2013/07/31
ニュースレター
大和ハウス工業株式會社
代表取締役社長 大野 直竹
大阪市北區梅田3-3-5
2020年までに環境負荷「0(ゼロ)」を目指すスマートエコプロジェクト第七弾
竜ヶ崎工場を次世代環境配慮型工場
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大和ハウス工業株式會社(本社:大阪市、社長:大野直竹)は、2013年8月1日、當社戸建住宅?賃貸住宅の生産工場である竜ヶ崎工場(茨城県龍ケ崎市)の一部(第2工區)を、次世代環境配慮型工場「D’s SMART FACTORY(ディーズ スマート ファクトリー)」に建替え、2014年3月に操業を開始します。今後は竜ヶ崎工場內の他工區の建替えも順次進めていく予定です。
當社では、「地球に優しく、人に優しい生産活動」をスローガンに、全國10工場で工業化住宅および建築用鉄骨部材、システム建築部材の生産を行っています。 竜ヶ崎工場は、首都圏の工業化住宅量産工場として、1968年11月に操業を開始しました。現在、1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、茨城県)向けの戸建住宅?賃貸住宅用部材の生産、出荷を行っています。 今回、當社では東日本大震災を受け、全國10工場の防災性の検証を行いました。その中で、竜ヶ崎工場については、建設から半世紀経過したことを考慮し、今後発生しうる大規模地震等の自然災害に備えて、防災性を高めるため、また將來を見據えた生産體制の強化を図るために操業しながら順次、建替えることを決定しました。工場建替えは2013年2月の奈良工場に次いで2ヶ所目となります。 建替えにあたっては、當社が開発?提案を進める次世代環境配慮型工場「D’s SMART FACTORY」の技術を採用します。
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1.パッシブ?アクティブコントロールとスマートマネジメントを駆使した次世代環境配慮型工場 工場棟では、自然の力を活かす「パッシブコントロール」や創エネ?省エネを行う「アクティブコントロール」、それらを適正に制御する「スマートマネジメント」を組み合わせることにより、當社従來建築と比較して照明エネルギーを最大88%以上(※1)削減できます。また、建築物総合環境性能評価システム「CASBEE新築2010年版」の「Aランク」となりました。 ※1.省エネ法上の照明エネルギーの削減率。 |
■パッシブコントロール (1)「日射調整フィルム」を採用した越屋根による自然エネルギー利用 工場屋根には、採光のための越屋根(※2)を設け、工場內に自然光を取り込み、晝間の照明電力を削減します。この越屋根の窓部には、明るさは確保しつつも、直射光を屈折させ、紫外線などの有害光線もカットする「日射調整フィルム」を採用しました。 ※2.採光?換気?煙出しなどのため、屋根の上に、棟をまたいで一段高く設けた小屋根。 |
(2)工場內作業者の労働環境改善のための設備を導入 夏場の工場內は、屋根からの輻射熱により熱中癥などにかかりやすい狀況となります。そこで、工場內作業者の労働環境改善のため、グラスウール斷熱材を充填した2重折板屋根により、屋根からの太陽熱日射エネルギーを遮熱し、工場內の熱ごもりを防ぎます。 さらに、工場棟內の日射負荷をシミュレーションし、日射による溫度上昇への配慮とともに、部材の積みおろしの雨濡れ防止のために建物外周部に6mの大庇を採用しました。 屋根斷熱や日射遮蔽の工夫により、舊工場と比べて約2℃程度、溫度上昇を抑制する効果があります。 |
■アクティブコントロール (1)高効率反射板と高効率ランプの組み合わせによる消費電力の削減 工場內には、一般企業?官公庁向けに當社が販売している高効率反射板照明器具「reFboFactory(レフボファクトリー)」を導入します。高効率反射板と高効率ランプとの組み合わせにより、従來の水銀燈の高天井用照明と比べ、消費電力を約88%(※3)、年間CO2排出量を約800t削減(※3)することができます。 ※3.水銀燈700Wとセラミックメタルハライドランプ360Wの比較。器具臺數216臺、室面積23,173.3㎡、器具取付高さ8m、年間點燈時間3,750時間/年、CO2排出係數0.55kg- CO2/kWhの條件で換算した場合。條件等によって異なる場合があります。
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(2)気化熱を利用した涼風裝置を設置 工場內ではパッシブコントロールによる自然換気に加えて、水の気化放熱を利用した気化式冷卻ファンを設置します。 気化式冷卻ファンは、20~30μmの微細な霧をファンで噴霧し気化させることにより、工場內の溫度を下げる効果があります。パッシブコントロールとアクティブコントロールによる熱ごもり対策により、舊工場と比べて約5℃程度、溫度を下げる効果があります。 また、エアコンと違い、コンプレッサーを使用しないため、排熱も発生しません。 |
■スマートマネジメント (1)生産設備?建築設備の両面で“見える化”“見せる化”を推進 竜ヶ崎工場では、工場內の生産設備のエネルギーを測定し、総合的にマネジメントする「スマートマネジメント」を導入します。 生産設備面では、FEMS(※4)を利用してエネルギーを“見える化?見せる化”することで、工場全體の最適制御を行います。 また、自主的な省エネ活動の支援や、社外に環境負荷低減の取り組みをアピールできるエネルギーの“見せる化”も行い、環境負荷低減に努めていきます。 ※4.Factory Energy Management Systemの略で、工場の設備機器等の運転管理によってエネルギー消費量を計測し、エネルギーの削減を図るためのシステム。
(2)エネルギー計測?デマンド制御?異常検知?場內監視を行い、全體最適を図る 今回、竜ヶ崎工場では太陽光発電システムの発電量や売電?買電狀況の把握はもとより、一部の生産設備や自家発電機等のデマンド制御、さらに主要設備、漏電、熱中癥暑さ指數(WBGT)?風?雨?排水溝の水位?日射?溫濕度等の計測などの異常検知を行います。 これらを1つのサーバーで管理し、分析していくことで、エネルギーだけでなく、防災面での監視強化を行い、工場全體の最適化を図ります。 |
2.工場屋根上に太陽光発電システム800kWを設置し、全量売電事業を実施 竜ヶ崎工場では、東日本大震災後の電力供給不足への対応と低炭素社會の実現を見據え、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(※5)を利用した売電事業に取り組みます。 當社が工場の屋根上に、発電容量約800Wとなる多結晶型の太陽光発電パネルを3,290枚敷設し、大和ハウスグループの大和エネルギー株式會社にメガソーラーを賃貸します。大和エネルギーは、発電事業者として日中発電した全電力を電力會社へ売電するとともに、メガソーラーの運営管理を行います。 當工場の予定発電量は、年間約80萬kWhです。家庭の一世帯あたりの全消費電力量を4,734kWh/年(※6)とした場合、約170世帯分の電力量に相當します。太陽光発電事業の年間売電売上は約3,200萬円を見込んでいます。 ※5.2012年7月1日施行の再生可能エネルギー特別措置法による全量固定買取制度のこと。 ※6.経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ」より。
3.BCP対策として、工場內に160kWの自家発電機を導入 竜ヶ崎工場では、災害が発生した際、生産活動を早期に復舊させるための対応策として、工場に、軽油で発電する160kWの自家発電機を設置します。 非常用電源の確保により、工場內では非常用照明等に電力を充當し、事業活動が継続できるようにします。事務所內では一部のパソコンや照明の電力に充當します。 |
■「Smart-Eco Project(スマートエコプロジェクト)」
■建物概要(第2區)
■竜ヶ崎工場の概要
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以上