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      2010/10/01

      ニュースレター

      生物多様性の保全推進のため大和ハウスグループは「生物多様性宣言~人と自然が『共創共生』する社會へ~」を策定しました

       大和ハウス工業株式會社(本社:大阪市、社長:村上健治)および大和ハウスグループは、2010年10月18日から29日まで愛知県名古屋市で開催される「生物多様性條約第10回締約國會議(COP10)」に先立ち、自然が創り出した多様な生態系を保全するため、2010年10月1日、「生物多様性宣言~人と自然が『共創共生』する社會へ~」を策定しました。

       今回策定した宣言では、2005年制定の「大和ハウスグループ環境ビジョン」のもと、新たに生物多様性に関する「基本理念」と「行動指針」を定めるとともに、分譲地の開発や木材調達に関するガイドラインを設けました。
       今後、當社グループが開発する街づくりや、住宅建設等での資源調達を行う上では、生態系の保全に加え、健全な生態系が持続するよう生物多様性に配慮し、社會の持続可能な発展に貢獻していきます。

      ポイント

      1.住宅メーカー初の生物多様性の包括的な「基本理念」と「行動指針」を策定

      2.ガイドラインに則った街づくりと木材調達

      1.住宅メーカー初の生物多様性の包括的な「基本理念」と「行動指針」を策定

      当社グループは、住宅メーカーとしては初めて「生物多様性宣言~人と自然が『共創共生』する社会へ~」を策定し、これまで行ってきた自然環境の調和に配慮した活動をさらに一歩先へ進めるとともに、今後は、生態系との調和を図りながら、「基本理念」と「行動指針」に則った事業活動を推進していきます。

      ■「生物多様性宣言~人と自然が『共創共生』する社会へ~」

      ●基本理念

      私たちは、グローバル社会の一員として、生物多様性が生み出す自然の恵みを認識し、生態系に配慮した事業活動に努め、人と自然が『共創共生』する社会の持続可能な発展に貢献します。

      ●行動指針

      1.人と自然が共生する事業活動の推進

      自然の恵みの重要性を認識し、事業活動と自然の循環機能である大気・水・土・生物などとの調和を図ります。

      2.人と自然が共創する街づくりの提案

      建設時における生物多様性への影響を認識し、回避・低減に努めるとともに、生態系に配慮した街づくりの提案を行います。

      3.生態系に配慮した資源の利用

      生物多様性に関する法令遵守に留まらず、高い倫理観に基づき、サプライヤーと協働で、持続可能な資源の利用に努めます。

      4.研究開発による貢献

      グローバルな視点から、生物多様性保全に係わる研究開発を推進し、その成果を社会と共有します。

      5.ステークホルダーとの連携と対話

      地方公共団体やNGOなどのステークホルダーとの対話と連携により、事業活動と社会貢献活動の両面から生物多様性保全への取り組みの環を拡げます。

      2.ガイドラインに則った街づくりと木材調達

      当社では、生物多様性の「行動指針」をより具現化させるために、「開発・街づくり」と「木材調達」に関するガイドラインを設けました。そのガイドラインが適切に運用されているかを確認するため、チェックリストを作成し、どの程度生物多様性に配慮された事業活動であるかを評価し、レベルアップを図っていきます。

      ■生物多様性宣言と行動指針およびガイドラインの位置づけ

      (1)開発・街づくり編

      生物多様性の「行動指針」の「2.人と自然が共創する街づくりの提案」を実現するため、より具体的な配慮項目を示した生物多様性ガイドライン【開発・街づくり編】を制定しました。

      このガイドラインは、開発・街づくりを行う上での配慮項目を、企画・設計段階で4項目、施工・アフターサービス段階で2項目を設定し、この6つの項目に従って「チェックリスト」を全事業部門ごとに作成しました。このチェックリストを運用することで、生態系の維持・保全に努めていきます。

       

