)整を図ることで、再開発計(jì)畫の実現(xiàn)をサポートするということでしょう。
もともと福井県の地方銀行は、地域産業(yè)への資金供給を目的に、官製でなく民間資本により設(shè)立された経緯があり、地域産業(yè)の育成を使命とする考え方が強(qiáng)くあります。そのため、各自治體と包括連攜協(xié)定を締結(jié)し、地域が抱える社會(huì)課題に対して、自治體と民間企業(yè)等がお互いの強(qiáng)みを活かし協(xié)力しながら課題解決に対応する、いわゆる公民連攜に取り組んでいます。もちろん、民間のノウハウを活かしながらビジネスとして収益性を確保する責(zé)務(wù)も負(fù)っています。

大手都市開発ディベロッパーにとっても、人的ネットワークが乏しい地方都市の地権者とのトラブルを避けることができるメリットがあります。
地域の再生は地方銀行にとっても経営基盤の維持?強(qiáng)化にもつながるものです。この挑戦が奏功し、北陸新幹線開業(yè)を機(jī)に地域の活性化が進(jìn)むことを期待したいものです。