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      これからの大規(guī)模地震に備える、次世代防災(zāi)について考えるシリーズ2 「減災(zāi)を?qū)g現(xiàn)する、家と、心の備え方」

      公開日:2016/08/19

      これからの大規(guī)模地震に備える、
      次世代防災(zāi)について考えるシリーズ2 
      「減災(zāi)を?qū)g現(xiàn)する、家と、心の備え方」

      2016年4月に起きた熊本地震は震度7を2度記録し、新耐震基準(zhǔn)を満たしていた家屋を含め、倒壊など大きな被害をもたらしました。「地震國(guó) 日本」に生きる私たちは地震に対してどのように対処していったらよいのでしょうか。日本政府の中央防災(zāi)會(huì)議防災(zāi)対策実行委員、そして大阪府、高知、新潟、靜岡、和歌山、三重、奈良、兵庫(kù)、岡山各県の防災(zāi)対策委員長(zhǎng)を歴任されている関西大學(xué)社會(huì)安全センター長(zhǎng) 河田惠昭先生にお話しをうかがいました。

      ●熊本地震の教訓(xùn)
      憩いの場(chǎng)である我が家が、トラウマの場(chǎng)所に
      :震度7を2度記録した熊本地震

      ――2016年4月に熊本地震で大きな被害が出ましたが、今回の地震の特徴を教えてください。

      私たちは震度7以上の地震を3回経験しています。最初は1995年の阪神?淡路大震災(zāi)、次が2004年の新潟県中越地震、そして2011年?yáng)|日本大震災(zāi)です。しかし、今回の熊本地震が特に危険だったのは、震度7の揺れが2回襲ってきたことです。最初、本震だと思った震度7が余震で、28時(shí)間後にまた震度7の本震が襲ってきました。
      震度7を體験してみると本當(dāng)に恐ろしく、揺れで家具が飛んできたり、家が「ギギギーッ」と軋む音などで、住民は恐怖のどん底に陥りました。特に子供は、怖くて家にいられない狀態(tài)となり、多くの人が避難所に殺到したり、揺れが落ち著いた後も車で寢泊まりする人であふれました。普段、安心できる居場(chǎng)所であるはずの家が、危険で怖い存在になりました。

      ――なぜ震度7が2回起こったのでしょうか。

      地震の大きさを示すマグニチュードは、斷層の長(zhǎng)さに関連しています。阪神?淡路大震災(zāi)では地下に走っていた野島斷層という大きな活斷層が割れて本震が起こり、周囲との地殻のバランスが崩れて余震が起こりました。熊本には別府から島原に走る別府島原地溝帯があり、その狹いエリアに複數(shù)の活斷層がパラレルに走っています。今回はその中の大きな幹が壊れて地震が起こり、枝が動(dòng)いて余震を起こしました。今回は幹が一本ではなく、複數(shù)の斷層が走っていたため、1本が壊れて、その影響で隣がまた壊れて地震が起こるという構(gòu)図になりました。活斷層の“林”があるため、2度の震度7、そして無(wú)數(shù)の余震が複雑に発生しました。7月現(xiàn)在まで1,900回※もの震度1以上の余震を観測(cè)しています。

