vol.4 「貓と暮らす家」堂々完成!
貓と暮らす家ができました!
まだ春淺いある日に私が降り立った駅は、つくばエクスプレス?流山おおたかの森駅。秋葉原駅から30分。思っていたより都內から近い印象です。
昨年、大和ハウス工業東京本社で設計プランを見せていただいてから約1年。この日を楽しみにしていました!そうです、今日は「貓と暮らす家が完成しました」との連絡を受け、見學にやってきたのです。

おぉ~。當たり前の話ですが設計図そのままの家が建っています!

寫真左から、石黒、チーム?ジーヴォのナビゲーター:小坂健太朗さん、ナビゲーター:山﨑千尋さん、デザイナー:田中琢也さん
Team-xevo(チーム?ジーヴォ※以下、チーム?ジーヴォ)の皆さんと練りに練って作った「貓と暮らす理想の家」。
これまでも『TRY家Lab(トライエラボ)』で、設計図を3D化し、実際の住まいにいるような體験をしたり、家のミニチュアも見せていただいたり。だから、なんとな~く完成型は想像できている私。「でも新築の家を見たら感動しちゃうだろうなぁ……」なんて考えながら、自分がここに引っ越してくるような気持ちで、駅から完成した家まで歩いてみました。通りは歩道も広く、自然が豊かな落ち著いた環境。
「流山おおたかの森」駅から徒歩14分のところで「あ!」見えてきましたよ!チーム?ジーヴォのみなさんが待っていてくださいました。
「こんにちは!石黒さんに早く見ていただきたくて、私たちも楽しみにしていました」と小坂さん。おぉ、嬉しいお言葉。期待が膨らみます。さっそく中に入ってみましょう。
玄関を入っての第一印象は、明るくて清潔感があるということ。

「玄関の壁は消臭効果のある建材を使いました」と田中さん。ペットと暮らしていると、ニオイには敏感になりますよね。玄関は家の顔、一番気をつけたいところですから、心くばりが嬉しいです

玄関の右側は、靴箱を兼ねた収納スペースになっていました。ここに貓トイレを置くことをイメージし、貓が自由に行き來できるようドアは短め(床よりも30センチほど上)に。※イメージとして貓のぬいぐるみを使っています
さて。玄関をあがり住居スペースに。ドアを開けると右手にリビングルーム、左手にダイニングルーム。ダイニングの奧にキッチン。リビングとダイニング、そしてキッチンと3つのスペースが見渡せます。

「わぁ、広い~!」。図面でイメージしていたよりもずっと広く感じます。リビングは南向き。吹き抜けで、天井が高く、窓も大きいので開放感があって気持ちいい!
貓の飼い主さんが喜ぶ仕掛けがいっぱい!
小坂さんの案內で、まずはリビングへ。あ、ありました!念願のキャットステップ!
寫真の右側に貓が歩ける幅(30cmくらい)の板を何枚も配置、自由に行き來できる仕組みです。これ、最初の打ち合わせのときに、私がリクエストしたのです「壁に、貓が登ったり降りたりできる階段のようなものを作りたい。そして、ソファに座って貓を眺めながらお酒を飲む『貓見酒』がしたいです!」。ひゃ~、夢が葉いました。


既にお気づきかと思いますが、ホンモノの貓さんも登場!わが家のコウハイにも似た(?)ムッシュくん(オス?1才/ノルウェージャンフォレストキャット)がスタンバイしてくれていました
ムッシュくんには貓目線でお家を見てもらいましょう。さっそく、ムッシュくんにキャットステップを試してもらったところ、トコトコ~と楽しそうに登ってくれました。板から板へ渡って、キャットステップは2階まで続きます。


2階の床と同じ高さに、リビングを囲むようにキャットウォークが。一部、透明なアクリル板になっていて、ソファに座って見上げると「そこに貓の肉球が見える!」という幸せ感が半端ない演出が
リビングの上を歩ける階段や貓用の道が縦橫にあり、天井が高く広さも十分。室內飼いの貓は運動不足になりがちとも聞きますが、これならそんな心配はいりません。貓タワーがなくても、高いところからリビング全體を眺めることができるので、貓はきっと満足するでしょう。

ソファの後ろの窓は幅がたっぷり。貓がくつろぎやすいスペースを確保しています。小坂さん「石黒さんのお宅にお邪魔したとき、コウハイがソファの上に座っていたので貓がくつろげる場所があるとよいなと思いまして」。ニャンと心憎い!

リビングとダイニングの間には、麻縄を巻き付けた四角い柱がありました。そう、貓の爪とぎ用の柱です。元気のいい貓は、この柱で木登りのトレーニングをするかもしれませんね
チーム?ジーヴォのみなさんがわが家に來てライフミーティングをしたときに「爪とぎやトイレ、水飲み場など、貓に必要なものやスペースをあらかじめ組み込んだ設計に」と話し合ったことが、このような形になったんですね。ダークチョコレート色の爪研ぎ柱が、白でまとめられた室內のアクセントになり、全體を引きしめてシックな雰囲気になりました。
キッチンまわりも快適な仕様に
キッチンはシンプルで機能的。調理臺のうしろにあるパントリーには、食器をしまったり、食料をストックしたりと棚が豊富です。その上、ふた付きのゴミ箱まで収納できるところが気に入りました(わが家の場合、コウハイにゴミ箱をひっくり返されるおそれがあります)。

キッチンは広くて開放的です。一緒にご飯を作って、その場で食べながらおしゃべりなんてこともできそう

パントリーも貓が入れないように引き戸になっています。ふた付きのゴミ箱と合わせて2重のブロック対策に

引き戸は半透明なので貓も人もお互いの気配を感じられます。閉めても閉塞感なしでしたよ

「洗面臺の下には貓のトイレも置けます」と山崎さん。確かにこの程よい狹さが貓を安心させてくれますね
キッチンの奧にある洗面室には、ペットを洗うときに重寶する洗面臺を設置。備え付けの板を敷けば、ブラッシングなど貓のお手入れをするスペースにも。
リビングに戻ろうとすると「石黒さん、網戸を見ていただけますか」と田中さん。そうでした、コウハイに何度も網戸を破られているわが家。「丈夫で、外の景色もよく見える網戸」が懸案だったのです。そして、それに応えるべく探してくださった網戸(の網)の素材がステンレス製になりました※。
※ステンレス製網戸は、1階キッチン、リビングの窓に設置されています。


網戸越しの視界もクリアです。これなら安心。田中さん、ありがとうございます!

