大和ハウス工業株式會社

      DaiwaHouse

      DXアニュアルレポート2021

      DX推進を支える組織體制

      情報システム部門の変革の歴史

      情報システム部門の変革の歴史

      情報システム部門ではこれまで、IT中期計畫に合わせて基盤改革?構造改革?組織改革?技術改革に取り組んできました。(図1)

      図1:情報システム部門の改革

      基盤改革

      システムや情報セキュリティが企業ガバナンスに不可欠な構成要素となってきたため、2011年より新たな経営基盤システムの導入や大和ハウスグループ共通のインフラ基盤整備など、攻めのIT経営を支えるためのITガバナンス強化に取り組みました。

      フルクラウド化

      取り巻く環境の変化に迅速に対応できる弾力的で低コストのIT基盤を構築するために、ITインフラのクラウド化に取り組みました。これにより「戦略的なIT投資」「セキュリティレベルの統一」「運用保守の大幅軽減」が可能になりました。

      経営基盤システム刷新

      會計?人事システムの肥大化?屬人化を解消し、制度変更や會社の多角化?グローバル化に柔軟に対応できる基盤を構築することを目的として、経営基盤システムを刷新しました。これにより「経営の見える化」「管理コストの低減」「社會要請への対応」が実現でき、コンプライアンス?ガバナンスが強化されました。

      グループ會社のIT共通基盤整備

      グループ會社のガバナンス強化を目的に、経営基盤システムや共通のインフラ基盤をグループ會社へ展開しました。また、情報セキュリティに関するポリシーや規定についても整備?展開しました。これにより、當社グループ全體で効率的にリスクをマネジメントできる環境が整いました。

      構造改革

      攻めのIT経営を実現するためには、限られたリソースのなかでより多くの成果を挙げることが求められます。そこで、2012年より全體最適のマネジメント理論TOC(*1)を活用し、マネジメントの強化による生産性の向上に取り組みました。

      (*1)TOC(Theory Of Constraints):制約條件の理論

      CCPMの導入

      TOCを基本理論とした革新的プロジェクトマネジメント手法CCPM(*2)の導入により、リソースを増やさず、システム開発の生産性を高めました。大規模なITプロジェクトの約7割が納期遅延や品質上の問題點を抱えている調査結果があるなか、當社では品質を下げることなくプロジェクトマネジメント力を強化することに成功しました。また長時間労働を改善しながらも、ERPパッケージ導入プロジェクトの開発フェーズとテストフェーズで25%の工期短縮を実現しました。(図2)

      (*2)CCPM(Critical Chain Project Management):制約條件の理論に基づき全體最適化の観點から開発されたプロジェクト管理手法

      図2:CCPMに関するトレンドチャート図

      CCPMをすべてのプロジェクトに適用

      ERPパッケージ導入プロジェクトの成功をふまえ、情報システム部門のすべてのプロジェクトにCCPMを適用することを決定しました。2012年10月に約30名體制のプロジェクトマネジメント室を新設し、社內すべてのITプロジェクトをマネジメントできる権限を持たせ、個別の開発案件が組織の全體最適と合致しているかを監督する體制を構築しました。その結果、組織全體の生産性は高まりました。
      また、メンバーはCCPMによるプロジェクトの進行を通して、全體最適の判斷に必要な「最終ゴールに到達できる狀態になっているのか」「ユーザーから見たときに品質的にどう評価されるのか」といった視點が自然と持てるようになり、マネージャーとしても、プレイヤーとしても成長を遂げました。

      ベンダー企業とのWin-Winの関係

      大規模なITプロジェクトでは、不確実性が高いため、ベンダーは余裕をもった納期や見積もりを設定することが多く、このゆとりを取り除くことに抵抗があります。このことを踏まえ、不確実性の高い一部のプロジェクトでは、従來の請負中心の契約形態ではなく、準委任など、納期と報酬に流動性を持たせた契約形態を採用しています。そして各ベンダーの理解を得ながら、両者にとってWin-Winの関係になるよう契約內容をその都度見直しています。プロジェクトマネジメントにおいては、納期遅れ防止のため、お互いの懸念を乗り越えて両者が工期短縮に向けて一致団結できるルールを構築しました。CCPMの導入により、當社だけでなくベンダーもリソースを増やさずに工期短縮が可能となり、結果としてベンダー自體の付加価値も高まると考えています。

      組織改革

      これまでの改革により、ガバナンスの強化や開発生産性の向上を実現してきました。しかし、事業に貢獻するという點では、開発生産性だけでは不十分であり、事業とITのつながりを強化する改革を行いました。

      商品戦略を確実に実現するIT専門部隊

      工業化建築におけるものづくりプロセスにおいて、ITは不可欠な要素です。そこで、商品戦略と連攜しながらITによる業務支援を実現するための専門組織として、商品IT業務部を設置しました。

      事業部門と一體となったIT部隊

      情報システム部門は、事業を橫斷的に見ることにより全體最適を実現してきました。管理部門の多くの機能は大阪にある本社に設置しているため、情報システム部も大阪にあるのが合理的です。しかし、事業それぞれの要望に応じたIT活用を推進するには、東京本社にある各事業本部とのコミュニケーションを密にする必要があります。そこで東京本社に東京情報システム部を設置しました。

      プロジェクトマネジメント部隊の事業化

      CCPMによるプロジェクトマネジメント経験を通して成長した人財を、さらにグループ會社のITプロジェクトにおける生産性向上につなげることができれば、當社グループ全體に貢獻できます。そこで、プロジェクトマネジメント部隊をグループ會社のメディアテックに移管し、ITプロジェクトにCCPMを適用することで、ITの価値を早期に実現することを付加価値とする事業を開始しました。

      技術改革(IT)

      詳細は「DevOpsを実現する技術改革」「ローコード開発の取り組み」「IT部門としての人財育成」をご參照ください。

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