土地活用ラボ for Biz

コラム No.27-21

サプライチェーン

秋葉淳一のトークセッション 「お客様のビジネスを成功させるロジスティクスプラットフォーム」Ⅱ:ロジスティクスがバリューを生むフレームワークス 代表取締役社長 秋葉淳一 × 株式會社アッカ?インターナショナル代表取締役社長 加藤大和

公開日:2018/01/31

大和ハウス工業(yè)の新たな「物流事業(yè)」への取り組みを具體化する事業(yè)體として、株式會社ダイワロジテック(以下、ダイワロジテック)が設(shè)立されました。物流センターのシステム開発を擔(dān)う、秋葉淳一代表取締役社長率いるフレームワークスを中心とするダイワロジテックの新たなメンバーとして、株式會社アッカ?インターナショナル(以下、アッカ社)が加わりました。

次世代のロジスティクスサービスを?qū)g現(xiàn)するために、何が必要なのか。
フレームワークスの秋葉淳一氏がホスト役となり、株式會社アッカ?インターナショナル 代表取締役社長 加藤大和氏をゲストにお迎えし、これからの物流のありかた、物流が経営をリードするためにやらなければならないことを語り合っていただきました。

Ⅱ:「ロジスティクスがバリューを生む」

アッカ社として、通信販売のオペレーション業(yè)務(wù)を行おうという発想に行きついたのは、どういう理由ですか?

加藤:正しい答えかどうかはわかりませんが、たとえば、大手のeコマース企業(yè)は、ものを仕入れて売るなかで、小売業(yè)のプラットフォーマーとして物流も自分たちでマネージしながら、販売?會員データ?購買情報(bào)などのさまざまな情報(bào)、さらに何がどう動いているかを?qū)Wんでいます。
すると、ものの情報(bào)、會員の情報(bào)、購買の情報(bào)が、長年にわたって膨大なデータとして蓄積されてくる。すると、おそらく來月はどうなるか、誰が何を求めるか、來年どうだ、3年後はどう、5年後はどうという風(fēng)に、先が読めるようになってくるのです。お客様の動き、ものの動き、すべての情報(bào)が自分たちの手の中にあるから、何が必要とされるかよくわかるようになります。
現(xiàn)在は何が起きているかというと、大手eコマース企業(yè)は、その情報(bào)を使って、今プライベートブランドをつくって販売しています。自分たちが生産者になったんです。
商品を提供していたメーカーは、競合になるわけです。これからプライベートブランドがどんどん発展していくと、大手eコマース企業(yè)の売り上げは上がっていくでしょう。プライベートブランドがほとんどを占めるようになり、利益率もどんどん上がっていく。でも、もともと商品を提供している人たちの売り上げはどんどん下がっていく。

秋葉:そうなると、通販の売上が伸びている企業(yè)にしてみても、eコマース企業(yè)のために仕事しているんだろうかとなっていくわけです。これまでは受け皿がありませんでしたが、eコマース企業(yè)に預(yù)けることに抵抗したい人たちは、アッカ社にバックヤードの業(yè)務(wù)を任せようかとなってきているわけです。私たちは、それをもっと広く深いプラットフォームできちんと受け止める狀態(tài)をつくらなければいけないと思います。

加藤:ネットの世界で考えると、地域的な問題はほとんどありません。駅前にあるとか、何かと一緒になっているかは関係ありません。ワンクリックで飛べますから。ユーザビリティが高いところでものが安いとか、屆くのが早いとか、ワンクリック、ワンスライドで買えるとか、そういった利點(diǎn)によって規(guī)模を拡大できる時(shí)代になりました。
必然的に、メーカー側(cè)からすれば、自分たちが大切にしている顧客情報(bào)が全部吸い上げられてしまう。そして競合になるわけです。
そうなってきたときに、ちゃんと自分たちの足で情報(bào)を仕入れ、eコマース企業(yè)に対抗できるくらいのユーザビリティ、顧客満足度を確保できるような施設(shè)が必要だと、どこかのタイミングで思うはずです。しかし、そうなってしまったときに準(zhǔn)備し始めても、もう遅いわけです。我々はそこを、もしくはそれを超えるようなかたちを目指しています。
メーカー主體、もしくは小売業(yè)主體で情報(bào)が正しく使われて、公平な商品力、アイデア、クリエイティビティで商売ができる。フェアなマーケットには、必ずニュートラルな位置にポジションするプラットフォームが必要です。私たちが提供したいのは、フェアなプラットフォームです。そういう姿を目指すプラットフォーマーたちと競合しながら、時(shí)には協(xié)業(yè)しながら、目指していきたいと思います。

秋葉:物流が見直されているのは明らかです。日本では2社に注目しているのですが、まず、約20年前、ファーストリテーリングは「SPA(製造小売り)」という業(yè)態(tài)を始めました。これは、小売業(yè)として製造もやるSPAという一つのビジネスモデルとして流行り、成功モデルになりました。アパレル以外の業(yè)界でも展開されていきました。しかし、現(xiàn)在目指しているのは「製造?物流?小売り」だと思います。しかも、ひとつの場所で集約して行おうとしています。
そしてもう一社、ニトリです。ニトリは自らを製造物流小売業(yè)と言っています。やっぱり、物流は外せなくなっていますよね。先ほど話が出た大手eコマース企業(yè)にしても、小売りですが物流においても、川下から川上までマネジメントしています。
大手eコマース企業(yè)がプライベートブランドをやるということは、製造まで始めようということです。どちらにしても、物流は切れないということがすごく明確になった気がします。

