
サステナブルな街 特集
神山町に見(jiàn)る地域再生の秘訣【後編】
~サテライトオフィスの創(chuàng)造的ワークスタイル~
神山町(徳島県)
2016.08.30
仕事と子育てや介護(hù)の両立をする人が増える中で、場(chǎng)所や時(shí)間にとらわれない柔軟な働き方が求められています。そんな中、地域再生のさまざまな仕掛けをして注目されている徳島県神山町には、「サテライトオフィス」という形で新たな働き方の選択肢を用意し、仕事の質(zhì)や生産性アップを?qū)g現(xiàn)している會(huì)社があります。
それが、テレビ番組情報(bào)を放送局に配信する事業(yè)を手がける、「株式會(huì)社プラットイーズ」です。創(chuàng)業(yè)者である隅田徹氏は、「神山町のゆるやかさが、クリエイティブな仕事に合っていた」と語(yǔ)ります。
過(guò)疎化からビジネスの町へと変貌しつつある神山町の魅力と、サテライトオフィスの効果について、隅田氏に話を伺いました。

隅田 徹 さん
株式會(huì)社プラットイーズ取締役會(huì)長(zhǎng)、株式會(huì)社えんがわ代表取締役社長(zhǎng)
2013年、神山町に株式會(huì)社プラットイーズのサテライトオフィスとして「えんがわオフィス」を開(kāi)設(shè)。同年、株式會(huì)社えんがわを設(shè)立し、4Kコンテンツの配信等に関する新事業(yè)に取り組む。2015年6月より神山町で宿泊業(yè)を開(kāi)始する。
築90年、四方に縁側(cè)が広がる古民家の壁面をガラス張りに改裝したオフィス、それが、東京都渋谷區(qū)に本社を構(gòu)える株式會(huì)社プラットイーズのサテライトオフィス「えんがわ」です。
株式會(huì)社プラットイーズは、テレビ番組情報(bào)を放送局に配信する事業(yè)を手がける會(huì)社。さらにここではスーパーハイビジョン4K、8Kのデジタルアーカイブ事業(yè)を手がける「株式會(huì)社えんがわ」も設(shè)立されています。
「災(zāi)害が起きた時(shí)、1カ所に集約していると事業(yè)を継続することが危うくなると感じました。大手放送局と取引があるので、そのような事態(tài)は避けたい。東京オフィスが被災(zāi)しても拠點(diǎn)を分散しておけば業(yè)務(wù)が続けられると思い、拠點(diǎn)を探していました。九州から北海道まで20カ所ほど回って、最後に訪れたのが神山町でした。空き家誘致をしているNPO法人グリーンバレー理事長(zhǎng)の大南信也さんと話をして、ここしかないと思ったのです」(隅田氏)。

決斷した理由は”ゆるやかな空気”だと隅田さんは笑います。

手前敷地內(nèi)に新設(shè)したデータを管理する「アーカイブ棟」。蔵や古民家と馴染むようなデザインを採(cǎi)用した。奧の蔵もオフィスとしてリノベーションしている。
企業(yè)誘致を行っている自治體はどこも「來(lái)てください、これだけの優(yōu)遇條件があります」と積極的。それに比べて神山町の大南さんは「やってみるとええんちゃう。何か手伝えることもあるかもしれないしな」と寛容だったと語(yǔ)ります。
「大南さんの価値判斷が”面白い”を基準(zhǔn)にして、どんどん実行していくところにすっかりはまってしまったんですね。クリエイティブな仕事をしている私たちに取って、この雰囲気はとても大事なのです。お固い真面目な雰囲気では、良いコンテンツがつくれないし、面白いことやってみようという會(huì)社は町になかなか受け入れられない。神山町ならクリエイティブな仕事ができるんじゃないか、と思えました」(隅田氏)。
株式會(huì)社プラットイーズ/株式會(huì)社えんがわでは、地元での雇用にも結(jié)びつき、2013年に開(kāi)設(shè)して以來(lái)、20人の社員を採(cǎi)用。うち6人が神山町出身で、11人が徳島県の他市出身。神山町にとっては、新たに雇用を生み出す思いもかけない大収穫となったのです。
「ここでは、地元出身の社員のほかに、東京の社員が2?3人のチームで來(lái)て、1週間ずつ滯在して東京に戻ります。今では、神山町出張に自らすすんで手を挙げる社員が多く、待ちの狀態(tài)になってしまうほど。仕事は各部署からの混成で2~5人體制のプロジェクト。アイデアを出し企畫を詰めていくものが多く、神山町オフィスができてから、クリエイティブ力と生産性がアップしました。環(huán)境を変えることはとても大切なことですね」(隅田氏)。
ここに來(lái)ると、オフィスの2階で合宿形式の寢泊りをし、朝から晩まで一緒に過(guò)ごすそうです。

1階の仕事場(chǎng)の様子

2階では、サテライトオフィスにきた社員が寢泊まりをするほか、大きなプロジェクターが用意され、東京オフィスとのテレビ會(huì)議が行われることも。
「仕事と暮らしが連動(dòng)しているので、ふとした瞬間に出た良いアイデアをすぐに共有できます。皆の気が乗ってくればそれは最高の仕事時(shí)間になるんです。社員もイキイキしてきて、良い仕事ができてくるから會(huì)社としても高価値を創(chuàng)造できます。會(huì)社も社員もお互いにとってプラスの効果を生むのです」(隅田氏)。
ただし、こういう働き方が合わない人もいると隅田さんは言います。
「サテライトオフィスは80%程度の人には適応すると思います。一方で、合わない社員もいるのです。株式會(huì)社プラットイーズでも、テレワーク、東京オフィス、出張タイプ、子育て在宅勤務(wù)と、いろいろな働き方を選べるようにしています。會(huì)社側(cè)としては、適材適所を見(jiàn)極めてスタッフに合った?jī)Pき方を用意していくことも、企業(yè)として大切なことではないでしょうか」(隅田氏)。

近くの田んぼを借りて米作りも行っている。これも業(yè)務(wù)の一環(huán)で、就業(yè)時(shí)間に田植えや稲刈りをする。
神山町にオフィスを構(gòu)えて一番はまってしまったのは、隅田さん本人です。自宅を神山に移し、1カ月に一度東京のオフィスに行く以外は、神山町で過(guò)ごします。
「サテライトオフィスは環(huán)境を変えて、クリエイティブに仕事をするのにとても良い。もっと多くの人、企業(yè)に実踐してほしいと思っています。そこで、新たにここ神山町で會(huì)社を設(shè)立し、サテライトオフィスでの働き方を簡(jiǎn)単に體験することができる宿をオープンすることになりました。オープンは2015年6月で、企業(yè)や個(gè)人が気軽に研修を行えて、地域とも交流できる場(chǎng)所にしたいです」(隅田氏)。
宿には、古民家をリノベーションした食堂が併設(shè)され、地域の人とも交流できる仕掛けを取り入れる予定。場(chǎng)所は、元縫製工場(chǎng)を改修したコワーキングスペース「神山バレー?サテライトオフィス?コンプレックス」の目の前です。コンセプトは「いつもの仕事を、違う場(chǎng)所で」。神山町にまた新しい風(fēng)が吹き込んできそうです。

リノベーション中の古民家。ここが食堂になる予定。
