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しっかり眠って、すっきり目覚めることは
日々の暮らしの基本となるもの。
2023年に100周年を迎えた老舗寢具店、
石川県?金沢のISHITAYA本店gamadan
（ガマダン）を訪ねて、
理想的な寢具や
睡眠環(huán)境について伺いました。

2023.10

心地よさを求めてたどりついた寢具を
多くの人に知ってほしい

本店gamadan1階の展示スペース。眠りにまつわる企畫展なども開かれている。

「人生の3分の1は眠っている時(shí)間ですからね。豊かな人生は眠りから。疲れがとれて、気持ちよく目覚めたら、やる気スイッチも入りますよね！」と笑顔で話すのはISHITAYA（いしたや）?社長の田中陽雫美（よしみ）さん。金沢で大正12（1923）年から続く布団店に嫁いだのが、寢具と関わる始まり。「私自身が寢つけない、すっきり起きられない、と眠りには苦労していたんです。だから、本當(dāng)に気持ちよく眠るってどういうことなの？と。いかに心地よいお布団をつくるかという発想で進(jìn)めてきました」

自身が納得できるものをつくりたいと、當(dāng)初はOEMでオリジナル商品を手掛けるように。そんな中、縁あって、ヨーロッパの羽毛のトップメーカーに出會(huì)います。「ヨーロッパのトップクオリティの羽毛布団を試したら、本當(dāng)に目覚めが快適で衝撃的だったんです。これはすごいと、さっそく現(xiàn)地に飛んで社長に會(huì)い、工場を確認(rèn)させてもらいました。他社との違いを?qū)g感し、扱わせてほしいとお願(yuàn)いしました」。以來、ヨーロッパから原毛を直接仕入れてISHITAYA企畫で販売する獨(dú)自のスタイルを確立。さらに本店gamadanをはじめ體験型の店舗や各地で體験イベントを手掛けて、質(zhì)のよい眠りの大切さを広めてきました。
「いま、現(xiàn)代人って本當(dāng)に疲れているから『いい眠り』を欲していると思いますね。そのためにはまず、眠りの環(huán)境を見直してほしいなと思います」

ヨーロッパの契約農(nóng)場にて。グースは國際認(rèn)証基準(zhǔn)R?D?Sにのっとって整えられた健康的な飼育環(huán)境で育てられている。1羽あたり約100m²のゆったりとした放し飼いで育ったグースの羽毛は羽枝が長く、保溫性に優(yōu)れているそう。

心地よい眠りの鍵は「濕気」
天然素材のよさを取り入れた寢具

天然素材の敷き寢具の組み合わせ例。敷き寢具でしっかり濕気を放出して體溫を維持することが大切。下からウッドスプリング、馬毛マットレス、馬毛パッド、ウールパッド。上に載せているのはイタリアリネンのシーツ。

「眠りには大きく3つの効果?効能があります。脳、體、心の3つを休ませることです。眠れないと脳が休めないし、寢てもだるいとか、しびれるというのは體が休めてないんですね」。寢室の環(huán)境を整えるのはもちろんですが、快適な寢具に肝心なのは、溫度と濕度のコントロールだと言います。

「體は眠るときに深部體溫を下げるため、表面溫度を上げて汗をかきます。汗は蒸気ですが、寢具に吸収された蒸気は冷えると水（濕気）になりますから、そのままだと水に包まれて眠っている狀態(tài)で、體が冷えたり蒸れたりしてしまいます。それが暑さ?寒さの不快の根本なんです」。適溫?適濕を保つためによいのが質(zhì)のよい適切な天然素材。「上質(zhì)な天然素材は優(yōu)れた調(diào)濕作用を持っていますから、きちんと汗を吸濕して外へ放出してくれる、適度にコントロールすることで不快感を取り除いてくれます」

寢具の天然素材にはコットンやリネン、シルク、ウールなどがありますが、そうした天然素材を十分に生かすためには、包んでいる側(cè)生地もしっかりと濕気を放出できることがポイントで、側(cè)生地の素材も大事だそう。また、ISHITAYAでは馬毛の寢具も扱っています。「蒸れないし、弾力性があってしっかり體を支えてくれるんです。馬毛は天然繊維の中でも長くて強(qiáng)靱で長持ち。希少なため、かなり高価ですが100年、200年と次世代に継いでいけるのです」

ホーステールの馬毛だけを使ったオリジナルのjinba馬毛マットレス（シングル）759,000円。小袋に分けて詰める形狀なので、部分的に強(qiáng)度を高めるなど調(diào)整も可能。100年使っても弾力を保つ、丈夫さが特長。

馬毛は尻尾の毛を縄狀に編み、蒸して形狀記憶させてからほぐす。製作工程を月の満ち欠けに合わせるなど、こだわりの職人技でつくられている。実際に觸ると弾力性にびっくり！小袋のまま洗濯できる。

馬毛以外にも敷き寢具の組み合わせ提案はある。下から厚さ10cmの天然ゴム?ラテックスのマットレス、ミルフィマットレス（シングル）93,500円に、フランス?ピレネー産ウールのやわらかウールベッドパッド700（シングル）44,000円を2枚重ねてセット。

ヨーロッパ産のホワイトグースを使ったufu羽毛掛け布団スタンダードクラス（シングルロング）127,600円～（100g単位で羽毛の充填量のオーダーが可能）。羽枝が長く少量でもしっかり空気を包み込んで斷熱するので、軽くても保溫力は抜群。極細(xì)糸で織られた側(cè)生地を使用。上に掛かっているのはオリジナルのカシミヤケット169,400円。

ブナの無垢材を使用した棒狀ウッドスプリングにラテックス（天然ゴム）の腳を取りつけたセパレート式マットレス（シングル）204,600円。肩の部分はスプリングを抜いて自然に肩が落ちるように調(diào)節(jié)できる。

枕は敷き寢具と合わせて
天然素材で心地よく

「枕が合わない原因の一つは、仰向けと橫向きの體勢で肩の高さにギャップが生まれるからです」。橫向きになったときにしっかり肩が落ちれば、枕の高さはさほど気にならないといいます。「敷き寢具が體に合っていれば、枕は首のすき間を埋めるだけで十分なもの。枕が合わないなら、たとえばマットレスの固さやスプリングが消耗していないかなど、一度見直してみてください」。その上ですき間を埋めるように高さを調(diào)節(jié)します。また、枕自體にもへたりなどが生じるので、3年ほどで見直す必要があるそうです。

濕気を吸収し、きちんと放出するウールや馬毛など、枕にも天然素材がおすすめ。蒸れにくく、快適な狀態(tài)を保ちます。濕気がこもらないのでニオイも発生しにくいというメリットもあります。