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岡山県?真庭市久世にある
「SUNCA-旅とてしごと-」では、
古今の手仕事や暮らしのもの、
古本などが混在しながらも、
古民家に馴染み、
不思議と心地よい空間をつくっています。

2023.09

古い町並みにある一軒。
い草ののれんをくぐって

寫真手前、い草ののれんがかけられた店。のれんは倉(cāng)敷市?須波亨商店でつくられたもの。開(kāi)放的な間口は、壁を取り払い、古いガラス戸を6枚はめ込んだそう。

「この辺りは牛の市で栄えた場(chǎng)所。売り買いに來(lái)る人のための宿が多かった。市の跡には祠もありますよ」と店主のヨコヤマアツシさん。牛の凧は、真庭市內(nèi)の毎來(lái)寺の住職で版畫家の巖垣正道和尚の版畫を凧に。同じく市內(nèi)でミツマタを原料にした手すき和紙を手掛ける樫西和紙工房の和紙を使っている。

「岡山」駅から車で約1時(shí)間、田園や山の風(fēng)景を楽しみながらたどりついたのは、かつて宿場(chǎng)町として栄えた町の商店街そばにある古民家。2023年3月にオープンした「SUNCA-旅とてしごと-」です。
中に入ると、土間や畳の間にずらりとものが並んで圧巻。焼き物や雑貨、かご、洋服、民蕓品、本…とさまざま。目に飛び込むあれこれに、好奇心が止まりません。「その凧が牛なのは…」と説明してくれるのは店主のヨコヤマアツシさん。鹿児島のセレクトショップに勤めた後、岡山へUターン。実家の旅館の隣、築98年の古民家を改修して店を開(kāi)きました。店名は、かつて山で暮らしていたとされる人々から。「箕（み）をつくったり川魚(yú)を取ったり、山を移動(dòng)しながら暮らしていた。そんな暮らし方が、旅と手仕事をコンセプトにした店に合うなと思ったんです」

店名をイメージした名刺も巖垣正道和尚の版畫から。
マッチは隣の実家である旅館?下玉屋のもの。

店のコンセプトである“旅とてしごと”をデザインした作品「旅手」は広島のグラフィックデザイナー?シンタニユウタ作。ポスター7,150円。

作家ものも、民蕓品も、古物も。
自由なミックス感が楽しい空間に

土間から上がる1階畳の間。築98年の建物は床と壁を改裝。洋服は鹿児島?ＨiＨiＨi（ひひひ）のもの。

熊本?オープンスタジオの銅器は、吊り下げてお香を焚くためのもの、花器にもなる。9,900円～。壁にかかっているのが昔の農(nóng)具、むしろ編み機(jī)のパーツ。

柱にかけられていたのは、倉(cāng)敷市?須波亨商店の卵を運(yùn)ぶときのわらづと?4,400円。木製の卵を入れてオブジェに。

ざっくりと積まれた備前焼などの器は若手作家のもの。使いやすいサイズで一枚一枚表情を見(jiàn)ながら選びたい。

トルコ?ペシュテマルタオルのストールと、奄美大島?金井工蕓の伝統(tǒng)的な技法で染めたしめ縄。

瀬戸內(nèi)市?Lueの菊地流架の金工作品は、改修時(shí)に出た板の上に。1,320円～。置かれた落葉に代金が印されている（右端）。

2階建ての店內(nèi)に並ぶのはヨコヤマさんが選び抜いたものたち。「自分が納得できて、作品を通してつくり手の方を紹介したいかどうかをもの選びの指針にしています」。これだけのさまざまなものは、これまでのつながりや共通の友人からの紹介で集まってきたもの。「気になる作家さんのところへ會(huì)いに行くこともあります。もちろん斷られることもあるし、その斷り方でお人柄がわかってまたいつかと思えたり。會(huì)うことでわかることもあるので楽しいですね」。地元?岡山をはじめ、鹿児島で知り合った作家のもの、溫もりのある民蕓品、さらに古物も。たくさんのものがあるのに雑然としないのは、何かそこに一つのストーリーのようなものが何となく感じられるからかもしれません。たとえば、青い布の上に古物の壺、備前焼の大皿、鹿児島の竹かご、熊本の作家による銅器が並び、壁には古い農(nóng)具のパーツがかけられていたりと、古今のものが心地よく共存。ヨコヤマさんが自由な発想で手掛ける、ものの生かし方?見(jiàn)せ方の工夫に心惹かれます。

本を、手仕事のものや古物と並べて。
興味が広がるディスプレーが新鮮

「本はつながりのある島根?音鳴文庫(kù)さんにセレクトしてもらっています」。旅や暮らし、山、食などをテーマに選んでいるそう。雑誌や國(guó)內(nèi)外のZINEも。金井工蕓の泥染めの布のそばには織物の本、喫茶スペースには食の本と、隨所にさりげなく置かれていて、ふと手に取って、そのまま読んでしまいたくなります。

喫茶スペースもある2階の本棚には本がずらり。古い箕（み）や熊の置物なども違和感なく置かれ、帰省した実家にいるような気分に。

雑誌や國(guó)內(nèi)外のZINEも。棚に飾られた雑貨にも、ついつい目がいく。

ボタンに、げた箱の札に、本がさりげなく。本もディスプレーの一つとして飾られている。

本と備前焼の食器が並ぶ。1階奧の喫茶スペースにて。

気に入った場(chǎng)所を選んで、
おやきとコーヒーでひと息

ゆっくりと時(shí)間を過(guò)ごしてもらいたいというヨコヤマさん。店內(nèi)は1階、2階ともに喫茶スペースが設(shè)けられていて、好きな場(chǎng)所でおやきやコーヒー、薬膳茶などで一服できます。自家製おやきは米粉を使ったもの。甘い餡入りと、きんぴらごぼうなどの惣菜入りが數(shù)種。惣菜は地元の野菜を使っているそう。「真庭は野菜づくりも盛ん。できるだけ地元で採(cǎi)れた季節(jié)ごとの野菜が使えたらと思ってます」。自家焙煎豆を扱う岡山吉備中央町?オーガニカコーヒィのコーヒーと一緒に。

1階土間にかかるプリザーブドフラワーは岡山市?saisaikaが手掛けたそう。喫茶メニューにはクラフトコーラやクラフトビールも。

おやきは岡山の作家、藤井雄基の皿で。むちっとした皮ときんぴらごぼうがマッチしておいしい。きんぴらごぼう、クルミとカシューナッツ入りあんこ各1個(gè)250円、オーガニカコーヒィの中國(guó)?雲(yún)南天空農(nóng)園の豆を焙煎したアイスコーヒー400円。

町並みの細(xì)道を抜けると…

店の前の細(xì)道を抜けると、急に視界が広がり旭川ののどかな風(fēng)景が広がっていました。かつて出雲(yún)街道と大山道の交差した久世の町は、牛の市で栄え、旭川には物資を?qū)饯剡\(yùn)ぶ船著き場(chǎng)があったといいます。「山間部だからこそ見(jiàn)られる四季折々の自然や昔ながらの風(fēng)景が魅力です」