      ※2016年8月22日現(xiàn)在、気象庁の観測(cè)によりますと、震度1以上の余震は2,000回を超えています。


      ●地震の予知と避難
      事前の予知が不可能な直下型地震

      ――熊本地震は活斷層地震ですが、プレート境界型とのゆれ方の違いを教えてください。

      地震には縦波と橫波があります。縦波というのは、音が伝わるのと同じです。聲が聞こえるのは、口の前の空気を音圧で圧力変動(dòng)して鼓膜を動(dòng)かすためで、縦波は瞬時(shí)に伝わります。一方、橫波は波が動(dòng)いて伝わるので遅くなります。プレート境界型地震はプレートが大きいため、大きな橫波が縦波に遅れてやってきます。地質(zhì)の構(gòu)造によっても変わりますが、縦波は秒速7キロくらいで、橫波は秒速3キロくらいと約4キロの差があります。この差を利用して橫波の到達(dá)時(shí)間を予測(cè)するのが緊急地震速報(bào)です。直下型の活斷層地震は震源が淺くて、居住地に近いため、速報(bào)が利用できないわけです。
      活斷層地震は、一般に震源の深さが20キロより淺い所で起こります。地球は表面が20キロくらいの固い層、地殻で覆われており、これより深くなると地層が柔らかくなり、ひずみがたまらないためです。震源が淺いため、破壊が起こった瞬間に揺れが來(lái)るという特徴があります。
      今後、大きな被害が想定されている東海地震は、プレートが潛り込んでいる場(chǎng)所が陸に近く、東海道新幹線の下に震源があるようなものです。プレート境界地震ですが、直下型の特徴を持っていて、阪神?淡路大震災(zāi)の縦揺れの大きな被害と、東日本大震災(zāi)の橫揺れの被害が重なってきます。東日本大震災(zāi)は長(zhǎng)周期の橫揺れで一般住宅の被害は少なかったのですが、南海トラフ巨大地震は縦揺れがすぐに來(lái)て家が倒壊し、8萬(wàn)人くらい亡くなると想定されています。
      そして家がつぶれたところに津波が來(lái)て、22萬(wàn)人が亡くなると、東日本よりもさらに大きい被害が予想されています。

      ※文部科學(xué)省「地震がわかる!Q&A」より



      ■活斷層地震とプレート境界地震

      ※文部科學(xué)省「地震がわかる!Q&A」より

      活斷層地震は震源が淺く、人が住む地域の直下だと被害が大きくなる。プレート境界地震は、地震の規(guī)模が大きく、津波を起こす。

      ■縦波(P波)と橫波(S波)の伝わり方

      ※文部科學(xué)省「地震がわかる!Q&A」より

      縦波(P波)は橫波(S波)よりも進(jìn)むスピードが速いため、地震が発生すると最初に縦波(P波)により「ガタガタ」と小刻みに揺れ、その後、橫波(S波)の「ユサユサ」というゆっくりした揺れが來(lái)ます。

      ●地震のリスクをどう考えるか
      「絶対に安全な場(chǎng)所」など無(wú)いことを意識(shí)、住む人の覚悟と備えが重要

      ――私たちは地震に対してどのような意識(shí)で備えたらよいのでしょうか。

      私はアメリカのハリケーンなど、海外の自然災(zāi)害の現(xiàn)場(chǎng)なども見(jiàn)て回っています。アメリカでは災(zāi)害から身を守るのは基本的に自己責(zé)任です。警報(bào)は出ますが、行政が「どこに逃げろ」とはアナウンスしません。したがって、自分が安全だと判斷した所に車で避難します。日本の場(chǎng)合は、避難場(chǎng)所や避難経路なども行政が決めてくれます。だから、避難も指示通りで、判斷が他人まかせになりがちです。
      熊本地震の現(xiàn)場(chǎng)も見(jiàn)ましたが、益城町は想像を絶するような慘狀でした。住み慣れた街を殘したいという気持ちはわかりますが、活斷層の真上というのはリスクが非常に高い。再建にあたっては移転するという考え方もあります。しかし、益城町の活斷層が動(dòng)くのはおよそ「1000年に1回」程度以下です。1000年に1回の地震に備えてあらかじめ避難するのか、1000年に1回なら起こっても仕方ないと住民が覚悟して住むという選択もあります。
      私はかつて奈良県の防災(zāi)委員長(zhǎng)を務(wù)めていました。奈良県では奈良盆地東縁斷層といって東大寺の真橫を南北に走っている活斷層があります。これが動(dòng)くと奈良市の7割が震度6強(qiáng)、殘りの3割が震度7と、益城町以上に甚大な被害が出ることも予想されています。平城京に奈良の市街地ができて1300年街として続いています。でも、対策はほとんど何もされていません。
      怖いから逃げるではなく、怖いのを覚悟で住む。そこに住むかどうかは、生活する人自身が決めることで、覚悟の問(wèn)題だと思います。アメリカでいう、「at your own risk」、「自分で判斷して納得してやりなさい」ということです。しかし、そこに住み続けるにはそれ相応の備えと心構(gòu)えが必要となります。

