vol.2 理想の家づくり、はじめの一歩「ライフミーティング」
Team-xevo(チーム?ジーヴォ※)がわが家にやって來る
※以下、チーム?ジーヴォ
前回、展示場を見學し、あれこれ夢を膨らませた私。「リビングにキャットウォークをつくって!」とか「階段の途中に貓が顔を出せる小窓がほしい!」など、憧れを思いのままにリクエスト。
そして、貓が安全に暮らせるようにとの思いから「飾り棚は危険では?」や「破けない網戸はないものか」などのダメ出し?もさせていただきました。
こんな経緯もあって、チーム?ジーヴォの皆さんが「ライフミーティング」のためにわが家にやってきました!
ライフミーティングとは、その人が現在暮らしている家をチーム?ジーヴォのメンバーが実際に訪れて見て回る、ダイワハウスの家づくりでは欠かせないプロセスのひとつ。

展示場にて、貓と暮らす家について語り合う私たち 寫真左から、チーム?ジーヴォのナビゲーター:小坂健太朗さん、デザイナー:田中琢也さん、ナビゲーター:山﨑千尋さん、石黒
今の住まいへの不満や、本人でさえ気付かないようなちょっと不便そうな面を見つけ出し、その解決策をプランづくりに反映するそうです。
家を見ていただくことで、新たな提案も出るかもしれません。いわば、納得がいくプラン設計ができるよう、理想と現実の距離を縮める作業ですね。
私の大膽で無鉄砲な「貓と暮らす家もつくってほしい!」という希望を、少しづつ現実に近づけていきます。ドキドキワクワク!
「ようこそ、わが家に!」と晴れ晴れとお迎えしたかったのですが、私には少々不安がありました。だって「片づけなどはせず、いつも通りの暮らしぶりを見せてくださいね」と小坂さんはスマイル全開で言うのです。
「わかりました」と返事はしました。とはいえ、大雑把な性格で「片づけられない女」として女性誌に取材された経験もある私なのです。

しかし、ふだんの暮らしの中からしか本當の問題點は見つけられないのですよね。末永く、貓と心地よく暮らす家づくりのために「えいっ!」恥ずかしながらの公開です。
私が暮らしているのは都內のマンション。70平米の3DKを入居時に2LKにリノベーションしました。犬を飼うこと前提でのリノベーションでしたが、貓と暮らすのは想定外でした。だからこそ「貓と暮らす家」に想いは募ります。
わが家のフローリングは自然素材にこだわって選んだロシアのカラマツですが「センパイ(犬)だけのときは気にならなかったのですが、コウハイ(貓)を迎えてからは、やっぱりキズが気になって……」と私。「キズは古くなると色が沈んで汚れのようにも見えるし、目立たないほうがいいですよね。合わせて床暖房は必要ですか?(小坂さん)」「床暖房は憧れです! 犬も貓も(人も)、高齢になればなるほど嬉しいと思います(石黒)」と話がテンポよく進みます。


フローリングを拡大すると…
改めて気づくことも多い、ライフミーティング
今、犬と貓と暮らしていて、私が気になることのひとつは「ニオイ」。わが家の犬貓のトイレスペースはテレビの裏。つまり、リビングの中にトイレがあるのです。最近では、炭を練り込んだ消臭作用のある建材もあると聞きました。そのことを尋ねると「はい、調べてみます。うまくセレクトして使えるようにしましょう。ニオイは換気の工夫でも解決できますよ」と、ご自分でもパグと暮らしている田中さん。

こんな所にトイレが…と小坂さんビックリ

ライフミーティングにコウハイも參加!?
「ん~、テレビの裏……拝見します」そう言って首を伸ばした小坂さんが「おぉー」と小さな聲を上げました。小坂さんが驚いたのはテレビやステレオのケーブル線。確かに整理されていません。私は見慣れていて「こんなものだ」と思っていましたが、他のお宅と比べると線の太さが太く、本數もかなり多いのだそう。「ケーブルが目立たないような設計にしたほうがよさそうですね」。
テレビの奧の、一見、木製の壁に見えるところが開閉するしくみなのですが、ここがわが家の収納スペースです。ペットのトイレ砂やシート、フードなどもまとめてここに入れてあるので便利ではありますが、収納スペースが足りないというのが正直なところ。「ここに納まるだけのモノでシンプルに暮らす」のが理想ですが、現実はなかなかそうもいかず、モノが溢れている始末。


