
サプライチェーン
秋葉淳一のロジスティックコラム(1) ロジスティクスは戦略であり、手段ではない
公開日:2018/03/31
ダイワロジテックの誕生
2017年11月、大和ハウス工業(yè)の新たな一員として、株式會社ダイワロジテックが生まれました。
これまで、大和ハウス工業(yè)は多くの物流センターを提供してきましたが、施設(shè)だけではなく、物流オペレーションまで含めたトータルソリューションとして提供するために生まれた會社です。
フレームワークス、アッカ?インターナショナルなどの5社に加え、資本提攜しているGroundとHacobuを加えた7社が、現(xiàn)在のメンバーです。
ダイワロジテックの主な設(shè)立目的として、大きく3つあると考えています。
まず、現(xiàn)在の物流業(yè)界には、慢性的な人財(cái)不足、労働集約型ゆえのコスト高などをはじめとする、実に多くの慢性的な問題を抱えていますが、それらの問題をこれまでのアプローチとはまったく異なるやり方で解決しようとするのがダイワロジテックです。
アルバート?アインシュタインが、「我々が直面する重要な問題は、それが起きた時(shí)と同じ考えのレベルで解決することはできない」と語るように、現(xiàn)在起きている問題は、現(xiàn)在ある視點(diǎn)やソリューションで解決することは不可能です。
次に、大和ハウス工業(yè)は多くの物流不動産や施設(shè)を持っています。お客様も同様に、多くの物流不動産や施設(shè)をお持ちです。
そうした資産の価値を上げるために、私たちが提供するプラットフォームソリューションを活用いただこうと思っています。つまり、私たちのサービスを活用いただくことで、付加価値、生産性を上げ、資産価値を高めていただきたいのです。
そして、何よりも、これからのロジスティクス業(yè)界で働く人たちが、いきいきとカッコよく、誰もが憧れるような働き方をしていただきたいと思っています。物流業(yè)界は仕事がきつく、條件もあまりよくないと言われていますが、そうしたイメージを払拭し、仕事の価値を高め、優(yōu)秀な人材が集まるような狀態(tài)を目指しています。
そのために、ダイワロジテックは挑戦を続けていきます。
Eコマースへの移行がもたらす課題
現(xiàn)在、小売りが店舗からEコマースでの販売に大きく移行しています。小売店での販売においては、物流センターから商品を店舗にまとめて送るだけですが、Eコマースでは物流がまったく変わります。
まず、単位が非常に細(xì)かくなります。私たちはタッチ回?cái)?shù)と呼びますが、人が觸れる回?cái)?shù)が増えれば増えるほどコストが上がります。たとえば、お店であれば箱単位で送ればよかったものが、1個(gè)単位になります。箱に1ダース入っていたとすると、今まではその12個(gè)が1回のタッチでよかったのに、12回のタッチになるということです。12回觸ろうが1回觸ろうが、売れている數(shù)は12個(gè)でしかないので、売り上げからすると同じ金額なのに、コストは変わってきている。それだけ物流サイドが大変になるということです。
物流をコストとして捉えると、対売上構(gòu)成比何パーセントが物流費(fèi)という発想になります。つまり、12個(gè)バラバラになるとコストが上がるという発想にはなりにくいし、考えたくもないでしょう。これは非常に大きな問題です。
次に、荷物を?qū)盲堡霑r(shí)間の問題があります。お店の場合は売場があり、當(dāng)然、その日売れる以上の數(shù)がそこに並んでいます。なおかつバックヤードにもあります。スーパーの飲み物売り場の冷蔵庫には飲み物がたくさん並んでいます。
ですから1個(gè)2個(gè)売れても、売れた瞬間に商品をそこに屆ける必要はありません。しかし、Eコマースの場合は、売れた瞬間に、すぐに屆ける必要があります。それが今日中なのか、明日なのか、あさってなのかは別として、その人が欲しいと言う時(shí)間に屆けなければなりません。これはとても大きな差です。
