大和ハウス工業株式會社

      DaiwaHouse

      DXアニュアルレポート2022

      バックオフィスのデジタル化

      業務システムの刷新

      當社グループにおける「事業の多角化?ビジネス成長」、
      「営業スタイルの変革」、「働き方改革への対応」など社內外の環境変化に
      迅速に対応できるシステムへと刷新します

      目的、ビジョン

      當社では2000年頃からメインフレーム(*1)をすべてオープン系に切り替えるなど、早くからレガシーシステムの刷新に取り組んできました。業務推進システムという位置付けで全國展開したD-SMART(*2)は17年が経過し、その間、當時の技術のまま多くのシステム改善を重ねてきたこともあり、肥大化?複雑化したレガシーシステムとなってしまいました。それにより、ビジネスの変化に対応するスピード感や柔軟性を持った開発に適応しにくいシステム環境になっています。

      そこで、レガシーシステムのモダナイゼーション(*3)に取り組み、これからの當社グループにおける「事業の多角化?ビジネス成長」、「営業スタイルの変革」、「働き方改革への対応」など社內外の環境変化に迅速に対応できるDXを支える基盤へと刷新します。(表1)

      (*1)大型汎用コンピューター
      (*2)D-SMART:顧客?案件管理の営業支援機能、グループウェア機能、工程管理機能やアフターサービス機能など全従業員が利用する総合業務システム
      (*3)モダナイゼーション:稼働しているソフトウェアやハードウェアなどのシステムを最新の製品や設計で置き換えること

      表1:ビジョン

      取り組みの全體像

      「働き方改革への対応や業務変化への迅速な対応」や「ビジネスアイデアの早期実現」などイノベーションを推進するためのDX環境を構築します。(図1)

      アジャイル開発プロセスの採用

      ビジネス価値の優先度に基づき、より価値の高いアプリケーションを早いタイミングで提供します。

      システムのスリム化

      積み重ねられた機能追加のなかで発生した無駄を削減し続けることで、システム改修時のメンテナンス性や開発容易性を高めます。

      アジリティ*4向上を実現するシステム開発環境

      新しい開発スタイルであるローコード開発の採用や、自動化技術の利用によって、起案からアプリケーションリリースまでの期間短縮を実現します。

      (*4)アジリティ:機敏さ

      アジリティ向上を実現するシステム構成

      マイクロサービス(*5)的なシステムアーキテクチャを採用して、巨大な1枚巖(モノリシック(*6))で作られた現システムの問題を解消し、システムのメンテナンス性や開発容易性を高めます。

      (*5)マイクロサービス:小さな単位に分割したシステム構造
      (*6)モノリシック:システム全體が密結合で作られていること

      SaaS活用によるデリバリー速度の向上

      一般化された業務領域において求める機能(ユーザーストーリー(*7))がSaaS(*8)によって実現可能な場合、SaaSの採用によりデリバリー速度を向上させます。

      (*7)ユーザーストーリー:顧客や利用者の目線で示したソフトウェアの要件
      (*8)SaaS(Software as a Service):クラウドにあるソフトウェアをインターネット経由でユーザーが利用できるサービス

      図1:取り組みの全體イメージ

      (*9)SFA(Sales Force Automation):営業支援システム

      業務推進システムのモダナイゼーション

      レガシーシステムの運用?保守に割かれていた資金?人財をDXにつながるような取り組みへシフトしていくことで、DXを加速させていきます。(図2)

      図2:シフトイメージ

      効果、今後の展開

      ニューノーマル時代の働き方の推進

      ニューノーマル時代に求められるモバイルワーク/テレワークなどのビジネスの変化に適応したシステムに変革し、働き方改革を推進します。

      変化対応力の向上

      DXや建設のデジタル化対応などに迅速かつ柔軟に対応するため、クラウドサービス活用やマイクロサービス化などの最新テクノロジーに適応した環境に刷新します。

      最新IT環境への移行

      DXを加速するため、モノリシックなシステムから脫卻し、クラウドサービスの活用やモバイル化機能の新システム基盤移行を推進します。また、アジャイル開発手法の採用やローコード開発ツールの導入により、システムによるビジネス価値を素早く現場へ屆け、要件の変化にも柔軟に対応します。

      ガバナンス?セキュリティの強化(1)

      物件HUBの源泉データであるD-SMARTのデータ(建物?受注?工事)のさらなる正確性を確保します。

      ガバナンス?セキュリティの強化(2)

      法令遵守、申請誤り?漏れの防止など、守るべき業務プロセスをサポートします。

      東京本社 情報システム部
      部長 府川 利幸

      グループのDX実現を支えるシステム基盤の刷新に向けて

      第6次IT中期計畫から継続して、當社グループの成長や競爭力に資するDX環境を構築するべく、システム刷新を目指します。事業本部制の本格稼働に伴い、グループ全體での顧客価値提供や、バリューチェーンを支える業務システム基盤として、柔軟かつスピード感をもった仕組みの構築を、プロジェクトメンバーと一體となって進めていきます。

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