キッチンは山﨑さん、洗面スペースは田中さんに見ていただきました
キッチンは狹いので、幅が薄く戸のない棚を食器入れにしたかった私。そのため、キャビネットなどでは適當なものがなく、古道具店で見つけた昭和初期の棚を食器棚として使っています。なので棚を作り付けられたら嬉しい。しかし、奧にしまって使わない食器がでないよう、作り付けの棚も幅(奧行き)が狹いのが希望です。食器棚に妙にスペースがあると、コウハイが入り込んでしまうような予感もするのです。
それから、わが家は「ふつうの家にあまりないモノがある家」と言われているのです。道具好きの夫が買ってきたソーダマシーン(炭酸水を作るもの)、かき氷器、蒸留水器、あとは鉄鍋やたこ焼き器も。これらを上手く収納できるスペースがあったらいいなぁ。

電話機の空間に入ってしまうコウハイ。キッチンまわりはこんなことがないようにした

コウハイの爪とぎでボロボロなかご
そして「作り付けの棚」問題へ。洗面スペースには収納用にかごを揃え置いています。かごの中にはタイル類、ストックしている石けんや洗剤など分けて入れてありますが、このかごがコウハイの格好の爪とぎ場となり、側面はボロボロ。やっぱり「1カ所でも、貓が思い切り爪研ぎができるような柱がほしい」とお伝えしました。
ちょっとずつ具體的になった!!

チーム?ジーヴォの皆さんにわが家を見ていただいた後、改めて意見を詰めていくミーティングをしました。
田中さんからは「お仕事用のスペースはどうしますか? 仕事部屋は必要ですか?」と質問が。私は「書斎にこもって仕事をするタイプではないので、リビングの一角に仕事用のスペースがあると嬉しいけど、マストのリクエストではないです」と答えました。
結果として「仕事部屋は必要なく、もしできたら、リビングの一角を仕事スペースにしたい。煮込み料理をしながら原稿を書くことも多いので、リビングのキッチン寄りに小さなデスクが置けるといいかも」という結論に。

「仕事スペースを兼ねたリビング用デスクとなると…」とサイズを測る小坂さんと田中さん
「すっきりしていて開放感のある家に憧れます。でも、それだと貓にとっては、つまらない家になるかな? 」「開放感は貓が逃げてしまうなんてことにはならないかしら……?」そんなことも自問自答しながらの話し合い。このやりとりは、自分の生活スタイルを見直すことになりました。
仕事柄、増えていく一方の書籍のため書庫をつくる。トイレや水飲み場などペットのためのスペースをあらかじめ組み込む。ペットショップなどにありがちなファンシーな雰囲気は排除して、木や漆喰などを使ってシンプルでナチュラルな家に。

打合せ中も、室內をいろいろチェックされていました
「すべてのドアには貓用の小さなドアも付けてください」ともお願いしました。そして「貓が爪を立てても破れない、でも外の景色もきれいに見える網戸」のリクエストも念を押して。
こんなふうに、現在の家にある問題點や不満、不便をあぶり出し、その上でチーム?ジーヴォのみなさんが私の「貓と暮らす家」をあれこれ考えてくれるのです。どんなプランを提案してくれるのか、とても楽しみです。
ねこのきもち編集室eye's
ライフミーティング中に、貓の爪で床が傷ついてしまうという話が出てきました。床材をセレクトする際に傷がつきにくいことも大切ですが、掃除のしやすさも重要なポイントに。というのも、貓は胃が小さい動物のため、吐いてしまうことが多いのです。『ねこのきもち』2016年2月號の特集『ねこの「吐く」大全』では、貓が吐いてしまったものの掃除法を紹介していますが、貓が吐いたものは、床の溝に入り込んでしまって拭き取りにくくなってしまう心配も。
今回のライフミーティングを経て、貓と暮らす理想の家づくりのプランがより具體化します。床材はどんな素材がセレクトされるのでしょうか?今後が楽しみです。

その頃のコウハイ チーム?ジーヴォの皆さんに遊んでもらってご満悅

次回は… チーム?ジーヴォより、家づくりのプラン提案を受けます
「ライフミーティング」から見えてきたものを、チーム?ジーヴォのメンバーが取り入れた家づくりのプランを聞きます!

筆者プロフィール
石黒由紀子
エッセイスト
栃木県生まれ。日々の暮らしの中にある小さなしあわせを綴るほか、女性誌や愛犬誌、Webに、犬貓グッズ、本のリコメンドを執筆。楽しみは、散歩、旅、おいしいお酒とごはん、音楽。著書に『GOOD DOG BOOK ーゆるゆる犬暮らしー』(文藝春秋)、『なにせ好きなモノですから』(學研)、『さんぽ、しあわせ。』(マイナビ)など。
愛犬センパイ(メス?11才/柴)と愛貓コウハイ(オス?6才)、夫との2人と1頭、1匹暮らし。
※2017年3月現在の情報となります。
貓と暮らす家もつくりたい!