1000年以上守り続けた景色を
未來(lái)へ

座談會(huì)

※所屬?役職は取材當(dāng)時(shí)のものです

行動(dòng)に向けた取り組みが始まる

石﨑：大和ハウスグループは、創(chuàng)業(yè)100周年にあたる2055年に実現(xiàn)したい“將來(lái)の夢(mèng)”（パーパス）として、「生きる歓びを分かち合える世界の実現(xiàn)に向けて、再生と循環(huán)の社會(huì)インフラと生活文化を創(chuàng)造する」ことを掲げ、動(dòng)き出しました。
この1年は、全國(guó)の事業(yè)所を回って“將來(lái)の夢(mèng)”に込めた想いなどを説明してまいりました。2022年の10月頃からは、“將來(lái)の夢(mèng)”に共感して行動(dòng)を起こしてもらうよう働きかけを行っています。従業(yè)員も、少しずつ変化を感じているようです。最初は懐疑的な意見(jiàn)もありました。しかし、世代の壁、上司?部下の立場(chǎng)を超えていろいろな方と対話することで、“將來(lái)の夢(mèng)”は単なる理想ではなく、「私たちが果たさなければならない使命である」という意識(shí)が芽生え始めています。

宮川：事業(yè)所ごとでの行動(dòng)も始まりましたね。

石﨑：ええ、地域の未來(lái)を描く「ミライマチ宣言」を各事業(yè)所?工場(chǎng)の従業(yè)員の対話を通じて策定してもらいました。自分たちが根差すマチの未來(lái)にはどんな景色が広がっているのかを考えることは、「生きる歓びを分かち合える」に直結(jié)します。この宣言で、目指す地域の姿を明確にし、実際の取り組みとリンクしていければと考えています。

宮川：吉野の桜を守る活動(dòng)も「目指す地域の姿」につながっています。

石﨑：そうですね。桜の保全活動(dòng)は、人財(cái)育成や組織風(fēng)土の醸成と共通するものがあると感じています。

宮川：では、吉野山保勝會(huì)について教えていただけますか？

車(chē)田：吉野山はヤマザクラを中心に約200種3萬(wàn)本の桜が群生し、世界遺産と國(guó)立公園に指定されている極めて珍しい自然遺産です。1000年以上も昔から吉野山では蔵王権現(xiàn)さまの御神木として桜が獻(xiàn)木され、地域住民で大切に保全してきました。そして、その桜の保全と文化的景観の保護(hù)を目的に1916年（大正5年）に吉野山保勝會(huì)が発足し、「吉野山を守っていく」という使命のもと、保全活動(dòng)を続けています。メンバーは地元の人が大半で、理事10名、評(píng)議員14名、桜守3名、事務(wù)2名の29名。3萬(wàn)本の桜を、3人の桜守を中心に皆で守っています。

桜を育てるために土を育てる

宮川：私たちも土壌改良をお手伝いしました。

龍見(jiàn)：土に炭を混ぜて、土の通気性や吸水性を改良したんですよね。枯れ木を混ぜる、土を掘り返すなど、土の中の微生物を活性化させる土壌改良を行ってから約8年、土を育て続けたエリアには変化が現(xiàn)れています。まず、いろいろな種類(lèi)の草が生えるようになりました。シダ植物やワラビも見(jiàn)られます。モグラの穴も増えました。さまざまな草木が生え、生き物が増える。土が健康で、生物多様性のある場(chǎng)所で育つ桜は、他のエリアと比べて成長(zhǎng)が早くて幹が太い。やはり、土が大切なんだとよく分かりました。

花咲く5日間のための360日

宮川：土を育てるだけでなく、種から苗木も育てているんですよね。

龍見(jiàn)：桜の木は年を重ねれば衰えますし、自然災(zāi)害で倒れてしまうこともありますからね。

車(chē)田：二十?dāng)?shù)年前の臺(tái)風(fēng)では數(shù)百本も倒れました。

龍見(jiàn)：數(shù)年前の臺(tái)風(fēng)でも桜の大木が倒れましたが、もう手の施しようがない。それより大事なのは、倒れたり衰えたりした桜をどうカバーするか、ということです。そうなったときにいつでも元?dú)荬蕳@に植え替えられるよう、土を育て、苗木を育成することが、吉野山の桜を保全することにつながると信じています。
昔は、他の地域で育てた苗木を植樹(shù)していましたが、今は桜の苗木を育成する畑として吉野山に「桜育成園」を作り、自分たちで種から育てています。サクランボを拾って、発芽させ、ある程度の大きさになったら山に還す。種を數(shù)千個(gè)植えて、芽が1本しか出なかった年もあれば、1000本近く芽が出た年もありますが、それでも毎年変わらず一連の活動(dòng)を繰り返しています。

