
PREコラム
「官民連攜による地域活性化への取組を探る」(5)中小企業(yè)の取組が地域コミュニティを活性化させる
公開日:2017/04/28
POINT!
- ?多彩なツアーでリピーターを獲得する旅行代理店
- ?地域コミュニティーの空間を創(chuàng)造する建築家
- ?女性目線のビジネスで高齢化に対応するミニスーパー
中小企業(yè)は、地域特有のニーズに細(xì)かく対応することで事業(yè)が成り立っていることが多く、その経済活動自體が地域コミュニティーの活性化に繋がっているように思えます。
大企業(yè)のCSR活動としての地域貢獻(xiàn)はメディアでよく取り上げられますが、中小企業(yè)の取り組みに関しては、地域內(nèi)では知られていても、全國に紹介されることが少ないのではないでしょうか。
そこで、これまで地域メディアなどに取り上げられた中小企業(yè)の取り組みの中から、思わず応援したくなるような事例を集めてご紹介します。そうすることで、中小企業(yè)が地域の活性化に果たしている役割を、多少なりとも実感していただけるかと思います。
若者の枠を超えたチャレンジ精神が新しい市場をつくる
大手旅行代理店とは一線を畫し、地元への著地型、體験型、參加型ツアーを地元で企畫し、地域コミュニティーとの交流を介して地域の活性化イベントなどを企畫する青森県弘前市の「たびすけ」。いわゆる地域の名所舊跡を案內(nèi)するだけではなく、リンゴ農(nóng)家の作業(yè)を體験したり、地域特有のノウハウや地域の言い伝えを聞いたりと、地元ではさして珍しくもない日常的な暮らしを観光資源として発掘しています。
多様なツアーを提供することでリピーター(ファン)が増え、交流人口が増加すれば、ひいては移住?定住へと結(jié)びついていくのではないでしょうか。地方における人口減少への対応策のひとつかもしれません。
出雲(yún)市駅前の廃業(yè)した旅館を活用したゲストハウスを経営し、さらに、リビング代わりに隣接する商店街の空き店舗を活用して、宿泊客と地元住民とが集うコミュニティースペースを開設(shè)した島根県出雲(yún)市の「出雲(yún)ゲストハウスいとあん」?!笀鏊蚬灿肖工毪坤堡扦悉胜?、年齢や職業(yè)を超えて住民同士の知恵をシェアすることで豊かになれる」。オーナーが神戸で暮らしたシェアハウスでの、そんな経験が経営に生きています。ここには、管理スタッフやアルバイトなどはいません。宿泊代や食事代を無料にする代わりに、店番や大工仕事などを手伝ってくれる人が何となく集まって來るそうです。「お金を頂いて商品やサービスを提供する」だけではなく、お互いに必要とする「物事」を提供し合う(シェアする)ことができる場所なのです。コミュニティーの原點(diǎn)は、そんなところにあるのでしょう。
「建築と地域の暮らしの融和」を追い求め、日向灘に面した小高い丘の上に「大きな屋根とガレージのある家」を建て、地域コミュニティーの空間を提供する宮崎県高鍋町の「Bridge the blue border」。建築家である創(chuàng)業(yè)者が、多様な人々が集うことで、自然な形で地域コミュニティーを醸成させることを目的としたレンタルハウス事業(yè)を始めました。下校時間に子どもたちが遊べる場。近所の農(nóng)家が野菜を持ち寄る場。コーヒー好きが腕前を振るう場。アーティストやミュージシャンが出展?出演する場。この建物をステージにして、様々なイベントが繰り広げられ、そこに地域の人々が寄り集まることで、緩やかなコミュニティーが生まれ育っていくのです。この小さな地域活性化の取り組みコンセプトは、2015年度グッドデザイン賞を受賞しました。
女性目線のビジネス感覚は地域コミュニティーに幸せを運(yùn)ぶ
両親の介護(hù)がきっかけで、実家の武家屋敷を改裝し、手作り料理でもてなし、ゆったりした時間を満喫することで幸せを感じさせる鹿児島県日置市の「ひる膳多寶庵」。古民家を改裝したお晝限定のこのレストランは、いつも満員です。子育てを終えた店主が、自分が行きたい店をイメージして作ったそうです。地元産の食材と食器を使い、何種類もの小鉢で供される食事は、年配の女性を中心に好評です。來客者は美味しい食事と落ち著いた建物空間の中で、何時間でもお喋りに興じて、都會では味わえない時間の流れを感じます。この地域には、小さな武家屋敷が點(diǎn)在し、このような古民家を再活用した店舗が各所に出現(xiàn)しており、地域の新しい産業(yè)資源として注目されています。
地域で唯一だったお店の閉店で地域住民の生活が不便になることを見かねて、たった一人でストアーを継承し営業(yè)を続け、地域の高齢者を見守っている高知県土佐清水市の「ゆみちゃんストア」。住民とのコミュニケーションを通じて地域のニーズを知り、季節(jié)ごとに地域で必要な商品を揃えています。また、高齢者宅への宅配サービスもこなします。無料だと高齢者の方々が遠(yuǎn)慮するので、少量の宅配のみ有料にしたそうです。さらに、高齢者の方が注文しやすいようにと、店の電話番號を分かりやすく表示したプレートを配布、裏には「見守りカード」としてかかりつけ病院の連絡(luò)先や緊急連絡(luò)先が書けるように工夫されています。人口減少と高齢化の波は止められませんが、「ゆみちゃんストア」は“縁の下のミニスーパー”として地元に愛され、売上も上々だそうです。
ここで取り上げた事例は、ほんの一部に過ぎませんが、地域における中小企業(yè)の目線は、常に地域のニーズやシーズに向けられ、そして地域コミュニティーが中小企業(yè)を育てている様子がうかがえると思います。地域全體が新ビジネスを生み出す“ゆりかご”のようにも感じます。
少しだけ心が空腹になったら、地方へ行って地域の皆さんと話をしてみてください。きっと幸せな満腹感を味わうこと請け合いです。そして、これまで気付かなかった何かが発見できると思います。地方には、そういった資源がまだまだ豊富にあるのです。
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