ダイニングの脇には、貓用の食事スペースが。いっしょに食事も楽しめそう
2階にも貓のための工夫がいっぱい
「では、そろそろ2階へ」と思ったら、2階に上がる前にまたまた素晴らしいポイントがありました。階段の脇にある貓専用の水飲みスペースです。

水飲みスペースも「貓に必要なものやスペースをあらかじめ組み込んだ」発想から付けたそう。新鮮な水が好きな貓のために、蛇口からはちょろちょろと細く水が流れて。どうですか、ムッシュ君の満足そうな顔!

階段を數段上がったところで「ここ、見てください!」と小坂さん。振り返ると貓用の秘密のスペースがありました!
2階の書斎スペースからリビングのキャットウォークにつながる場所です。こんな小さなスペースは貓にとっては心をくすぐられる場所。コウハイだったら、好きなおやつをゆっくり食べたいときに、ここにやってくるかもしれません。

秘密の貓通路を出入口から見るとこんな感じ。ぬいぐるみの奧がリビングのキャットウォークにつながっています。寫真の左側が書斎スペースです

書斎スペースと通路を遮る扉も半透明に。集中して仕事をしたいときは、ここを閉めておけば貓は入ってもれません。でも存在だけは確認できる優しい設計です


ベットルームにも貓用のドアがついているので、貓が自由に出入りできます。また併設のウォークインクローゼットも広々で大満足!

「貓と暮らす家」。とにかく、人にとっても貓にとっても、嬉しい設計がたくさんありました。
貓のごはんスペースの橫にはフードを入れる棚があったり、トイレの橫にはトイレ砂をストックしておける棚があったり。貓用の小さなドアもあちこちに設置(ムッシュ君も自由に出入りしていました)。
玄関に使用されている消臭作用がある壁、リビング?キッチンの窓に設置されたステンレス製の丈夫な網戸など、建材ひとつひとつにもこだわり「人と貓の動線を考慮し、機能的に作られた家」になっています。溫もりがあり、リラックスできる雰囲気です。

案內をしていただく中で、小坂さんがおっしゃった言葉が心に殘りました。
「フローリングには植物性のワックスを塗りました。キズがつきにくい床材もありますが、質感などを考えて、あえて木の床の感觸がわかる仕様にしています。むしろ、貓の爪あとも家の味わいと考えていただきたくて」。
そう聞いて、貓のことを考え、貓好きの気持ちに寄り添った家づくりって、こういうことだな、と思ったのです。愛貓家は、貓が付けたキズさえも愛おしく思えるものだし、フローリングにワックスを塗るのも家への愛情ですから。
チーム?ジーヴォのみなさんと作った「貓と暮らす家」は、住む人と貓とともに、家も育ちます。貓の爪あともおおらかに受け止めながら、みんなでのびのびと心地よい日々を過ごしてほしいです。
「貓と暮らす家」について考えていらっしゃるみなさん、ぜひ參考にしてみてくださいね。そしてよかったら、一度見學に來てください。チーム?ジーヴォと私の、貓への愛と明日への希望が詰まった家を見てください。みなさんの貓との暮らしが、ますます楽しく愛にあふれた日々でありますように。

お世話になったチーム?ジーヴォの小坂さん、山﨑さん、田中さん、本當にありがとうございました。そして、特別出演のムッシュくんもありがとう!
- ※掲載の寫真は平成29年3月に撮影したものです。
- ※寫真內の家具?家電?備品等は価格に含まれません。
ねこのきもち編集室eye's
石黒さんとチーム?ジーヴォで考えた、貓と暮らす家が完成しました!こちらの家にはどんな方が住まわれるのでしょうか?警戒心が強い貓は、環境の変化に敏感です。貓にとってテリトリーを離れる引っ越しは、もっとも苦手な「変化」であると言えるでしょう。
『ねこのきもち』2017年4月號の特集『貓の新生活わが家の場合』では、苦手な変化への慣れさせ方を読者が実際に行ったアイデアを中心に紹介しました。この中でも挙げられていたのが、貓が落ち著ける空間を用意してあげること。貓が隠れられたり、1匹だけでくつろげる場所がある「貓と暮らす家」はスムーズに慣れることができる環境だと思います。

筆者プロフィール
石黒由紀子
エッセイスト
栃木県生まれ。日々の暮らしの中にある小さなしあわせを綴るほか、女性誌や愛犬誌、Webに、犬貓グッズ、本のリコメンドを執筆。楽しみは、散歩、旅、おいしいお酒とごはん、音楽。著書に『GOOD DOG BOOK ーゆるゆる犬暮らしー』(文藝春秋)、『なにせ好きなモノですから』(學研)、『さんぽ、しあわせ。』(マイナビ)など。
愛犬センパイ(メス?11才/柴)と愛貓コウハイ(オス?6才)、夫との2人と1頭、1匹暮らし。
※2017年3月現在の情報となります。
貓と暮らす家もつくりたい!