機(jī)械工具などをプロ向けに販売するトラスコ中山という會社があります。プロが使う商品をスピーディに屆けることを重視している企業(yè)です。掘削工具などのMRO(機(jī)械工具などの工場用副資材)の商材は、工具が壊れてしまうと、その瞬間にその人たちの商売に直結(jié)します。ということは、當(dāng)たり前ですが、どれだけ確実にデリバリーできるかが重要です。売れ筋の商品はホームセンターでも買えるかもしれませんが、プロ仕様のどこでも売っているものではない商材だからこそ、デリバリーのタイミングが重要だと認(rèn)識されています。
Eコマースでも、同じようなことが起きています。ロングテールの商品をどれだけ持ち、適切なタイミングでデリバリーすることができるかどうかが非常に重要になっています。
ロジスティクスとは戦略であり、手段ではない
ロジスティクスは戦略であり、手段ではありません。これは、もっとも重要なことなのですが、まだまだロジスティクスは物流と同じ考え方をされています。ロジスティクスを手段だととらえてしまうことに、大きな間違いがあるのではないでしょうか。
Eコマースやオムニチャネルが発達(dá)する前、商材をまとめて店舗に送る時(shí)代に、それほど物理的、時(shí)間的な制約がない場合は、「オーダーがあったら動く」ことでも大丈夫でした。
「屆ける」という「手段」をその時(shí)點(diǎn)で考えればよかったわけです。しかし、「手段」という認(rèn)識のままだと、スマートフォンによって、いつでもどこでも物が買えるようになった世界では、どうやって対応していくのかが非常に難しくなります。そしてこの流れは將來にむけてさらに拡大していくのは間違いないでしょう。
経済産業(yè)省「平成28年度我が國経済社會の情報(bào)化?サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調(diào)査)」より
さらに、ロジスティクスを戦略として考えないと、経営の問題であるキャッシュフローへのインパクトが見えなくなってしまいます。
商品が、店舗でもEコマースでも売れる、オムニチャネルの時(shí)代になると、改めて、在庫が経営に対して大きなインパクトを與えるようになります。在庫をどうやってコントロールするかで、キャッシュフローがまったく変わるからです。しかし、在庫がキャッシュフローと密接に関連し、経営にどれだけインパクトを與えるかをわかっていない人たちが、まだまだいます。
コストという観點(diǎn)から見たとき、配送費(fèi)用や物流センターの中のコストもたしかに経営にインパクトを與えるのですが、もっとも経営の改善に効果があるのは在庫のコントロールです。
B2C、B2B雙方において、Eコマースが発展し、流通のかたちが大きく変ろうしている現(xiàn)在、鍵を握るのは間違いなくロジスティクスです。ロジスティクスを戦略としてとらえ、経営課題として取り組むことが今求められています。
トークセッション ゲスト:學(xué)習(xí)院大學(xué) 経済學(xué)部経営學(xué)科教授 河合亜矢子
- 第1回 物流を知り、理解することから始まる
- 第2回 テクノロジーでネットワーク化し、全體最適を図る時(shí)代
- 第3回 現(xiàn)在の學(xué)生が業(yè)界の中心となる30年後、企業(yè)はどうあるべきかを考えたい
トークセッション ゲスト:セイノーホールディングス株式會社 執(zhí)行役員 河合秀治
トークセッション ゲスト:SBロジスティクス株式會社 COO 安高真之
トークセッション ゲスト:大和ハウス工業(yè)株式會社 取締役常務(wù)執(zhí)行役員 建築事業(yè)本部長 浦川竜哉
