SSCVが安全?安心を構(gòu)築し、ドライバーを守る

秋葉：これまで、センター內(nèi)のお話が中心でしたが、ドライバーの問題を含め、センターの外におけるデジタル化にも注力されています。

佐藤：センターの外においても、「SSCV（Smart & Safety Connected Vehicle）」と呼んでいる、さまざまなソリューションがあります。SSCVとは、SSCV三兄弟と言っているのですが、「SSCV-Safety」「SSCV-Smart」「SSCV-Vehicle」という3つのソリューションで構(gòu)成された輸送デジタルプラットフォームです。三兄弟の1番目はSSCV-Safety、安全です。今までの安全管理ではなかったことなのですが、運(yùn)行中のドライバーのバイタルデータをリアルタイムで拾い上げます。出発前點(diǎn)呼でのドライバーの生體測(cè)定による體調(diào)の可視化、數(shù)値化を行うことで、體調(diào)不良による事故を未然に防止します。これによりドライバーは體調(diào)を自覚し、管理者は出発前指導(dǎo)および乗車可否の判斷をすることができます。點(diǎn)呼時(shí)のみならず、運(yùn)行中のバイタルデータをリアルタイムで拾い上げて、體調(diào)の変化の危険予兆を得たところでアラートを鳴らすという仕掛けです。點(diǎn)呼時(shí)、出発時(shí)、帰著時(shí)を含め、自律神経、血糖値をはじめさまざまなデータを継続して取っているので、健康診斷を毎日やっているのと同じです。個(gè)人ごとに取っているので、例えば血糖値が急に下がれば、これは危ないとわかりますよね。この運(yùn)行中のバイタルデータの取得と危険予知の仕掛けは世界初で、世界中どこを探してもありません。
SSCV-Safetyは、事故を未然に防止するだけでなくドライバーのレベルも上げていきます。教育プログラムでもあるわけです。SSCV-Safetyの車両には、IoTドラレコ、モービルアイ、IoTボタンといった機(jī)器を搭載しています。IoTドラレコは常時(shí)録畫で、インシデント発生時(shí)はAIが動(dòng)畫を切り出します。これによって帰著後に運(yùn)行管理者とドライバーは振り返りを毎日行います。IoTボタンは、ドライバーが危険だと思った時(shí)點(diǎn)で自ら押すことで、その情報(bào)を職場(chǎng)の皆で共有することができます。こういった仕掛けによって、ドライバーの運(yùn)転技能が向上し、癖を直していきます。つまり、SSCV-Safety一番の肝は教育と人財(cái)育成なのです。事故の未然防止、ドライバーの體調(diào)管理、畫像による情報(bào)共有、帰著時(shí)の振り返り、教育など、こういったことを日々積み重ねていくことでドライバーの能力が向上し、事故を減らしていきます。単に機(jī)器を入れただけでは事故はなくなっていかないと思います。
2番目はSSCV-Smartで、輸送全體の効率化を目指します。配車管理、運(yùn)行管理、動(dòng)態(tài)管理、事務(wù)管理で、いわゆる貨物の求荷?求車ともつながります。まずは長(zhǎng)距離の往路?復(fù)路を可視化し、社內(nèi)で発生するスポット手配の車を減らしています。ここでまたHacobuさんとカートリッジ的につながってくるわけですね。Hacobuさんのマッチングを共有することができますし、Hacobuさんのパートナー車両が日立物流サイドのデジタルトランスフォーメーションされた環(huán)境の車ともつながることができるわけです。

秋葉：これは漫然運(yùn)転の話にもつながりますね。漫然運(yùn)転というのは、居眠りしているわけでもなく、脇見をしているわけでもなく、ちゃんと前を見ていて、眠そうに瞬きをしているわけでもないのだけど、気持ちがどこかにいってしまっている狀態(tài)です。これが大きな事故の原因の3割くらいになっています。これまでの技術(shù)では、脇見や眠そうな表情は畫像である程度わかるのですが、漫然はわかりません。そのデータを取るためにも、この仕組みは非常に重要です。