物流はこれまで人がやっていたため、データも集まっていなかった。ピーター?ドラッカーは「物流とは、最後の暗黒大陸である」とかつて語りました。お二人の話を聞いていると、今そこにかなり光が當(dāng)たってきたと感じます。

秋葉:まさに當(dāng)たっていると思います。まったく違う切り口で話をすると、今、第四次産業(yè)革命と言われています。第二次では分業(yè)化が進(jìn)みました。分業(yè)化が進(jìn)んで良かったことがたくさんあって、それぞれの分業(yè)において、そこを強(qiáng)みにするということができました。ある意味、部分最適が行われ、そのおかげでいろいろなものが成長してきました。しかし、その時(shí)代は情報(bào)の伝達(dá)にすごく時(shí)間がかかるからそうしていたのが実態(tài)だと思うんです。第四次産業(yè)革命の時(shí)代においては、情報(bào)伝達(dá)は瞬間でできるようになりました。瞬間でできるような世の中のインフラが出來上がったのに、分業(yè)のままのスタイルが効率的でしょうか。そうではないことは誰の目から見ても明らかだと思います。だけどそこにしがみついてやっていく企業(yè)なのか、すごく安価に使えるようになったインフラを使いこなしてやっていくのか、という話なのです。
たとえば、スタートアップ企業(yè)を100社全部回っても、大半の企業(yè)では、10人くらいのオフィスでみんなPCを開いています。これから何かを始めるには、何の事業(yè)をやっていくにしても、人海戦術(shù)ではないことは明らかです。情報(bào)伝達(dá)のインフラをどう使いこなすのか。いわゆる普通のシステムかもしれないし、人工知能かもしれないし、データマイニングをしているのかもしれないけれど、そういう世界です。

分業(yè)というのがサプライチェーンのチェーンのひとつずつだと思うのですが、その発想自體が変わりますよね。AI、IoTによって、これからは同時(shí)性が実現(xiàn)していきます。そのあたりをどう考えますか。

加藤:サプライチェーンの今までの在り方は、やはり縦割になってしまっている部分が相當(dāng)ありました。たとえば物流でいうと、商品が製造されてお客様の手元に屆くまでに、何回入荷をして何回出荷をしているか、それぞれの擔(dān)當(dāng)部門が行っていたわけです。

秋葉:バケツリレーを何回するかですね。

加藤:ここからここに移して、ここからここに移してと、同じことをやっているわけです。當(dāng)然コストもかかるし時(shí)間もかかります。それ自體が今変わろうとしています。チェーンになっていないものをちゃんとチェーンにしていこう、小売りを加速させていこうということです。
たまたま我々は「フルフィルメント」や物流をやっていますが、これが何か他のことでお客様のニーズを満たすのであれば、まったく違うこと、異業(yè)種を取り込んで、一旦解體して、チェーンに合うようにカスタマイズしてもう一回組み込むということをやります。我々がやっていることは、すべて、昔からある仕事です。スタジオがあって、カメラマンがいてやっていたことです。しかし、これまでのやりかたは、今の時(shí)代に必要とされているやり方ではありませんでした。ですから、一旦分解して、通販に必要な部分だけ殘して改良しました。
さらに、もっと売れるにはどうすればいいのかを考えたとき、たとえば、1日でも、1時(shí)間でも早く売るために、早くWebサイトに上げようとなるわけです。一気に100商品が入ってきても、1時(shí)間で撮影を終わらせるためにはどうしたらいいんだろうと考えると、100スタジオあれば1時(shí)間で全部終わる、じゃあ100スタジオつくろう、ということになります。だからプラットフォームが大きくなってくるのです。
たぶん今後も同じで、サプライチェーンを見直していくと、ここの工程はこれじゃだめだということが出てくるでしょう。前と後ろが繋がっていないのであれば、一回バラバラにして、さっきの撮影みたいにもう一回結(jié)合させることによって、そのビジネスモデルが加速する。さらに効率化、コストダウンして、売り上げを上げる要素があることを一つずつ見直していく。見直して、それがなければ自分たちでつくっていく。もしくは、自分たちでつくれないのであれば、協(xié)力會社と連攜してパートナーシップを組んでいく。そういうことだと思います。

