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2024年3月にリニューアルしました。
連載:みんなの未來マップ
2025.1.31
三宅さんのロングインタビューはこちら
最近、いつ本読んだ?三宅香帆さんが提唱する「半身」で働くウェルビーイングな生き方
詳細を見る著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が23萬部を突破し、話題を呼んでいる文蕓評論家の三宅香帆さん。働くと文化的な生活に割く時間が少なくなってしまう社會の現狀を指摘し、「全身全霊をやめて、半身で働こう」と書いています。
提唱するのは、仕事だけに沒頭し、好きなことも忘れてしまう働き方ではなく、自分の感情を大切に、人生そのものを優先する生き方です。「半身」が當たり前の社會になれば、育児や介護と仕事の両立、労働人口の減少といった、さまざまな課題も解決に向かうのではないか、と語ります。三宅さんが目指したい未來について聞きました。
三宅さんは『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で、明治時代から現在に至るまでの話題書をたどり、労働と読書の歴史を紐解いています?!溉砣憽工蝺Pき方が是とされた高度経済成長期から、バブル崩壊を経て、日本の労働環境も生活も変化してきました。この先の社會にどんな願いを持っていますか?
分斷と格差が今以上に広がらないでほしいと思います。かつて日本は1億総中流社會といわれましたが、そこから経済格差も拡大しましたし、立場が違うとわかり合えないという感覚が広がっている。それがこの先の未來で改善されていくことを望みます。
そのために、一人ひとりができることは何でしょうか。
分斷を生まないために、本は役立ちます。自分と違う立場や、異なる価値観の人に出會った時も、物語の登場人物に當てはめたりすることで、少し気持ちが想像できたりする。異國についても、その國の本を読んだことがあればイメージが膨らみますよね。もちろん想像は想像に過ぎないわけですが、やみくもに『自分とは違う』と遮斷せずにいられると思います。
毎日1冊は本を読むそうですが、最近読んだ本ではどんな本が印象に殘っていますか?
『日本社會のしくみ』(小熊英二著)という本です。この本は、働き方や保険制度など、日本社會の仕組みを諸外國と比較して解説しています。これを読むと、日本獨自の慣習や歴史があって今の社會が成り立っていて、日本の當たり前が世界の當たり前ではないことがよくわかるんです。
そう考えると、日本で「當たり前だから仕方ない」と受け入れている習慣も、変えられるのかもしれませんね。
はい。働き方に関していえば、日本で過ごしていると、長時間働かないと成果が出ないと思ってしまいがちですよね。でもそれは世界の當たり前ではありません。私は大學生の時、イギリスに留學していたのですが、有名メーカーに勤務しているホームステイ先のお父さんが夕方5時くらいにはもう帰宅していたんです。
一方私自身、會社員時代には殘業や休日出勤をすることもありました。でも、これだけITや技術が進歩しているのに、働き方が変わらないのはちょっとおかしい。海外の働き方が素晴らしいと言いたいわけではなくて、私たちの「當たり前」は、意外とそうではないと気づいてほしいんです。
長時間労働のような「全身全霊」の働き方は変わりつつあると思いますか?
自分より若い世代と話すと、働き方に関する感覚の違いに気づくこともあります。そもそも彼らの中では會社への"信頼"のようなものは少しずつ減っているように思いますし、転職も當たり前。會社を唯一の拠りどころにはしていません。また、今以上に働く女性が増えるなど、いろいろな立場の人が會社に入ることで、「全身全霊」を手放し「半身」で多様な働き方が浸透していくのではないでしょうか。
AIの進化が著しい今、働き方への影響も注視されています。三宅さん自身はどう捉えていますか?
テクノロジーが発達しても、人間の感情や姿勢はあまり変わらないと私は思っています。インターネットが誕生してコミュニケーションが手紙からメールに変わっても、失禮なことをされたら怒るなど、そういう感情の部分は変わっていません。また、「言葉」には意味があり、好きなことや、やりたいことを言語化すると、大きなパワーになると思っています。書き手として、感情や感覚と向き合っていきたいですね。
文蕓評論家。1994年、高知県生まれ。京都大學大學院人間?環境學研究科博士前期課程修了。大學院在學中から文蕓評論家として活動し、2017年に『人生を狂わず名著50』を出版後、大手人材會社に就職し兼業作家となる。『文蕓オタクの私が教える バズる文章教室』『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』などを執筆した後、2022年に獨立。2024年発売の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』は、23萬部を超えるベストセラーに(2024年11月時點)。
大和ハウスグループも「生きる歓びを、分かち合える世界」の実現に向け、様々な取り組みを進めていきます。
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