トークセッション ゲスト:株式會社Hacobu 代表取締役CEO 佐々木太郎
トークセッション ゲスト:明治大學(xué) グローバル?ビジネス研究科教授 博士 橋本雅隆
トークセッション ゲスト:株式會社 日立物流 執(zhí)行役専務(wù) 佐藤清輝
- 第1回 LOGISTEEDで物流の新領(lǐng)域へ
- 第2回 LOGISTEEDの「デジタルプラットフォーム」で次世代ロジスティクスへ
- 第3回 LOGISTEEDのSSCV技術(shù)が物流の世界を拡げていく
トークセッション ゲスト:流通経済大學(xué) 流通情報(bào)學(xué)部 教授 矢野裕児
- 第1回 モビリティを再編し、物流起點(diǎn)のイノベーションを起こす
- 第2回 「その場対応のロジスティクス」から「先を読んだロジスティクス」の世界へ
- 第3回 物流ネットワークの在り方が変われば物流が変わる
トークセッション ゲスト:アスクル株式會社 CEO補(bǔ)佐室 兼 ECR本部 サービス開発 執(zhí)行役員 ロジスティクスフェロー池田和幸
トークセッション ゲスト:MUJIN CEO 兼 共同創(chuàng)業(yè)者 滝野 一征
トークセッション ゲスト:株式會社ABEJA 代表取締役社長CEO 岡田陽介
トークセッション ゲスト:株式會社ローランド?ベルガー プリンシパル 小野塚 征志
トークセッション ゲスト:株式會社アッカ?インターナショナル代表取締役社長 加藤 大和
スペシャルトーク ゲスト:株式會社ママスクエア代表取締役 藤代 聡
スペシャルトーク ゲスト:株式會社エアークローゼット代表取締役社長兼CEO 天沼 聰
- 第1回 お互いのビジネスが「シェアリング」というコンセプトで結(jié)びついた
- 第2回 まずは見ていただいて、シェアリングの世界を感じていただきたい
- 第3回 シェアリング物流のコアで、かつ本質(zhì)的なところは、進(jìn)化すること
秋葉淳一のロジスティックコラム
トークセッション:「お客様のビジネスを成功させるロジスティクスプラットフォーム」
ゲスト:株式會社アッカ?インターナショナル代表取締役社長 加藤 大和
トークセッション:「物流イノベーション、今がそのとき」
ゲスト:株式會社Hacobu 代表取締役 佐々木 太郎氏
「CREはサプライチェーンだ!」シリーズ
- Vol.1 究極の顧客指向で「在庫」と「物流資産」を強(qiáng)みとする「トラスコ中山」
- Vol.2 「グローバルサプライチェーン」で食を支える日本水産
- Vol.3 「當(dāng)たり前を地道にコツコツ」実現(xiàn)したヨドバシカメラのロジスティクスシステム
- Vol.4 「新たなインテリア雑貨産業(yè)」を構(gòu)築したニトリホールディングス
- Vol.5 物流不動産の価値を上げる「人工知能」が資産価値を上げる
- Vol.6「ロボット」が資産価値を上げる
- Vol.7「人財(cái)」が資産価値を上げる
- Vol.8「ビッグデータ」が資産価値を上げる
- Vol.9 AI、IoTがCRE戦略にもたらすこと
「物流は経営だ」シリーズ
土地活用ラボ for Biz アナリスト

秋葉 淳一(あきば じゅんいち)
株式會社フレームワークス會長。1987年4月大手鉄鋼メーカー系のゼネコンに入社。制御用コンピュータ開発と生産管理システムの構(gòu)築に攜わる。
その後、多くの企業(yè)のサプライチェーンマネジメントシステム(SCM)の構(gòu)築とそれに伴うビジネスプロセス?リエンジニアリング(BPR)のコンサルティングに従事。
2005年8月株式會社フレームワークスに入社、SCM?ロジスティクスコンサルタントとしてロジスティクスの構(gòu)築や改革、および倉庫管理システム(WMS)の導(dǎo)入をサポートしている。
単に言葉の定義ではない、企業(yè)に応じたオムニチャネルを?qū)g現(xiàn)するために奔走中。