お子様の教育資金は住宅購入?老後資金と並んで、人生の3大資金といわれています。
そしてその教育資金はお子様が生まれた時點で、將來的に必ず必要になることが分かっていますので、お子様が小さいうちから計畫的にためておくことが必要となります。
文部科學省が定義している學習費総額(保護者が子ども供の學校教育及び學校 外活動のために支出した経費の総額)の內訳には學校教育費?學校給食費?學校外活動費があり、その金額は公立に行くのか、私立にいくのかによって大きく変わってきます。
そして學校外活動費としての學習塾費用はお受験の時期によって、かかる金額も大きく違います。また情報として目に「見えるお金」と、気づいたらかかっていたと言われる「目に見えないお金」があります。
學習塾は通常の學力を安定させるために通う場合もありますが、お受験を念頭に置いて通わせているご家庭もいらっしゃるでしょう。
では、そのお受験の費用はどの時期にどのくらいかかるのでしょうか。
お受験にはパターンがあります。
ここでは最終的に人気のある大學に入學することを想定し、お受験する一般的なパターンで考えてみます。ここでは大きく分けて以下の5つを想定します。
- 1. 大學附屬の小中高一貫校を受験し、推薦をもらい大學入學する
- 2. 大學附屬の中高一貫校を受験し、推薦をもらい大學入學する
- 3. 私立の中高一貫校を受験し、さらに大學受験をする
- 4. 公立中から私立高校を受験し、さらに大學受験をする
- 5. 公立中から公立高校を受験し、さらに大學受験をする
受験パターン別の學習塾費用シュミレーション
パターン | 內容(1) | 內容(2) | 費用計 |
---|---|---|---|
大學附屬の小中高一貫校 | 幼稚園年中からお受験教室に2年間(5萬円/月)に通わせた場合=120萬円 | 120萬円 | |
大學附屬の中高一貫校を受験 | 小學生4年生から學習塾3年間(5萬円 / 月)+特別講習(6年時のみ60萬円)に通わせた場合=240萬円 | 240萬円 | |
私立の中高一貫校を受験 | 小學生4年生から學習塾3年間(5萬円 / 月)+特別講習(6年時のみ60萬円)に通わせた場合=240萬円 | 高2から大學受験のための予備校2年間(50萬円 / 年)通わせた場合=100萬円??私立大文系コース | 340萬円 |
公立中から私立高校を受験 | 中學2年から2年間、高校受験対策塾(4萬円 / 月)特別講習(3年時のみ50萬円)に通わせた場合=146萬円 | 高2から大學受験のための予備校2年間(50萬円 / 年)通わせた場合=100萬円??私立大文系コース | 246萬円 |
公立中から公立高校を受験 | 中學2年から2年間、高校受験対策塾(4萬円 / 月)特別講習(3年時のみ50萬円)に通わせた場合=146萬円 | 高2から大學受験のための予備校2年間(50萬円 / 年)通わせた場合=100萬円??私立大文系コース | 246萬円 |
※上記は都內集団指導塾を目安に記載されております。
上記の表は仮の金額にてシュミレーション比較してみましたが、実際には個別指導か集団なのか、文系か理系か、また、夏期講習や冬期講習、事前の模試など、ご両親の希望やお子様の性格などによって、さまざまな選択肢があり、金額もそれによって変化します。
この表で見れば、學習塾費用は私立の中高一貫校に通い、大學受験をするパターンが一番費用が掛かる結果になっています。
ただし費用はかかりますが、その私立の中高一貫校を選択した場合、まだお子様の希望や學力などが未知數である小學生のうちは、文系?理系などと決めてしまわずに、中高の6年間を使って全體的な學力を伸ばし、大學受験に向けて集中して準備できるといったメリットもあります。
総合的に塾費用が一番格安に見える大學附屬の小中高一貫校も、日頃の學業を疎かにすれば、いざ推薦をもらうときに希望の學部推薦をもらうことができなくなってしまうこともありますので、補習塾に通わせているご家庭も多いでしょう。また、それ以上に毎年の學費が公立に比べはるかにかかることも忘れてはいけません。
では學費と合わせて見たときにはどのようになるのでしょうか。
先程の學習塾シュミレーションにそれぞれの學費を加えた総額となります。
學習塾と學費の総額
塾代 | 學費6年間 | 學費3年間 | 學費3年間 | 合計金額 | |
---|---|---|---|---|---|
大學附屬の小中高一貫校 | 120萬円 | 私立小(約522萬円) | 私立中(約300萬円) | 私立高(約277萬円) | 約1169萬円 |