      ●生物多様性ガイドライン【開発・街づくり編】

      <企画・設計段階>

      ①自然環境のポテンシャルの把握

      敷地とその周辺を含む生物環境に関する立地特性を把握し、それに基づき、生物環境の保全と創出に係わる方針を示します。

      ②緑の保全・創出

      地域適合種を積極的に取り入れ、緑の量・質の確保に努めるとともに、野生小動物の生息域の確保やその植栽条件に配慮した緑地づくりを提案します。

      ③野生小動物の生息・生育環境への配慮

      野生小動物等の生息行動を促す緑地や水域を整備するなど、その生息・生育環境への配慮に努めます。

      ④生態系ネットワーク形成のための配慮

      生態系のつながりを重視し、生物の移動に配慮して、緑地配置や土地利用の連続性の確保に努めます。

       

      <施工・アフターサービス段階>

      ①工事中の影響の低減

      周辺に生息する動植物に配慮し、騒音・振動・排気などの影響の低減に努

      めます。

      ②維持管理面における配慮

      良好な生物環境を維持していくため、緑地の維持管理に必要な設備や管理方針を計画・提案します。

      ●チェックリストの例(CASBEEなどを参考に自社でチェックリストを作成)

      (2)木材調達編

      生物多様性「行動指針」の「3. 生態系に配慮した資源の利用」を実現するため、認証木材・再生木材・当社推奨木材を定め、これらの木材を積極的に当社のサプライヤーから調達します。

      当社は2009年度 約25万m3(戸建住宅、賃貸住宅、マンションの家具・造作での使用を除いた概算)の木材使用があり、今後は独自基準に沿った木材調達により、生物多様性の維持・保全に努めていきます。

       

      生物多様性ガイドライン【木材調達編】

      <調達する木材>

      ①認証木材

      FSC(森林管理協議会)、PEFC(PEFC森林認証プログラム)、SGEC(「緑の循環」認証会議)等より認証を受けている木材を調達します。

      ②再生木材

      建設廃材のリサイクル木材(パーティクルボード(※1)など)を調達します。

      ③当社推奨木材

      認証木材、再生木材に該当しない木材のうち、下のチェック項目をもとに、合法性と持続可能性を確認し、一定レベル以上と判断された木材を調達します。

       

      【チェック項目】

      1)合法性の確認

      (a) 供給源が明らかであること(原木供給地までのトレーサビリティー)

      (b) 伐採権のあることが確認できること

      (c) 森林に関する法令およびその他関連規則が遵守されていること

      2)持続可能性の確認

      以下の8項目について総合的に持続可能性を判断します。

      (a) 伐採した木材が絶滅危惧種でないこと

      (b) 伐採方法が天然林の大伐採でないこと

      (c) 伐採地および周辺エリアの絶滅危惧種の保全に配慮されていること

      (d) 紛争地産の木材でないこと

      (e) 産地政府の法的労働諸条件を満たしていること

      (f) 森林備蓄量が維持可能なこと

      (伐採後も区域内の森林が再生可能なこと)

      (g) 日本の国産木材

      (h) 利用可能になるまでの時間が短い早生木材

      1.木材のチップに接着剤を加え、一定の面積と厚さに熱を加え成形してできた板状の製品。

      3.これまでの生物多様性に対する取り組み

      (1)せんだい宮の杜(分譲住宅地)

      宮城県仙台市の当社分譲住宅地「せんだい宮の杜」では、既存樹木の保全や「緑の尾根」・フェアウッド(※2)を利用したベンチ等を設置。あわせて植栽管理規約を街全体で制定し、現在も生物多様性の保全に努めています。

      2.環境面からも社会的側面からも持続可能な管理がなされている森林から作った木材や古材や廃材を再利用した木製品。

      ●既存樹木の保全

      ●緑の尾根・フェアウッド材の活用

      (2)社会貢献活動での生物多様性に対する取り組み

      ●吉野山の桜を保護する活動

      2008年度より、財団法人吉野山保勝会や地元の高校生とともに、奈良県吉野山に群生している桜(ヤマザクラ)を保護するため、植樹や種植えなどの活動を行っています。

      ●琵琶湖の生態系を守る「外来魚駆除釣り大会」の開催

      2009年度より、民間企業としては初めて滋賀県が取り組む琵琶湖の生態系を守る「外来魚駆除釣り大会」に参加しています。

      地元漁師の方々とともに、外来魚(ブルーギル・ブラックバス)を釣って駆除し、在来種の保護に努めています。

      以上


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