秋葉:先ほど申し上げたように、これまで多くの企業(yè)がロジスティクスの業(yè)務(wù)プロセスを人間ありきで組み上げてきました。特に日本の場合は人が優(yōu)秀なので、いろいろな意味でそうならざるを得ませんでした。
しかし、ここまで技術(shù)が進(jìn)めば、業(yè)務(wù)プロセスをもう一回細(xì)かく切り刻んだら、本當(dāng)に人にしかできないことは何かという話になると思うんです。そもそも、ロボットありきでプロセスを考えれば、まったく違う構(gòu)造の中で人がやることになるでしょう。たとえば、アッカ社が今千葉ニュータウンで行っているセンターでは、ロボットが持ってくるので、ピッキングのステーションにしか人はいません。その人をいかに待たせないか、無駄にしないかということがポイントになるわけです。今までであれば、ピッキングするのに棚のところまで人が歩いて行くということをしていたために、その生産性がポイントだったのが、まったく違うプロセスになるわけです。そういうことの繰り返しだと思っています。

そうなると、今まで仕方ないと思っていたビジネスの問題や課題に対して、考え方がまるっきり変わってきます。ダイワロジテックのフィールドは広そうです。

秋葉:ダイワロジテックはホールディングスカンパニーです。その中にアッカ?インターナショナル、フレームワークス、モノプラスもあります。資本提攜という意味でいくとグGROUND(株)もハコブ(株)もあります。すごく特徴的で、それぞれの経営者がいろいろな思いを持つ會社が集まっています。
そうすると、お客様に何を提案しようかとなったとき、アッカの加藤は加藤の考え方があります、フレームワークスの秋葉は秋葉の考え方があります、グラウンドの宮田は宮田の考え方があります。それは同じかもしれないけど、まったく違うかもしれません。僕はそこがすごくおもしろいと思っています。だからこそ、今までにない提案がお客様にできるんです。
その提案を畫期的なものにしていくためにも、今までの売り方とは違う、提案するための、各社からメンバーが集まって議論する場を、最初のうちは多くつくらならなければなりません。みんなの頭の中をどんどんブラッシュアップさせていくことをしないといけません。もちろん、大和ハウス工業(yè)のメンバーも加えたなかでやっていきたいと思っています。

これまでにない、畫期的な提案ができそうです。

加藤:大和ハウス工業(yè)グループが、將來10兆円の売り上げを目指すことに何か手伝うことができたら、貢獻(xiàn)できたらすごく嬉しいと思います。樋口會長からは、「自由にやりなさい、何かに制限されることなく、今までどおり自由なことを大きな枠組みでやったらいい」というありがたいお話をいただきました。
もちろん、10兆円をターゲットにするとなると、自分たちだけではできません。もっとフラットに、オープンマインドでいろいろな人と手を結(jié)んでいかなければいけないでしょうし、それこそマーケットでは、日本だけではなく海外も見ていかなければならないでしょう。今まで競合だと思っていた人たちとも、手を繋いで新しいものをつくりあげるたり、サービスを考えたりすることも必要でしょう。
いろいろな特殊な力やネットワークを持っている人たちが同じ方向を向いて集まったときの力は、やはり半端ないものがあると思います。クローズでやっていたのでは、プラットフォームではありません。手を取り合っていくというスタンスはすごく大事です。それを、むしろ周りが驚くくらいのスピードと実績で証明していきたいと思っています。そうでないと、口で言っているだけじゃないかと思わるでしょうから。

秋葉:ダイワロジテックでやりたいことは本當(dāng)にたくさんあります。極端なことを言うと、今物流の業(yè)界は「きつい」「給料安い」「帰れない」という新3Kなんです。それを、「カッコいい」「クール」「輝いている」という3Kにしたいのです。何度も言っているように、既存の事業(yè)モデルではないロジスティクス事業(yè)者になりたいのです。今までの物流會社ではない、全然違うということが、このダイワロジテックという事業(yè)體の色、形です。そのためにいろいろなサービスをします。
だからこそいろいろな會社が集まったほうが、ケミストリー、化學(xué)反応を起こしていけるのではないかと思うのです。面白いことに、ダイワロジテックというのは、物流のド真ん中でずっと仕事をしてきた人間がいない組織です。加藤や宮田は金融、佐々木はコンサルティング會社です。そういう人だからこそ思いつく、しがらみなくやれることがあるはずです。これが10年前だったら、あり得なかった話かもしれませんが、今は違います。今はどちらかというと、むしろ期待されている感が伝わってきます。そういう時(shí)代に僕らが生きているということも含めて、やることも含めて僕らの責(zé)任かなと思っています。そういうチャンスを、この大和ハウスグループというところでもらっていると思っています。

第3回に続く

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土地活用ラボ for Biz アナリスト

秋葉 淳一(あきば じゅんいち)

株式會社フレームワークス會長。1987年4月大手鉄鋼メーカー系のゼネコンに入社。制御用コンピュータ開発と生産管理システムの構(gòu)築に攜わる。
その後、多くの企業(yè)のサプライチェーンマネジメントシステム(SCM)の構(gòu)築とそれに伴うビジネスプロセス?リエンジニアリング(BPR)のコンサルティングに従事。
2005年8月株式會社フレームワークスに入社、SCM?ロジスティクスコンサルタントとしてロジスティクスの構(gòu)築や改革、および倉庫管理システム(WMS)の導(dǎo)入をサポートしている。

単に言葉の定義ではない、企業(yè)に応じたオムニチャネルを?qū)g現(xiàn)するために奔走中。

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