大和ハウス工業株式會社

      DaiwaHouse

      DXアニュアルレポート2024

      バックオフィスのデジタル化

      グローバルITガバナンス

      目的、ビジョン

      第7次中期経営計畫における、海外売上高と営業利益を大きく成長させる目的を達成するためにも、グローバルでのIT環境の整備およびそれにともなうITガバナンスやセキュリティ対策の強化は必要不可欠と考えます。
      グループ全體でのITコストが最適化され、見える化が図れており、事業環境やテクノロジーの変化、セキュリティ対応が擔保され、事業戦略?成長に向けたIT環境が整備管理された狀態を目指します。
      會社としてムダな投資が避けられ、標準化(業務フローや利用ツールの共通化)にともなうリソースの共有化などにより社員としても働きやすい環境(グローバル規模でどこに異動しても同じルール)が整備されている狀態を構築します。

      取り組みの全體像

      下記のイメージ図は第7次IT中期経営計畫の最終年である2026年度に向けて目指すべき姿となります。
      本社の関連各部門との連攜を深めつつ、本社機構と各社との一體となったITガバナンス推進體制を構築していきます。
      グローバルに適用できるITガバナンス関連の規程?ルールを整備し、IT管理レベルを自己評価できる仕組みを導入する事で、RC拠點を中心とした管理の強化、各社でのITガバナンス成熟に向けた自律自走を促進し、リスクの削減を目指していきます。

      當社グループ全體のシステムアーキテクチャ、方針 事業部IT?グループITと全體ITの分擔明確化

      図1:當社グループ全體のシステムアーキテクチャ

      將來的には、RC(リージョナルコーポレート)単位での管理強化?自律自走を目指してRC単位でIT擔當者を配置しつつ、HQ(當社情報システム部門)とRC拠點での権限?役割分擔の見直しを行い、海外事業の成長加速および海外ガバナンス體制強化に貢獻していく體制を構築していきます。

      昨今の主な取り組み

      グローバル全社でのITガバナンスの強化?底上げを行っていくために、2023年度に、COBIT2019(*1)に準拠した、當社グループ全社でのITポリシーとなる『グループIT基本規程』、ITセキュリティに関するスタンダードとして『グループITセキュリティ基準』を発行するとともに、各社での定著を行う為の説明會を開催しました。
      現在、各社での定著狀況の確認や定著に向けた支援を行っています。

      説明會開催と合わせて、本社機構として『グループITガバナンス運営事務局』を設立し、グループ各社でも『ITガバナンス運営責任者』及び『ITガバナンス運営擔當者』を任命しました。
      また、本社內においても、海外本部や総務部等の関連部門との相互協力體制を構築し、ITガバナンスに関する各部門で保持している情報を共有化、部門間で活用していく事で業務の効率化や連攜強化を図るとともに、グループ各社への調査負荷の削減を図りました。
      今後、本社機構とグループ各社との連攜體制を検討し、グローバルでの施策推進體制を構築していきます。

      2022年度から2023年度にかけて、セキュリティ狀況の確認?分析ツールとしてのSecureSketCH(*2)を活用して、M&Aの會社含め、海外の子會社のIT調査?ヒアリングを実施し、各社のIT環境の実態の把握?可視化を行いました。
      これにより、グローバル全社での傾向が推定でき、サイバー攻撃対策の一環としてのCybereason展開をはじめ、様々な施策の具體的検討を行っていくことができました。
      また、各社でのIT資産の管理狀況を可視化できるツールとしてTaniumの展開を行い、各社でのIT資産管理の強化?自社ネットワークへの不明機器からのアクセス検知によるリスク削減を行いました。
      IT調査については、調査項目を見直しつつ毎年継続して実施し、これにより各社でのITガバナンスの成熟度の確認につなげていく予定です。

      (*1)COBIT2019:Control Objectives for Information and Related Technology(情報及び関連技術のための管理目標)の略稱であり、ITガバナンスと管理に関する包括的なフレームワークのこと
      (*2)SecureSketCH:各種ガイドラインに沿ったセキュリティ評価を、Web上で設問に回答するだけで「得點」や「偏差値」で定量的に見える化し、効率的に対策を推進できるサービスのこと

      効果、今後の展開

      『グループIT基本規程』『グループITセキュリティ基準』の発行により、グループ各社でのITガバナンスに対する意識が高まり、自社向けのガイドラインの作成等定著に向けた取り組みも各社で始まっており、順次定著に向けた支援を実施しています。
      今後、セキュリティ領域以外のスタンダード規程についても、優先順位及び各社での定著狀況等を確認しつつ、第7次IT中期計畫完了時までに順次整備?展開していく計畫を立てており、2024年度には『IT保守運用管理?IT資産管理』、セキュリティ以外の『ITリスク管理』のスタンダード規程の発行を行っていく予定です。

      2023年度までに実施したIT調査?ヒアリングにより、グローバル全社でのIT環境が把握できただけでなく、様々な課題等がわかり、サイバー攻撃対策の一環としてのCybereason展開をはじめ、支援や対策検討を行っていくことで、リスク削減に繋げることができました。
      また、M&A會社も含めたグローバル各社との連攜を深め、コミュニケーション基盤構築を行うこともできました。
      今後、IT調査內容を見直し、年1度継続実施し、合わせて、SecureSketCHのセキュリティの標準診斷を海外でも実施し、各社での成熟度診斷につなげていきます。
      各種ITガバナンス関連の規程によるルールの整備、Taniumでのモニタリング、SecureSketCHでのIT調査(成熟度診斷)によるセルフチェック、これらを組み合わせて運用していくことで、各社での自律自走を促進していく予定です。

      本社部門間での情報共有化や更なる連攜強化を図り、施策推進調整を行いつつ、共同推進等も行っていく所存です。
      各社で任命して頂いた『ITガバナンス運営責任者』『ITガバナンス運営擔當者』の方々と本社との連攜體制を構築して一體となった推進を行っていくとともに、RC拠點を中心としたRC単位での管理強化?自律自走に向けた環境整備や體制検討を行っていきます。

      本社 情報システム部
      次長 福嶌 健

      グローバルでのIT環境整備?ガバナンス強化は急務

      グローバルに事業を展開拡大、加速化している中で、それらを支えるIT基盤のガバナンス推進?管理を強化していくことは、必須かつ急務であるという認識のもと推進しています。
      グループ全體のIT本社機能としては、グループ共通の必要最小限かつ必須のルール整備(規程制定)やグループ會社間の関係性向上へ向けた活動に著手してまいりました。
      これからも引き続き、①グループIT戦略?投資資産の最適化、②データドリブンな経営、③HQとしての価値提供、④セキュリティの確保という4つの側面から施策を立てて推進していき、グローバルに対応できる組織へと成長させていきたいと考えています。

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