佐藤：漫然運(yùn)転の狀態(tài)に陥る瞬間の背景には、疲労の蓄積があります。これについて、日立物流では、関西福祉科學(xué)大學(xué)や、理化學(xué)研究所、日本疲労學(xué)會(huì)と共に産官學(xué)連攜の取り組みを行っています。PhaseI（2018年度）の段階では、乗車前と帰著後の點(diǎn)呼時(shí)のバイタルデータとその日の運(yùn)行の車の挙動(dòng)やインシデントの相関関係、因果関係について研究を行いました。交感神経?副交感神経のデータと車の挙動(dòng)やインシデントの畫像データを紐付けすることで、運(yùn)行前後の體調(diào)測(cè)定（疲労）とヒヤリ?ハット事象との相関性があることが確認(rèn)され、2019年5月、第15回日本疲労學(xué)會(huì)総會(huì)?學(xué)術(shù)集會(huì)で発表されました。PhaseII（2019年度）では、運(yùn)行中のバイタルデータとヒヤリ?ハット事象との相関性を研究しました。今年も発表する予定だったのですが、新型コロナウイルス感染癥の影響によりまだできていません。運(yùn)行中のバイタルデータをずっと蓄積してきて、いよいよこれが研究の最終発表になります。こうした研究を踏まえて、醫(yī)學(xué)的な裏付けを得るために、実証実験を行ってきました。當(dāng)社では國內(nèi)グループの全車両につけて、自らPoC（Proof of Concept：概念実証、試作開発の前段階における検証やデモンストレーション）してきたのです。このように自ら実証し學(xué)識(shí)者のお墨付きも得て、きっちりと説明できる狀態(tài)にして、外販したいと考えています。

秋葉：多くの會(huì)社さんに採用していただきたいですね、ドライバー自體を守ることにもつながるのですから。

ドライバー不足という課題の解決に向けて

秋葉：先ほど、日立物流さん自らPoCをされてきたというお話がありました。それができ上がって使う狀態(tài)からスタートできることは、非常に大きいと思います。最初の頃はドライバーも嫌がったとお聞きしました。

佐藤：事故というものはなぜか連続する傾向があります。その度に集まって、最初は、市販のデバイスを買ってくるところから始まりました。付けたドライバーから「うるさくて運(yùn)転できない」「外させてくれ」と言われながら、何とか1カ月くらいやってもらいました。何かわかるのではないかと思ったのです。ところが、ドラレコと畫像とデバイスを、素人ながら、苦労しながら分析を繰り返したにもかかわらず、さっぱりわからず、因果関係は何も見えませんでした。これには困りましたね。そのとき、最初に導(dǎo)入したデバイスで、自律神経を計(jì)測(cè)する機(jī)器を作っている會(huì)社の社長(zhǎng)さんに相談したところ、社長(zhǎng)さんの弟がたまたま「日本疲労學(xué)會(huì)」の先生だったのです。社長(zhǎng)さんがその話をしてくださり、先生がすぐに大阪から飛んできてくれました。最初は、「君たちはなんということをやっているんだ。運(yùn)送會(huì)社がこんなことを研究してどうするんだ」と驚かれました。「人間のバイタルデータと車の挙動(dòng)にどのような因果関係があるのか知りたいだなんて、そんなことをやろうとしている人は世界中探しても誰もいません。それを取ろうとしても無理」だと。そもそも、タクシー運(yùn)転手やバス運(yùn)転手も含め、慢性疲労職種といわれているドライバーの運(yùn)行中のバイタルデータを取るということは、世界中で前例がなかったのです。ところが、面白いからと一緒にやろうということになり、その後、理化學(xué)研究所にも入ってもらうようになりました。

秋葉：この研究はドライバーですが、ドライバーだけでなくいろいろなところで使えますよね。

佐藤：そうです。例えば、エレベーターの保守メンテナンスの方など、工事の場(chǎng)面でのバイタルデータはあるのですが、車での移動(dòng)中はありません。そもそも點(diǎn)呼の制度がないですよね。この仕掛けとつなげることによって、保守メンテナンスの作業(yè)者の方々の事故を減らしていくことができます。移動(dòng)で車を運(yùn)転しますし、そういったところに著眼してやっているところもあります。

秋葉：ドライバーとして認(rèn)識(shí)されていない人も、仕事で毎日たくさん運(yùn)転するわけですよね。

佐藤：もう一つ、白ナンバーのトラック、自家用車両の問題があります。先日、経済同友會(huì)でも白ナンバー車の有償運(yùn)送許可について提言されていました。今まで自家用車だった車両がお客様の荷物を預(yù)かるわけですから、安全?安心をはじめどこまでできるかが問題です。だからこそSSCVのような仕組みが必要です。ドライバーが不足しているのですから、そうしないと対応できません。こういった大きな仕掛けで世の中のために役立つのであれば、大和ハウスグループさんのような大きな企業(yè)のグループのところと組んでどんどん一緒にやっていきたいですね。