車(chē)田：桜が咲いている期間は5日間ぐらい。殘りの360日は桜を咲かすために頑張っているというわけです。

宮川：そのうち私たちがお手伝いできることはごくわずかですが、大和ハウスグループの従業(yè)員は年６回、ボランティアとして保全活動(dòng)に參加しています。家族連れや何度も參加される方、ここでのご縁をきっかけに一緒に山登りに出かけられる方々もいて、新しいコミュニティが生まれて広がっています。參加しているOBの方から、創(chuàng)業(yè)者の話を聞ける貴重な機(jī)會(huì)にもなっていますし、何よりも自分たちが種から育てた桜が大きくなり、春になったらどんな桜を咲かせてくれるのかが楽しみなんです。

將來(lái)に向けて土壌と組織を変えていく

石﨑：土を改良されたように、常に新しいことを試さないといけない點(diǎn)は企業(yè)も同じです。當(dāng)社で昨年実施したエンゲージメントサーベイからは、従業(yè)員の半數(shù)以上が「世の中の役に立ちたい」という想いを抱えていることが分かり、大きな気づきを得ました。
そこで取り組んでいるのが、先に述べた「ミライマチ宣言」です。地域密著型で長(zhǎng)期にわたって寄り添い共創(chuàng)共生で価値を創(chuàng)出する力を発揮することで、共感していただける仲間が増え、地域課題の解決に向けた新しいビジネスやイノベーションが生まれると期待しています。そのためにも職場(chǎng)環(huán)境をより良い狀態(tài)に変え、働きがいを醸成するための知恵を絞らなくてはいけません。さまざまなことを試し、さまざまな人が多様な価値観を持ち寄らないと、會(huì)社は良い狀態(tài)にならないのです。次の母樹(shù)となる企業(yè)のリーダーもしっかりと育成していかなければなりません。

車(chē)田：私たちも、後継者の育成が喫緊の課題だと考えています。桜を育てていくには、桜の世話をする人も育てなくては。

龍見(jiàn)：保勝會(huì)の存続に向けた若手メンバーの育成、そして桜守の育成。この人財(cái)育成が最も大事です。この地域は若い人が少ないのですが、なるべく早く次の擔(dān)い手を見(jiàn)つけたい。現(xiàn)在、桜守は3人いて、1人は吉野出身ですが、あとの2人は桜が好きで吉野の桜を守りたいという想いで來(lái)てくれた子たちです。そんな彼らもいずれは歳を取る。そこで次の桜守をどのタイミングで採(cǎi)用し、育てるかを検討しています。基本的な技術(shù)を持つ人を採(cǎi)用しても、桜守として一人前になるには時(shí)間がかかる。人を雇うには費(fèi)用もかかりますから、時(shí)期の見(jiàn)極めは難しいところです。

車(chē)田：「世界に誇れる日本?吉野の桜にする」。これが私たちの夢(mèng)です。そのためにも少しずつでも桜を増やしていきたい。何年かかるか分かりませんが、続けることに意味があります。さらに、大和ハウスさんと一緒に活動(dòng)することで知識(shí)も身に付き、新しい取り組みも考えるようになりました。これからも日本一、世界一の桜を目指して、大和ハウスさんと共に歩ませていただきたいと思います。

石﨑：お互いに刺激し合いながら、桜の保全活動(dòng)を大きくしていけたらいいですよね。人財(cái)についても同感です。當(dāng)社の創(chuàng)業(yè)者である石橋信夫は「事業(yè)を通じて人を育てる」と言いました。人こそが一番大切という考え方によるものです。変化の激しい今、人財(cái)はますます重要になります。大和ハウスグループらしさも失わないようにしながら、未來(lái)に向けて一人ひとりが活躍できる環(huán)境や組織を作っていきます。
“將來(lái)の夢(mèng)”を?qū)g現(xiàn)するための組織変容と、“桜”を育成するための土壌改良は、フィールドが違うだけでやっていることは同じではないでしょうか。皆がさまざまな個(gè)性を発揮して活躍し、さまざまな花を咲かせる。これは體感しないと分からないことで、私自身も桜の保全活動(dòng)を體験したことで気づきました。
“將來(lái)の夢(mèng)”への取り組みはまだ始まったばかりで長(zhǎng)期的に取り組むべきものです。そして吉野の桜が満開(kāi)に咲き誇るように、“將來(lái)の夢(mèng)”で掲げている「人が生きる歓びを分かち合える世界」が広がっている景色となるよう、私も盡力してまいります。