      ●変化する耐震思想と住居における地震対策
      「まずは人の命を守る」地震対策を

      ――何回かの大きな地震を経て、耐震についての考え方はどのように変化していますか。

      阪神?淡路大震災(zāi)までは、何年に1回の大きな揺れにも耐えるということを目指していました。しかし、阪神?淡路大震災(zāi)では想定以上の揺れで高速道路が倒れ、山陽(yáng)新幹線の軌道がつぶれるということが起こりました。その結(jié)果、設(shè)計(jì)法が靜的設(shè)計(jì)から動(dòng)的設(shè)計(jì)になって、もっというと構(gòu)造物が被害を受けた時(shí)にどこまでその機(jī)能を発揮できるかという、性能設(shè)計(jì)という概念が出てきました。一番避けなければいけないのは、壊れることによって人の命を失うことです。たとえ壊れたとしても、人は守る、そのために壊れ方をどうするかを考えて設(shè)計(jì)をするという方向に、ハード設(shè)計(jì)の考え方は劇的に変わりました。

      ―― 一般住宅の場(chǎng)合、具體的にはどのような対策が必要ですか。

      一般住宅では、地震で一番怖いのは家が倒壊したり、家具が倒れてその下敷きになってしまうことです。生きのびるためには、家族が一番使っている部屋を安全にすることが大事。倒れるような家具を置かないとか、壁を頑丈にするとか。その方法はいっぱいある。だからむしろ、來(lái)ることを前提に対策をすることが必要。來(lái)ることを前提にしないとちょっとした対策で安全になったと錯(cuò)覚してしまう。
      家というのはひとつの部屋を頑丈にすると家全體も頑丈になることが実験でわかっています。壁や柱をその部屋だけ少し強(qiáng)くして、最低限ぺちゃんこにならないようにする。これは今の技術(shù)では難しくありません。
      そして、災(zāi)害で怖いのは二次災(zāi)害や複合的な災(zāi)害です。地震が來(lái)て被害が出たところに臺(tái)風(fēng)や大雨が來(lái)るとか、弱っているところにもう一難かぶさることで被害が劇的に大きくなります。熊本地震では、震度7が28時(shí)間差で起こりましたが、これが1か月後だったらさらに被害が大きくなっていました。余震がなくなり、落ち著いてみんなが家に戻ったところで2度目が來(lái)ていたら、家が押しつぶされて亡くなる方がもっと増えていたでしょう。これは最初の地震で家の柱や梁がダメージを受けているからで、一度大きな地震で傷ついた家は非常に危険です。それをみんなが理解することも大切です。

      ――住宅の耐震対策は、「地震國(guó) 日本」に生きる私たちには必要なことですね。

      住宅を耐震化するなどハード対策のもうひとつの意義として、「地震が來(lái)る」という防災(zāi)意識(shí)が強(qiáng)くなることがあります。今、高知県では來(lái)るべき南海トラフ地震の津波に備えて津波避難タワーが103基建設(shè)されています。住民たちは毎日、家を出るとこの津波避難タワーを目にすることになります。そうすると、いやが応でも津波が來(lái)ると意識(shí)せざるを得ません。目に見(jiàn)える形で津波を身近に感じることができるという効果も大きいでしょう。日本人の特質(zhì)は楽観主義なので、大きな地震があっても身近なところですぐに地震が來(lái)ることを忘れてしまいます。耐震改修すると見(jiàn)た目だけではなく、お金もかかりますので、地震を意識(shí)することができるでしょう。常に、地震が來(lái)るという覚悟を持って生活することで、いざという時(shí)の災(zāi)害を最小限に留めることができると思います。


      ――どうもありがとうございました。

      PROFILE

      関西大學(xué)社會(huì)安全センター長(zhǎng) 河田惠昭 先生

      1946年大阪生まれ。京都大學(xué)大學(xué)院工學(xué)研究科博士課程修了。京都大學(xué)名譽(yù)教授、関西大學(xué)社會(huì)安全學(xué)部特別任命教授(チェアプロフェッサー)、人と防災(zāi)未來(lái)センター長(zhǎng)。東日本大震災(zāi)復(fù)興構(gòu)想會(huì)議委員。専門は防災(zāi)?減災(zāi)、危機(jī)管理。日本自然災(zāi)害學(xué)會(huì)會(huì)長(zhǎng)や、日本災(zāi)害情報(bào)學(xué)會(huì)會(huì)長(zhǎng)などを歴任。おもな著書に「日本水沒(méi)」(朝日新書)「これからの防災(zāi)?減災(zāi)がわかる本」(巖波ジュニア新書)「津波災(zāi)害」(巖波新書)など。

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