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      コラム vol.240-6
      • 土地活用法律コラム

      土地活用?不動産投資におけるトラブル第6回 賃料不払いを原因とする解除に関するトラブル

      公開日:2018/08/30

      POINT!

      ?建物賃貸借などの継続的契約関係においては、債務(wù)不履行があっても、信頼関係破壊の法理が考慮される

      ?契約解除の際、経済合理性を考え、賃借人に対して一定の譲歩案の提示も検討する

      前回のコラムでは、賃貸住宅の建替え等に伴い賃借人に退去してもらう場合の中途解約や更新拒絶の問題を取り上げました。最終回となる今回のコラムでは、賃料不払いを続ける賃借人を退去させるために、賃貸借契約を解除する場合のトラブルとその対処法について説明したいと思います。
      賃貸住宅を経営されるオーナー様にとっては、確実に賃料を回収することが極めて重要なことであり、仮に賃料滯納が生じたような場合には、直ちに督促等をかけることにより、賃料滯納を解消させ、正常化させることが必要です。しかし、殘念ながら中には滯納が長期化し、更には完全に賃料支払いがストップしてしまうような事態(tài)が起こりえます。このような場合に、より確実に賃料不払いによる解除を行うためには、賃料滯納が起こり始めた初動からが重要で、一刻も早く賃貸借契約の解除のアクションを起こさなければいけません。 

      1.賃貸借契約における債務(wù)不履行解除

      賃貸借契約においては、賃借人は賃貸人に対して賃料支払義務(wù)を負(fù)っており、このような義務(wù)を、一般的に債務(wù)と言います。例えば、売買契約では、売主は目的物を買主に引き渡す旨の債務(wù)を負(fù)い、買主は売主に売買代金を支払う旨の債務(wù)を負(fù)っています。このような契約上の債務(wù)を?qū)g行しないことを債務(wù)不履行といいます。民法では、契約関係において債務(wù)不履行をした當(dāng)事者に対して、催告をしてもなお履行されない場合には、契約を解除することができると定められています。
      そして、このような契約解除権は、継続的な契約関係である賃貸借契約においても適用され、例えば、賃借人が賃料の支払いを怠った場合には、債務(wù)不履行が存するとして契約解除を行うことができます。
      しかしながら、建物賃貸借のような継続的契約関係においては、裁判実務(wù)上、上記原則が修正され、単に債務(wù)不履行の事実があるだけではなく、契約當(dāng)事者間の信頼関係が破壊されたといえるような事情が求められます。このような考え方を、信頼関係破壊の法理といいます。そのため、例えば、一般的な賃貸借契約書において、賃借人が1カ月分の賃料支払いを怠った場合、賃貸人において契約解除を行うことができると定めた契約書が存在していても、信頼関係破壊の法理により、法的には直ちに契約書の文言通り解除できるものではありません。

      2.信頼関係破壊の法理

      信頼関係破壊の理論とは、信頼関係が破壊されるような背信行為と認(rèn)められるような事情が存しない場合には、債務(wù)不履行解除を認(rèn)めないとする考え方です。信頼関係を破壊するような事情が存しないことは、契約解除の効力を爭う賃借人側(cè)が立証責(zé)任を負(fù)うべきものですが、賃貸人においては、信頼関係が破壊されたといえる事情を積極的に検討していく必要があります。それでは、賃料不払いの問題において、具體的にどのような事情があれば、信頼関係が破壊されたといえるのでしょうか。
      滯納額、滯納に至る経緯、滯納の頻度、賃料の支払意思、目的物の利用狀況、その他の債務(wù)不履行の有無、滯納後の交渉経過、保全狀況等の事情を総合考慮して判斷することになりますが、一般的な相場感として3カ月分の賃料滯納があれば、信頼関係の破壊が肯定される傾向があるようです。
      もっとも、それまでに繰り返し滯納をしていた事実や、看過し難い事実があったり、一切賃料の支払いを行わないことを賃借人が明確にしているような場合には、もはや信頼関係が破壊していると言えるので、このような場合には、賃料滯納額が3カ月分になることを待つ必要はなく、直ちに契約解除を行うことができます。

      3.催告の要否

      賃料不払いを理由とする債務(wù)不履行解除においては、その前提として催告を行うことが必要となり、仮に賃貸借契約書の中で、解除において催告を不要とする特約があったとしても、このルールは変わらないのが原則です。ただし、賃借人が一切賃料を支払わないことを明確にしているような事情がある場合などは、もはや催告をしても意味がないので、催告を省略することができます。
      ただし、実務(wù)的には、仮に催告をしたとしても、契約解除のタイミングが若干遅れるだけですので、特別の事情がない限り、原則通り、賃借人に対して催告をした方が無難といえます。

      4.実務(wù)的な対応

      賃借人の賃料の支払いが滯りがちになってきたりした場合、管理會社と連攜して、速やかに催告をするようにして下さい。過去にも賃料滯納の事実があるような場合には、過去の滯納狀況や、過去の交渉経過等についても、今回の家賃滯納に関する催告書に記載するようにしましょう。賃貸人においては、契約解除を有効にするためには、信頼関係の破壊の事情が必要となり、當(dāng)該事情について証拠を準(zhǔn)備する必要があるからです。
      このような催告をまめにやっておくことで、賃借人が過去どのような頻度で、どの程度の滯納をし、その際の賃借人の対応狀況はどうだったのかについて記録化され、かつ、そのような事情を、賃借人にも認(rèn)識させ、改善を促したとの実績になり、それでもなお賃借人に改善の兆しが見えないような場合には、信頼関係が破壊されたとみなせるような事情につながっていきます。

      また、仮に、賃借人に目的物の用法違反の事実や、建物管理規(guī)約に違反する事実、近隣住民からクレームが入っているような事情があるときは、そのような事情も催告書等に記載するようにしましょう。これらの事情は、それだけでも賃料滯納とは別の理由で契約解除原因になりますが、信頼関係破壊の有無は、総合的に考慮されますので、賃料滯納の事実以外にも、積極的に検討する必要があります。

      更に、賃借人から滯納家賃の支払計畫書や、弁済に関する念書を作成?徴求することも一つの選択肢です。賃貸人としては、安易に分割弁済を容認(rèn)すべきではありませんが、比較的短期の分割弁済案を示させつつ、これに反した場合には解除されても異議を述べない等の誓約を入れることにより、賃借人自體がそこまで約束したのに、それをほごにした経緯や、賃借人自體解除されてもやむを得ないとの自覚を持っていたとの事実を示す証拠になり得ます。これ自體直ちに法的拘束力を有する訳ではありませんが、検討に値します。

      上記までの経過をたどった後、契約解除を行うことになりますが、賃借人が任意に退去することが難しそうな場合には、経済合理性を考え、契約解除後に賃借人に対して、一定の譲歩案を提示することも検討する必要があります。賃借人が任意に建物を明け渡さない場合には、法的手続を取る必要がありますが、これには時間とコストがかかり、更には賃料等も回収できない可能性もありますので、オーナー様の資金負(fù)擔(dān)は一層重くなってしまいます。一方、賃借人にとっては、譲歩案によってその負(fù)擔(dān)を一部免除されることが期待できるので、建物退去に対する後押しにもなります。
      したがって、賃借人の退去においては、その後のコストや時間等を考えて、ある程度柔軟な対応も検討することが有用です。

      以上

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