大學附屬の中高一貫校を受験 | 240萬円 | 公立小(約36萬円) | 私立中(約300萬円) | 私立高(約277萬円) | 約803萬円 |
私立の中高一貫校を受験 | 340萬円 | 公立小(約36萬円) | 私立中(約300萬円) | 私立高(約277萬円) | 約903萬円 |
公立中から私立高校を受験 | 240萬円 | 公立小(約36萬円) | 公立中(約40萬円) | 私立高(約277萬円) | 約549萬円 |
公立中から公立高校を受験 | 120萬円 | 公立小(約36萬円) | 公立中(約40萬円) | 公立高(約83萬円) | 約405萬円 |
※學費は文部科學省平成28年度子ども供の學習費調査 學校種別の學習費総額より抜粋
このようにトータルで俯瞰した場合、お受験のパターンよってかかるお金に大きく差があることがわかります。最終的に同じ大學に通ってもその道のりにかかるお金は実に様々です。
お受験は選択肢が多い分、さまざまなお金のかかり方がありますので、各家庭でじっくり検討し、ご家庭?お子様にあった選択をする必要があるでしょう。
そして現在では、學費を國が支援する動きが活発になっています。
その一つとして、安心して勉學に打ち込める社會をつくるためにと、高校の授業料を支援する「高等學校等就學支援金」があり、全國8割の生徒が利用しています。これは國公私立問わず高等學校等に通うお子様のいる、年収約910萬円未満の世帯が対象となっています。
また、「高等學校等就學支援金」にプラスして學費以外を支援する「高校生等奨學給付金」や各種就學支援が都道府県ごとにありますので、お住まいの都道府県ではどのような支援金があるのかを確認しておきましょう。
それ以外にもお受験には目に見えないお金がいろいろかかります。
このようなお金もできるだけ情報を集め、想定しておくことで、突然あわてなくてすむでしょう。
~お受験で目に見えないお金のいろいろ~
- ?私立校には大抵寄付金制度があり、毎年申し込み用紙が屆く。払うかどうかは自由。
- ?一貫校は學業に比較的余裕があるので、交換海外留學などがさかんに行われる。
- ?私立の小中學校の場合、公立校では想定していない通學費もかかる。
- ?私立の小中學校には給食がないところが多い。もし中學生が日々學食やコンビニで購入したら1日500円で月1萬円かかる。
- ?小學受験用の寫真にも気を遣うご家庭が多い。都內のあるデパートの寫真館で撮影し、データで受け取ると約1萬円かかる。
- ?小學校受験の際はご両親も面接がある場合がほとんど。ご両親+お子様が受験用のスーツやバッグを揃えるとすると約10萬円程度かかる。
- ?私立の小中學校では毎年スキー合宿がある學校もある。子どもはすぐ成長するのでスキーウェアー、グローブ、スノトレを毎年購入すると約3萬円。
まとめ
ポイントはお子様が小さいうちにある程度具體的にいくらかかるのかを想定し、家族のライフプランを設計し、いつお金がどのくらい必要になるかをあらかじめ考えて貯蓄しておくことが必要です。
特に人生の中でも大きなお金が動く、住宅の購入費用や建築費用についてはしっかりと想定し、購入時期はお子様が自分のお部屋を欲しがる時なのか、受験前?後なのかなど、お子様が小さいうちに日頃からご夫婦で話し合っておくのが良いでしょう。
ライフプランは出ていくお金ばかりではなく、入ってくるお金も重要です。
給與の貯蓄以外にお金のかかるタイミングでお金が受け取れる學資保険?お子様保険など保険を利用するのも一つの方法です。
もともと學資保険は郵便局(現在はかんぽ生命)で加入できるものしかなく、當時は高金利のため返戻率も高く、元本が倍になったものもあるようですが、現在は102~105%程度の商品が主流です。學資保険には大きく分けて「貯蓄型」と「保障型」とがあり、保障が高ければ元本を割ることもありますので良く確認しましょう。
ご家族の夢を応援するためにも、今後のお金の準備や萬一の備えを実現していくことが大切です。
【學費參照】
學校種別の學習費総額
(參考)公立?私立學校総數に占める私立學校の割合、及び公立?私立學校に通う全幼児?児童?生徒數全體に占める私立學校に通う者の割合(平成28年度)
幼稚園(學校數:63.2% 園児數:83.3%) 小學校(學校數:1.1% 児童數: 1.2%)
中學校(學校數:7.5% 生徒數:7.2% ) 高等學校(全日制)(學校數:30.3% 生徒數:32.5%)
※ 高等學校(全日制)の生徒は,本科生に占める私立の割合である。
(資料) 文部科學省「平成28年度學校基本調査報告書」
- 執筆者
- FPplants株式會社
- 代表取締役 山田健介